A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

電子化(デジタル)化の前に・・・電化時代が。

2008-01-23 | MY FAVORITE ALBUM
Grass / Jackie & Roy

電話もクルマも家電も世の中すべてデジタル化の時代だ。
デジタルというとコンピューター。大分使い易くなったとはいえ、面と向かうとまだまだ付き合いにくい。日常的にやり慣れたことであれば問題はないが、特殊な使い方、さらにはトラブルが起ったとなると、一筋縄では手に負えなくなる。
デジタルが日常生活に溶け込み、我々がそれに合わせた使い方に慣れるにはもう少し時間がかかるであろう。

今のデジタル化の時代の前に、実は電化(electric)の時代が一昔前にあった。
いわゆる家電を中心とした三種の神器であるテレビ、冷蔵庫、洗濯機が家庭に広まったのは1950年代。レコードを聴くためのプレーヤーも「電蓄」とか「ステレオ」とか言われた時代であった。
音楽の世界が電化されたのは60年代になってからが本格的。いわゆるロックの影響だ。ロックンロール、ビートルズ、そして日本ではグループサウンドの世界が電化された音楽のはしりであろう。
ジャズの世界もこれに影響を受け、60年代の後半にはアナログから電化の時代を迎えた。
ギターは元々アンプで増幅する程度の電化はされていたが、エレキベース、そしてエレキピアノの登場で一気に電化が進んだ。さらには、エレキトランペットやシンセサイザーへと。

何の世界でもそうであるが、最初に若者や新し物好きが初物に飛びつくと、好奇心旺盛な第2陣が取り組みを開始する。ベテラン勢も負けてはいられないと、試行錯誤や物は試しでトライアルが始まった。
中でも歌手は基本的にアナログ派で電化は最後と思っていたが、このJakie &Royの2人はそうでもなかった。
もっとも、彼らはバップVOCALの中心で活躍した。新しい物へ取り組む姿勢は変わっていなかった。
前作のLovesickではボサノバにチャレンジ。と思ったら今度はRockに挑戦。電化された世界への挑戦だがアルバムタイトルがいきなり“The Electoric Jackie & Roy”とは恐れ入った。

どう電化されたかというと、さすが人間の声までは電化されていなかった。
せいぜいダビングをして自分の声をハモらせる程度。さすがに歌い方をヘビーロック調に変えることもなかった。
しかし、選曲とバックの演奏はがらりと様相を変えた。ビートルズナンバーもオリジナルの雰囲気を感じさせ、ドラムも4ビートの軽快さというよりはヘビーなドラミング。ブラスのアンサンブルもブラスロックのサウンドだ。
中でも、秀逸なのはロイのエレキピアノ。まだ、フェンダーが世に出て間もない頃だが、実にエレキピアノの特徴をいかしたプレーをしている。

上質のソフトロック、いわゆるAORの印象に残っている一枚だ。特に、それをお気に入りのジャッキーアンドロイがやっているので。

それにしても、このアルバムのタイトルの"Grass"。
芝生に寝転ぶ2人の写真はあるが、意図する意味が分からないな?

1. Open                           Landesman, Pockriss 3:50
2. Stay With Me Forever, Stay With Me Now     Kral 3:50
3. Holiday                          Gibb, Gibb 3:29
4. A Most Peculiar Man                  Simon 3:33
5. Fixing a Hole                      Lennon, McCartney 5:33
6. Winds Of Heaven                    Dorough, Landesman 3:11
7. Someone's Singing                   Donovan 2:17
8. What Do I Feel                     Landesman, Wolf 2:21   
9. Deus Brasileiro                     Gilbert, Valle, Valle 3:08
10. Without Rhyme Or Reason              Dorough, Landesman 2:48
11. Lady Madonna                     Lennon, McCartney 4:15

Puoduced by Jack Lewis & Monte Kay
Gene Radice Engineer

Jackie Cain (vocals)
Roy Kral (p,arr,vocals)
Artie Schroeck (sax,arr.)
George Young (bs)
Ray DeSio (tb)
Stuart Scharf (g)
Andy Muson (b)
Jimmy Molinary (ds)

Recorded 1968


コメント
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