A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ムードテナーがあれば、・・・・ムードトランペットも

2008-01-18 | MY FAVORITE ALBUM
Feels So Good / Chuck Mangione

というのが果たしてあるのかどうかは・・?
この前の、スコットハミルトンのダニーボーイですっかりムードづいてしまった。

確かにトランペットのバラードプレーはムード満点のものがある。でも、マイルスのプレーはムード満点というよりは、ある種の冷たい鋭さを感じる。
強いていえば、ムード派はチェットベイカーかアートファーマーか。
サドジョーンズの「チャイルドイズボーン」なんかも好きだ演奏だが。
ジャズではなく、ポピュラーの世界ではニニロッソが人気になったこともある。
これも、ムードトランペットはというには・・。
いずれにしても、テナーと異なりトランペットはムードがあったとしても日本の演歌には似合いそうにはない。

ストレートジャズとはいえない演奏で、ムードたっぷりのトランペットですごく印象に残っている曲がある。
このチャックマンジョーネのアルバムのタイトル曲“Feels So Good”だ。
77年に大ヒットしたアルバムだし、CMにも使われたりもしたポピュラーな曲だ。
ギターをバックにした出だしが何とも云えず気に入ってしまった。というか、この部分だけが妙に印象に残っている。
ジャンルを問わず理屈抜きに自分の感性とフィーリングが合ってしまう時がある。女性とフィーリングが合うのと同じかもしれない。

このマンジョーネ、家族同士がディジーガレスピーの知り合いで父に連れられて兄と一緒にジャズをよく聴きにいったそうだ。その影響もありジャズを始めたマンジョーネは、トランペットを学び、ハーマンやファーガソンのオーケストラにも参加。そして、あのアートブレーキーのグループにも参加したという。
最初はバリバリのハードバッパーだったということだ。このアルバムからは昔のプレーぶりは想像できないがどんなプレーをしていたのだろうか?
ビッグバンドやストレートジャズでスタートしたが、折からのフュージョンの流れに旨く乗って変身して見事に成功した一人だ。

実はこのアルバムに参加して、ギターを弾いているのが、先日コンコルドのアルバムを紹介したグラント・ガイスマンだ。人気グループの一員となったガイスマンはレコーディングだけでなく、一時マンジョーネのレギュラーグループのメンバーとしてツアーにも同行していた。

このアルバムとほとんど同時期の録音であるが、そのプレーぶりは全く別なもの。当時の若手はスタジオワークだけでなく、日常のセッションもストレートなジャズとフュージョンをうまく使い分けている。
昔のダンスバンド全盛期に、新進気鋭の若手はバンドのメンバーとしての演奏とその後のアフターアワーズセッションを使い分けていたように。
 
意図的に企画され、制作されたジャズアルバムにももちろんいいアルバムがあるが、ジャズの原点でもある自然発生的な演奏にジャズの楽しみもある。そして、フォービートもあれば8ビートもある。コンボもあればビッグバンドもある・・・。
演奏する方も聴く方にとっても、この多様性がジャズの魅力だろう。
そして、その中から自分のお気に入りに演奏を見つけるのが、ジャズの宝探しの楽しみだ。

Feels So Good
Maui-Waui
Theme From “Side Street”
Hide & Seek
Last Dance
The ⅩⅠth Commandment

Produced by Chuck Mangione

Chuck Mangione (flh,elp)
Chris Vadala (ss,bs,piccolo,fl)
Grant geissman (g)
Charles Meeks (b)
James Bradley Jr. (ds,conga,timbales)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする