森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

グラン・トリノ

2009-10-12 | 映画ドラマ
気分が沈み、なかなか浮上できない夜は、映画を観るのが
最も手近な手段だったのに、あの日(日本時間6月26日)
以来、昔から好きだったことや物たちに気が向かなかった。

あれから、DVDを借りても心が動くことがなかったり、
或いは逆に、感情が度を越えて嗚咽にまで至ってしまうので、
映画のチョイスも難しく、最近は迷うくらいなら借りないと
いう選択をしていた。

この、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」を観るのも
そういう理由でちょっと躊躇ったが、やはり借りて良かった。
でも、ネタバレせずにその理由を話すのは難しいな・・。
いつものようにちょっとだけ(笑)



偏屈で差別用語を連発する老人のはずだった主人公が・・。
ラストはやはりイーストウッド、カッコ良すぎの感は否めない
けど、解る。解るよ・・って泣ける。
理髪店主とのやりとりも、クスリと笑えていい。

「硫黄島からの手紙」を途中放棄した私が偉そうなことを
言えないが、このラストで少年がグラントリノを走らせる
シーンは、その結末が悲しみを植えつけるだけで終わらせず
「希望」のようなものを残してくれ、救われる。

同時に「長いわりに伝えたいものが解らない」という評価が
多くて、未だ観ていなかったブラピの「ベンジャミン・バトン」
も借りてみた。

劇場にわざわざ足を運んだ人には不満だったかもしれないけど、
「物語」としてもビジュアル的にも楽しめる映画は、今の私に
丁度いい気がする。

何も難しいことを期待せずに見るというのも、純粋に楽しむと
という意味では映画の原点のような気がして、いい。

そういえば、チェンジリングを観た時、ロス警察が主人公に
強引に認めさせようとするやり取りの中で、マイケルにも過去に
捜査上の汚点や不正を覆い隠すためにやったのではないかと思わ
せるシーンがあり、ファンの友人にも観てもらったことがある。

この映画が事実に基づくものであるからこそ、怒りを覚えずには
いられなかった。その後、たまたまある組織のことについて調べる
うちに、マイケルは私たちが想像していた以上の大きな勢力と戦って
いたのでは?という疑問にも突き当たった。

友人が、マイケルとは関係ないあるブログで、それに近いことを
調べ続けていた人がチェンジリングの主人公と同様に「精神病院」
に入れられたことを読んだらしく、私にももうこれ以上調べたり
ブログに書いたりしない方がいいと、忠告してくれた。

たかがこんな小さいブログに誰が?と、私は笑って聞き流したが、
アメリカのこの手の映画をよく観ている私たちには、一般市民が
巻き込まれることが皆無だなどと脳天気なことは、もちろん言え
ない。

でも、悲しいかな私はそこまで調べる力量も根性もないから大丈夫
なんだけど(笑)
それに、もはやマイケルは誰かに利用されることも圧力をかけられ
るような危険も無い所にいる。ならばもう、世界を誰が牛耳ってい
ようがどうでもいいとさえ思ってしまう。

・・・駄目だ。子供たちはどうなる?と誰かの声がする。
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シッポのその後

2009-10-08 | 動物
今はもう居ないシッポちゃんの両親は、公園猫だった。
でも、シッポは殆ど公園には近づかない。
その代わり、母猫がテリトリーにしていた辺りで、ずっと
暮らしている。今でも母猫が帰ってくるのを待っているみたいに。

←両親のクロといっちゃん

シッポの生後4ヶ月頃には、母猫の次の妊娠も心配だったし、
野良の親猫は子離れが早いことも知ってはいたから、母猫が猫好き
さんに貰われることになったこと自体は、喜んで受け入れた。
でも、それを母猫が望んでいたわけではない。

一人ぼっちになったシッポに対して、母を奪った罪悪感が少なからず
あるから、私は面倒を見ているのだと、そう思っていた。

でも違う。
今ではシッポが来ない日には、事故にでも遭ったのでは?と、何度も
外に出て探し回る。もちろんまだ触れさせてもくれないし、少しでも
大きな音を立てると何処かに消えてしまったりするけど、確実に私を
無害な人だと認識してくれているシッポに、愛着を覚えずにはいられ
ないのだ。


古い画像だけれど、相変わらずサイズは小さい

ご飯が終わると、以前は逃げるように何処かに帰っていったのに、
今では私が餌場でご飯の後片付けをしている傍で、食後もじっと
待っている。立ち上がると「終わった?」と問うように、「にゃあ!」
と一声。 ギズモそっくりの超可愛い声で促すのだ。

シッポがこの頃始めた遊びは、私が草むらを探しているときや、
後ろを向いている時に、背後から爪のない肉球で私の足にタッチする悪戯。
隠れているのがバレバレなのに、何度も何度も繰り返す姿が可愛くて
わざと探してるふりをしてみたり(笑)

飽きたら近くの広場でゴロンゴロンと砂の上を転がってお腹を
見せる。手術痕もフサフサの毛で覆われ、もう全くわからなくなった。
猫じゃらしを手折り、お腹の上で揺らすと両手でパシッと掴み
しばらくじゃれている。

この子が事故に遭いませんように。
悪戯などされませんように。
毎日祈るような気持ちで別れ、帰ってくる。

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