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民主主義

2020-02-28 21:55:18 | 日記
昭和23年に学制改革が行われた。いわゆる6・3・3制の施行であって、それまで小学校6年、中学校5年であったものが、小学6年・中学3年・高校3年に変わったのだ。私が中学生になったのがその年だった。シンセイという言葉が使われた。たとえば、誰かから「君は何年生?」と訊かれれば「シンセイの1年」と答えた。シンセイとは新制中学の略である。一方、旧制中学は高等学校になった。旧制神戸一中は、神戸高校になった。

中学1年に、民主主義という授業があった。もちろん教科書の表紙には、民主主義と大書してあった。おもしろかったのは、その授業である。教師が馴れていない。普通なら前年通りの授業をすればいいわけだが、そうはいかない。教師自身が学ばねばならぬことになった。だから慎重になる。教科書に書いてあることを、そのまま黒板に書き、それを読み上げる。三権分立とチョークで書き、「いいか、サンケンブンリツ。これが基本だ」といった調子になる。「では、三権とは何か?」、教師は再びチョークを持つ。教科書を確認してから、司法、立法、行政と書く。

以前にも少し書いたが、学校の委員長、副委員長は選挙で決める。1学級は約50人。その中に男女の優等生が1名ずつ配分されていて、男子が委員長、女子が副委員長と、いわば、暗黙の了解のようなものがあって、選挙は形式的なものだった。開票結果は投票用紙1枚ずつの読み上げによって行われる。まず、委員長、太平洋吉君。次も、次も太平洋吉君だが、1票だけ大西洋子君と出る。副委員長の方はその反対になる。そのたびに、全員が私の方を見る。笑い声があがる。私が男女同権と答え、また笑いが起きる。男女同権という言葉も、民主主義の教科書の何ページ目かにあった。

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