富岡市立西小学校で学校キャラバン実施
去る11月5日(火)富岡市立西小学校でY村和子、T越朗、M寺清江、S藤和男、宮下禮子、I井規雄の計6名の伝道師が参加して学校キャラバンを実施しました。
本校は明治6年8月2日に旧前田藩の御殿(現 群馬県立富岡高等学校)を校舎として借用し七日市小学校として開校しました。この御殿は明治6年6月19日に昭憲皇后、英照皇太后が皇居を出発し開業間もない官営富岡製糸場を行啓された折に宿泊されたところです。
本校はその後富岡小学校に合併し、昭和32年に富岡市立西小学校として新たに開校し現在に至っています。校区は富岡市のほぼ中央に位置し、本校から直線で約300mのところに世界遺産「富岡製糸場」があります。
さて、本校キャラバン実施に当たっては「児童が新しい発見をし、楽しく聴いたり、体験したりする時間にしたい」とキャラバン方針を立て、講話はT越伝道師、1年生の座繰り体験指導はY村伝道師、S藤和男伝道師、3年生の座繰り体験指導は、M寺伝道師、M下伝道師が担当し、II井伝道師は全体の立場から伝道に当たりました。
当日は午後1時50分より午後3時15分まで2コマを取り1年生35名(生活科室)、3年生45名(視聴覚室)を対象に実施しました。1年生は1コマ目の座繰り体験のみ、3年生は2クラスを講話と座繰り体験を、ローテーションを組んで行いました。従って座繰り体験は1年生と3年生は同時進行で座繰り器が2台必要となり、県世界遺産課と富岡行政県税事務所に保管されている座繰り器を使用しました。
開始1時間前の12時45分に集合し、簡単な打ち合わせをして早速1年生組と3年生組に分かれて準備に取り掛かりました。特に支障もなく座繰り器、講話のパワーポイントの設営を済ませ、児童とあいさつを交わし予定通り学校キャラバンに入りました。
講話では塚越伝道師が「富岡製糸場と絹産業遺産群について知っている?」と題して自作のパワーポイントを使い、併せて収集した「蚕種紙」や「絹織物」等の実物を提示しながら蚕の生態から個々の4資産まで詳しい解説をしてくれました。そしてパワーポイントでは現在稼働している自動繰糸機の動画を取り入れ、子どもたちは最新の繰糸の姿に驚いたように見つめていました。最後は「みんなで世界の宝物を大切に守っていこう」と子どもたちに投げかけ、子どもたちの心に響く講話をしてくれました。
座繰り体験では、担任の先生の話によると「子どもたちは今日の日を楽しみに待っていた」とのことでした。
1年生3年生とも2人の伝道師が協力し合い、ぴったりの呼吸で、子どもたち一人一人に優しく、ときには手を携えてやり、右手、左手の動きを励ましの声をかけながら指導をしてくれました。子どもたちの目は終始座繰り器に集中し、よそ見や無駄話をするような子は一人もいないといった状況でした。特に1年生は興味津々で自分の順番が来るのが待ち遠しそうで、中には座繰り器の構造に関心を持つ男の子もいました。担任の先生方も笑顔を浮かべながら優しく見守ってくれました。
また途中で学年に応じて、繭や蛹のこと、蚕の一生・数え方等わかりやすく解説を加えました。3年生には、「こうして仲間にいれてください」と接緒の体験をしてもらい、子どもたちは数本の繭糸が1本になることを不思議そうに見つめていました。また、ミゴボウキを使って繭から糸を引くことも体験してもらいました。
本日の講話や座繰り体験を終了し、整列して教室に帰る子どもたちの後ろ姿は「よい体験をした」と満足そうにも思われました。本日の講話や座繰り体験が少しでも将来に役立ってくれればという思いです。
末筆になりましたが、校長先生、教頭先生、担任の先生には終始お世話になり、ありがとうございました。
また本日参加された伝道師の皆様には、熱心に全力で伝道に当たってくれたこと感謝申し上げます。
(I井 規雄 記)