立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

反対討論 道路特定財源の確保に関する意見書

2008年03月20日 | Weblog
【反対討論】
 議員提出意見書案第1号 道路特定財源の確保に関する意見書

 「議員提出意見書案第1号 道路特定財源の確保に関する意見書」について、ガソリン税暫定税率の廃止、および道路特定財源を将来的に一般財源化させることを求める立場から、反対の意見を述べさせていただきます。

 道路特定財源制度は、道路整備を緊急的計画的に行うため、一般的な租税原則である「応能主義」とは異なる「応益主義」に基づき、その受益者である自動車利用者に課税し、税収を道路整備の財源として充当するシステムです。1954年に創設されて以来、わが国の社会資本としての道路整備を進める上で力を発揮してきたことは率直に認めるところであります。

 そのおかげで、全国的に道路舗装率は80パーセントに達しています。道路総延長も1960年当時と比べて23万キロも増えており、道路整備の8~9割が達成済みとなっています。道路密度(国土面積あたり道路延長)で比較すると、フランスの2倍、韓国の3倍強、アメリカの4倍強、ドイツの5倍弱など欧米諸国、近隣諸国を上回る水準となっています。

 これだけ道路整備の水準が高まったことを踏まえて、従来と同じ考え方で道路整備を続ける必要があるのか検証する必要があります。約59兆円を使って道路を造るという前提で税率上乗せを10年間維持する、すなわち、道路建設とガソリン税の暫定税率を固定的にリンクさせる手法には疑問を抱かざるを得ません。

 この間、国会では論戦が繰り広げられてきました。道路建設にだけ予算をつぎ込むのはおかしいのではと聞かれると、いや渋滞や開かずの踏切対策にも使うし、これは環境にもいいという答弁がありました。それなら一般財源化すればいいと言われると、それではユーザーの理解が得られないと受益者負担の原則を振りかざしました。道路特定財源に関するこの間の政府答弁はまさに「ああ言えばこう言う」のたぐいばかりでした。結局、「10年間で59兆円」の「道路の中期計画」の枠組みを死守しようという思惑ばかりが見え隠れしています。

 しかし、次々と明るみに出た事実はどうでしょうか。

 事業の前提となる交通需要予測は過大であり、「道路関連事業」という名目での地下鉄や河川整備、使われない駐車場整備への予算転用などなど………挙げればきりがありません。啓発ミュージカルや職員旅行、レクリエーションなどに至っては、明らかに流用と言うほかありません。高規格道路の着工基準である費用対便益もいつの間にか「1.2」から「1.0」に変更されていました。

 さらに、未完成の高規格道路の8割強が、4車線用で用地取得したことで割高な「暫定2車線」仕様で工事中であることが社民党議員の追及で分かりました。未完成2900キロのうち3分の2の建設は国幹会議の審議が不要で、その中の450キロは将来の高速道路への格上げを予定していることが分かっており、暫定2車線建設は高速道予算を先食いする手法ともいえます。

 こういう状況下では、必然的に、ガソリン税の暫定税率も見直し対象となります。ガソリン税は揮発油税と地方道路税をあわせた通称で、暫定的に1リットルあたり25円10銭を上乗せしています。上乗せ分は本則分(28.70円)に匹敵しています。2008年度の道路特定財源は国・地方で計5.4兆円にのぼる見込みで、うち2.6兆円が暫定税率分です。

 政府は、「恒久」的減税(定率減税)をすぐ廃止しながら、「暫定」を30年以上も維持してきました。これをさらに延長すること、特に今回は10年も延長することには反対です。道路整備が延々と続けられることで、環境にやさしくない負の側面もあります。また、原油価格が高騰し生活を直撃しています。時代や情況の変化を踏まえ廃止する方向で見直すべきではないでしょうか。

 もちろん、暫定税率の廃止の主張は、「道路整備なんか一切やらなくてもいい」ということを意味しているわけではありません。道路整備にあたっては、地域事情や住民要求、自治体の財政状況についても十分配慮していくべきであります。社民党は、暫定税率廃止に伴う地方の財源不足(約9000億円)は国が全額補填するべきであると考えています。その財源は、大企業とカネ持ち優遇の不公平税制の是正から目をそらさず、その見直しによる財源を充てるべきであると提案しています。具体的には、法人税及び高額所得者の所得税減税廃止で約3兆3000億円の財源が生み出されます。

 ガソリン税の暫定税率を廃止して、中央集権的な税財源の仕組みを地方分権型に改めていこうではありませんか。必要な道路は交付金で対応すればいいのです。また、本当に正しいと思うならば、一般財源を工面して造ればいいのです。福祉、医療、介護、教育、建設、農業………限られた財政の中で、市民の意見を尊重した上で優先順位を決め、裁量権を行使することに地方自治の魅力があり、また地方分権の目指すところであるということを申し上げ、反対討論を終わります。
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