「富岡市立吉田小学校」で学校キャラバン(11/11)
令和3年11月11日(木)、富岡市立吉田小学校で3年生12名を対象に学校キャラバンを行いました。打ち合わせ時、「今年の児童はカイコを育てていないんですが、楽しみにしているんですよ。」と、担任から期待の声が届いていました。
本校は富岡市の西方、鏑川北岸の河岸段丘上に位置し、南に国道254号線が校舎北側を上信電鉄線が走っています。明治17年操業の組合製糸甘楽社南蛇井組が操業していた地域であり養蚕が盛んな地域のひとつでした。その証として座繰り機や揚げ返し機が郷土資料室に展示してありました。
学校入口には教頭先生が立ち、案内役をしてくれていました。初めて訪問する場合は、学校の位置は分かっても駐車場入口に迷うことがあるので大助かりです。図工室に機材を搬入しやすいよう一番近い入口に案内していただいたのもありがたかったです。
12:05、出迎えていただいた校長先生に廊下で挨拶し、伝道師全員で準備に取りかかりました。Y澤伝道師は講話用に学校が用意してくれたパソコンにパワーポイントをセットし板書も仕上げ、座繰り機は全員でセットを完了しました。
キャラバン開始の13:05には3年生と職場体験学習に来ていた富岡高校の生徒3人がそろいました。挨拶をして伝道師の自己紹介、そして、本日の学習内容と注意を伝えて講話がスタートします。
児童の手元には事前に配布された『富岡製糸場と絹産業遺産群』のリーフレットがありましたが、皆、Y澤伝道師の話とスクリーン、黒板を注視しています。「上毛カルタの『ま』は?」と、急な問いかけにも「まゆと生糸は日本一」と、しっかり答える児童。講話はますます快調に進んでいきます。富岡製糸場と絹産業遺産群は日本の宝であるし世界の宝ですとまとめ、講話は終了しました。
後半はJ保(明)、Y村両伝道師が担当する座繰り体験です。座繰りの解説と作業の手順や注意を伝え、2人一組で体験開始です。初めこそ伝道師が手を添えますが、すぐに要領を覚え上手く糸車を回し、箕箒を動かします。そのたびに「2人に拍手!」と伝道師の声が掛かります。皆で拍手をすると一体感が高まっていきます。「生糸が絹糸になってドレスになっていくんだね。」など、製品としてのイメージも大切にしながら体験は進みます。巻き取られていく生糸を見ている児童から触りたいという声が多く上がったのは本校児童の特徴でした。「巻き取った生糸は、後でクラスにプレゼントするよ。」と伝えると、ワァーという声が一斉に挙がりました。時間に余裕ができたので、繭糸を持たせて巻き取らせる体験も。ポン、ピッというタイミングで鍋に繭を落とすと繭糸が巻き取られて行きます。目に見えない不思議さに、「やりたい。」の声が多数。
最後は担任が巻き上がった生糸をハサミでカットします。声を潜めて音を皆で聞きます。「あ~あっ。」、「きれい。」の声が漏れました。児童の一人が「馬のしっぽの毛みたい。」と。味わいのある一言が聞こえました。
元の位置に戻って整列した児童からお礼のあいさつを受け、14:35終了となりました。伝道師全員でさっと後片づけを終え、会議のため挨拶できない校長先生に代わり教頭先生に挨拶をし、静かな秋の日の中を帰路につきました。
本日参加の伝道師はY澤朗夫、J保明子、Y村和子、O形の4名でした。
(O形 榮一 記)