Takepuのブログ

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江沢民死去報道

2011-07-07 10:54:11 | 時事
7月1日の中国共産党創立90周年記念式典の場に一人、姿を現さなかったことから健康状態が取りざたされていた江沢民・前総書記兼国家主席について、6日の香港亜洲テレビ(ATV)が午後6時(日本時間同7時)のニュースで「死亡した」と報じたという。

中国や台湾、香港の情報を調べていくと、出所はどうやら米国を拠点にする中国反体制系のニュースサイト「博訊新聞網」で、日本時間の早朝、「江沢民死亡」と短く速報したらしい。

博訊網によると、「昼ごろ北京のある有名人から電話があり、江沢民の身体状態はよいと保証する、と自ら語った」という。この北京の有名人は昨年6月に江沢民の重病説が出回ったときにも電話をしてきて、博訊網も「現在のところ最も信頼できる最も直接的な情報だ」とした。
また、午後6時過ぎにATVが「江沢民死亡。84歳。ただ中国の公式報道はない。午後9時半から特別報道番組を予定している」と報じたという。ただ、この時間に江沢民の特別番組は放送されず、韓国ドラマに替わっていたという。
博訊網には午後9時45分にも、北京の情報筋から電話があり、「ATVの報道は絶対に間違いだ。江沢民は確かに以前風邪を引いたが、現在は回復している」と話したと伝え、事実上、死亡説を撤回した。

確かに江沢民が入院したと伝えられる北京の長安街にある解放軍301総合病院は厳戒態勢が高まっているという。台湾の「中国時報」によると、3日午後5時、301病院は突然戒厳状態になり、20両の軍ナンバーの車両が病院に入っていったという。4日になると、江沢民が肝臓がんや肺腺がんで死亡した、との情報がネット上などに流れ始めたという。

ただ、新華社や人民日報、外交部のネットの中共最高指導者の動静を調べてみると、習近平国家副主席は欧州の来賓と人民大会堂で会見している。周永康・中央政法委員会書記は上海に出張中。江沢民派で中国の高速鉄道担当の張徳江副首相は10日から13日まで北朝鮮を訪問すると正式発表された。
かつて?搶ャ平(トウ小平)が死去したとき(1997年2月19日午後9時8分)は、当日夜になって銭其シン・外交部長(外相)の外遊が急遽取りやめられた、と発表されるなど、中央指導者の動静に具体的な変化が見られたが、今回はそれがないということから、確かに、江沢民死亡は事実ではない、と考えるべきだろう。

?搶ャ平の場合でも、死亡から発表まで5時間程度だった。現段階でそれより長いうえ、?搶ャ平と江沢民の重さを考えても、まだ死亡を発表していないのなら、それはまだ死んでいない、と考えるのがいいだろう。ただ、もちろん病状は芳しくなく、いつ死んでもおかしくない状況であることは確かだ。人工呼吸器をつけているとの情報もあるという。

中国当局も敏感に反応しており、香港紙「明報」によると、中国国内のツイッターやネットなどでは「江沢民」「301医院」「亜視」などの字句が検索できないようになっているという。これらを検索すると「関係法規や政策に基づき、検索結果は表示されません」と出るという。
「ネットの自由をないがしろにして」との意見もあるだろうが、中国当局としてはガセネタが蔓延して人心が混乱するぐらいなら、とめるほうがいいというのが正直な発想なのだろう。理解できなくもない。

ただ、米国の反体制ニュースサイトが報じたからといって、本国の前の最高指導者の「死亡」のニュースをたいした確認もせずに報じるとは、玉石混交、トバシの香港情報といえども何か理由があるのだろうな。


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