A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

晩年のウェスの好演はやはりライブで・・

2007-02-22 | MY FAVORITE ALBUM
Smokin’ at The Half Note / Wes Montgomery


ケリーのライブが続いているが、忘れてはいけないのがWESとのハーフノートでのライブ。これも名盤だ。何でkellyのライブは名盤が多いのだろう。

1965年の6月の録音。ただし、ハーフノートのライブはA面の2曲だけだ。B面は9月にRudy Van Gelder Studioで録音されたものだ。
どちらも素晴らしいが、やはりライブのA面に軍配があがる。

クラブのライブ独特の人の話し声が微かに聞こえる中、いきなりWESのギターが炸裂する。
マイルスの作ったNo Bluesのソロの後半でKELLYのピアノがしばらく聞こえなくなる。kellyもピアノを離れて客に混じってWESのプレーを聞き入っていたとか。
まさに入魂のWESのプレーだ。

当時、ウィントンケリーのピアノトリオにウェスが加わって各地をまわっていた。その演奏旅行を続けている中での録音。過去に何度も共演(競演?)をしているので、コンビネーションもぴったりだ。元々相性もいいし。

65年と言えばコルトレーンが、インパルス時代の全盛期。すっかりハードバップからは様変わりした新しいJAZZが主流になり始めた時だ。
フリージャズ、そしてマイルスやエバンスに流れを汲む新主流派の台頭。大手のレーベルも“売れるJAZZ”のアルバム制作に傾き始めていた。
多様化といえばそれまでだが、何かJAZZの本質が薄れてしまった感じがする時代。それまで主役であったハードバップ、そしてその主役達はだんだん影が薄くなっていた頃だ。

この頃、kellyも例外ではなく、ほとんどアルバムを出していない。WESもオーケストラをバックにした演奏が主で、このようなコンボ編成での白熱したプレーは他のアルバムでは聞けない。
このようなアルバムが残っていて良かった。
この年の暮れにかけて、他にも何枚かのアルバムがある。聴いてみたいものだ。

音楽の世界ではビートルズが席捲し始め、ベトナム戦争が始まり、世相的にも反戦ムードが高まり、音楽の世界にも影響を与え始めた頃だ。
暗いクラブで聴衆と一体化したJAZZの持つ独特の雰囲気が似合わない時代背景になっていたのかもしれない、

そんな時に、「これぞJazz」という、腹のそこからSWINGして、ブルージーなジャズがライブではまだやられていたのが分かると嬉しくなる。

このアルバムが発売された時、最初に聞いたのは当然JAZZ喫茶だった。新しく出るアルバムがだんだん難しくなってきて、SWINGといっても何か違う乗りになっていってしまった時。
ニューオリンズJAZZに興味を持ち、だんだん歴史を辿ってモダンJAZZにキャッチアップしてきたが。何か「もやもや」した感じがしている中、このライブ演奏を聴いた。
その時、「やっぱりJAZZはこうでなくっちゃ」と思ったのが印象に残っている。まだ高校生の頃であったが。

No Blues
If You Could See Me Now
Unit Seven
Four On Six
What's New?

Wynton Kelly (p)
Wes Montgomery (g)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (d)

"Half Note", NYC, June 24, 1965
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 22, 1965

コメント (2)
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