A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

FULL HOUSE / WES MONTGOMERY

2007-02-16 | MY FAVORITE ALBUM
またまた名盤の登場、今度はKELLYとWESとの共演盤だ。2人は良く共演はしていたらしいが。
このアルバムタイトルの「FULL HOUSE」とはやはり満員御礼の意味がよく似合う。トランプのフルハウスの意味にもかけているとライナーノーツには書いてはあるが。LIVEはやはり満員の聴衆の熱気が自然と演奏を盛り上げていくものだが、このアルバムも多くの聴衆の中での熱演である。

この時、KELLYはマイルスのグループの一員でサンフランシスコに滞在していた。テナーのジョニーグリフィンも同じ町に。そして、WESが、月曜日にクラブへの出演の話しがあった。
プロデューサーのオリンキープニュースにとっては願ってもないチャンス。早速、全員が揃う月曜の夜に録音に至った次第だそうだ。
広いアメリカ大陸の中を、有名グループは演奏旅行で各地を廻っていた。今よりも交通事情が悪かった当時、各地にいる有名プレーヤーのセッションのアレンジを行うのは、レギュラーグループではないと色々大変だ。

録音の場所はBerkeley。サンフランシスコの街のちょうどゴルデンゲートを渡って湾を挟んだ反対側だ。Tsuboというクラブで、レギュラーのセッションが終わった後でのスペシャルセッション。一般の演奏ではなく公開録音といった感じだったのであろう。
したがって、一日のライブではあるがTakeがいくつか残されている。

そして、単なるジャムセッションに終わっていないところがまた、素晴らしい。
この録音のためにWESは3曲のオリジナルを提供し、さらにはクインテット用のアレンジも施した。
このようなお膳立てなので、演奏は臨時編成とは思えないレギュラーグループのような一体感のある演奏だ。

ハードバップも全盛期を過ぎた1962年。レコードの録音ではすでに新しい流れになっていった。だんだん聴衆と離れて自己満足の世界に入ってしまったJAZZであるが、ライブの世界ではまだまだこんな素晴らしい演奏が繰り広げられていたとは。レコードの世界だけでは、その当時のJAZZを体験できないことがよく分かる。

演奏はもちろんどれも素晴らしいが、お気に入りは一曲目、Full House。ちょっとテーマにラテンのリズムの入ったファンキーなメロディーを聴くと、JAZZ喫茶でよく聞いたのを思い出す。

Full House
Blue 'n' Boogie (take 2)
Cariba (take 2)
Come Rain or Come Shine (take 2)
S.O.S. (take 3)

Johnny Griffin (ts)
Wynton Kelly (p)
Wes Montgomery (g)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (d)

"Tsubo", Berkeley, CA, June 25, 1962
コメント
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