富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

「富岡市立妙義小学校」で学校キャラバン

2024年10月10日 10時54分45秒 | 世界遺産伝道師協会

「富岡市立妙義小学校」で学校キャラバン

 令和6年10月2日(水)晴れ、富岡市立妙義小学校で3年生8名を対象に学校キャラバンを行いました。

 12時25分、妙義山が目の前にそびえ立つ校門前で、校長先生が4名の伝道師を出迎えてくれました。その場であいさつを交わした後、会場の体育館に機材を運び入れて座繰り体験の準備をしました。
担任の先生とは事前に連絡を取り合っていたので、準備がスムーズに進みました。
また、10月とは思えない気温が高かったため、大型扇風機をセットする配慮をいただき大助かりでした。

 準備も整い児童も到着したため、開始予定時刻より少し早目にキャラバン開始。
まず児童とのあいさつ。「よろしくお願いします。」と、8名のそろった声。
続けて伝導師から自己紹介。学習内容と注意点も伝えて、宮下さん大塚さん矢野さんの指導による座繰り体験がスタートしました。

 予定時間は45分。
    座繰り機を囲むように集まった児童に、宮下さんが繭を見せ糸口から取り出した繭糸を指しながら、箕ご箒の使い方やハンドルの回し方を説明します。続いて大塚さん、矢野さんが分担して児童の脇に付き座繰り体験が進行します。8名の児童だけに個別指導は徹底します。児童は緊張感もあり無言で作業を続けます。
その時、担任が持参した懐中電灯の光を鍋の中の繭に当て「見てごらん白く光っているね。」と。鍋の中でゆっくり回る繭は本当に白く光っていました。「これは学校で育てた繭だよ。」と、さらに担任の一言。
児童のモチベーションを高めてくれたのは担任の先生でした。

 交代で座繰り体験が済んだ児童には宮下さんが「糸付け」の指導をします。
「右手を出して。」と、繭と繭糸を握る動作を何回も繰り返しながら、繭を湯の中に落とし糸付けを体験させます。片手での動作に戸惑う児童も、手を添えての指導でスーと繭糸がからめとられていきます。「ほらスーといったろー。」と、褒められると児童も小さなほっくりをしました。
さらに全員が座繰り体験を終了すると、煮繭を渡して「繭糸の出し方」の指導です。
こうして繭から生糸が座繰り機を通して生み出される過程を児童は学習することができました。最後に担任が一人座繰りを体験し、巻き取った生糸をカットして座繰り体験は終了しました。
ハサミが入ったときのジャギジャギという音を、皆がじっと耳をすませ聞き取ったのはもちろんのことです。

 終了後の感想を求めると、3人の児童が手を挙げて発表してくれました。

〇(座繰りは)大変な仕事だということがわかりました。

〇楽しかったです。

〇もっとやりたかったです。

児童の言葉に伝道師は、皆頷いて聞いていました。 

 手早く片付けを終え簡単な反省会をし、就学時健診と重なる忙しい中、丁寧な案内板を用意して頂いた学校へのお礼を胸に、互いの労をねぎらい体育館を後にしました。

 本日参加の伝道師はM下禮子、O塚初子、Y野まゆみ、O形の4名でした。

                    (O形 榮一 記)

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今年も重伝建の赤岩で活動

2024年10月07日 11時15分07秒 | 世界遺産伝道師協会

今年も重伝建の赤岩で活動

 9月14日(土)、私たち富岡製糸場世界遺産伝道師協会は、吾妻郡中之条町六合の赤岩重要伝統的建造物(重伝建)群保存地区におけるふれあい感謝祭に参加して来ました。

今年の感謝祭は、第14回目ということで、主催者による手慣れた準備と進行の下、スムーズに執り行われました。心配された天候でしたが、お陰様で良い天気に恵まれました。

 この日、10時から開会式が行われ、冒頭、主催側を代表した司会者より、赤岩地区重伝建は文化庁の指定を受けてから今年が19年目になったと感慨深く語られました。 来賓の挨拶に立たれた齋藤 吾妻振興局長によると、赤岩地域は、幕末・明治の養蚕農家の一大集合場所として、その面影を残した景観うるわしい貴重な場所であって、「規模において群を抜いている広さからして日本を代表する重伝建である」とされました。また平成8年、県内で重伝建第一号に指定された、「まさに国が認める日本の宝である」と強調されました。その上で、より多くの方々にこの赤岩地区を知って頂きたいとも述べられました。 そして、外丸 中之条町長や安原 中之条町議会議長の挨拶がありました。

好天の中、芝生公園のオープン会場にて、私たちは5人のスタッフは、歴史ある養蚕文化の雰囲気の中、一日、伝道師活動を展開しました。
特にI上雄二理事におかれましては、パンフレットを手渡しながら、世界遺産や当地ならではの日本遺産の説明を丁寧に行いました。

一方、繭クラフトコーナーにおきましては、K嶋静江さん、N木多恵子さん、そしてT丸廣安・とし子夫妻の4人のメンバーで、これまた忙しく、会場全体の片付けが2時過ぎでしたので、時間ギリギリまでクラフトを楽しみたい方々が居ましたので、もう少し続けて上げたいとの心残りもありました。
最初こそ呼び込みをしましたが、次第に子供連れの親子が相次いでやって来るようになり、また大人の方も、次第に、繭クラフトを楽しみたいと加わってきたので、取り急ぎの昼食を交互に取るようにするなど、大忙しの接客となりました。

お客様の中でも、いつも驚かされるのが小学校児童の創作力が豊かなところです。ここ赤岩でも、ユニークな作品を作られる子供さんや大人の方々に多く出合うことが出来ました。

主催者側にも喜ばれたのでしょう、来年も参加を要請されるなど、好感触を得て、私たちはその場を後にしました。

(T丸廣安 記)

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イベント案内 蚕糸技術センター一般公開

2024年09月29日 10時49分46秒 | 世界遺産伝道師協会

イベント案内 蚕糸技術センター一般公開

「群馬県民の日」記念事業として、一般公開のご案内をいただきましたので、チラシを掲載しお知らせします。

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富岡製糸場世界遺産伝道師協会設立20周年 記念事業を開催

2024年09月25日 13時30分06秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡製糸場世界遺産伝道師協会設立20周年記念事業

「記念講演会」並びに「記念祝賀会」を開催

9月8日(日)、「富岡製糸場世界遺産伝道師協会」は、設立20周の「記念講演会」並びに「記念祝賀会」を行いました。

「記念講演会」では、ご来賓の臨席を賜わると共に伝道師と一般の聴講希望者を含め多くの皆様に参加して頂きました。

午後1時30分の定刻に土屋理事の司会で「記念講演会」を開始しました。

 まず始めに「富岡製糸場と絹産業遺産群の世界遺産登録10周年の歩み」を映像で紹介した後、主催者を代表して富岡製糸場世界遺産伝道師協会近藤会長より挨拶を行いました。
 ここで、本日ご多忙の中、出席頂いたご来賓の皆様からのご挨拶は群馬県地域創生部新井薫部長(山本知事代理)に始まり、世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産を有する榎本富岡市長、臂伊勢崎市長、また、上毛新聞社内山取締役会長より温かいお言葉を頂きました。
 時間の関係もあり、多くの他のご来賓の皆様については司会者よりご紹介をさせて頂きました。

ここで「記念講演会」となりますが、その前に報告として笠原副会長より「富岡製糸場世界遺産伝道師協会20年間の軌跡」と題して、スライド映像をもって当協会の活動体系や年度別活動回数の推移、活動状況などが報告の後、
元上毛新聞社論説委員長藤井 浩 氏による
「民と力と世界遺産登録~伝道師協会が動かしたもの~」
と題しての講演をして頂きました。

要旨は次のとおりです。

1.代表的な文化運動(精神運動)としての世界遺産登録運動
  ・民の力が意識を変える
  ・県民の多くが自分の遺産として価値を共有

2. 伝道師協会の苦難の道のり
  ・プロジェクト当初の県民の戸惑い
  ・自主的、手弁当による地道な活動

3.身近な大切なものへの愛着、自信と誇り
  ・忘れ去られようとしていたものに光
  ・絹産業、絹文化への記憶、思いを呼び覚ます

4.心の運動、戦争のない、平和な社会のために
  ・「戦争は人の心のなかで生まれるものであるから、人のこころの中に平和のとりでを築かなければならない」(ユネスコ憲章前文)

以上のような大変貴重なご講演を頂きました。

 ここで「記念講演会」は終了しましたが、最後に参加者全員による記念写真を撮影して滞りなく終えることができました。

 引き続く「記念祝賀会」は、午後4時から会場を「ラシーネ新前橋」に移して行われました。

「記念祝賀会」はご来賓の皆様方及び伝道師を含めて総勢50名余のご参加を得て、土屋理事の再びの司会で始まりました。

 はじめに主催者を代表して富岡製糸場世界遺産伝道師協会近藤会長の挨拶の後、ここもご多忙の中、ご臨席を賜った榎本富岡市長、臂伊勢崎市長や上毛新聞社内山取締役会長から改めて、ご挨拶を頂きました。
そして笠原副会長の乾杯の発声で「記念祝賀会」を開宴しました。
 開宴後、しばらくの歓談の後、宴たけなわの中、司会者の土屋理事より、学識経験者の皆様や関係団体の皆様には指名させて頂くことを提案し、了承していただいた後、「自由な発言」をお願いしたところ、多くの方々から、それぞれの立場から世界遺産の登録に向けた苦労話や文化財の保護等にかかわった体験談を含めた貴重なお話をお聞きすることができ、大変に有意義な時間を過ごすこととなりました。

 楽しい時間は過ぎるのが早いもので閉会の時間となり、伝道師でもある富岡市世界遺産推進部結城部長の発声で全員による万歳三唱を持って〆としました。そして午後6時に富岡製糸場世界遺産伝道師協会設立20周年「記念祝賀会」を閉会しました。(N島 進 記)

※本文は、伝道師通信より一部抜粋しました。

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「富岡市立富岡小学校」で学校キャラバン(9/4)

2024年09月16日 13時21分35秒 | 世界遺産伝道師協会

「富岡市立富岡小学校」で学校キャラバン

 令和6年9月4日(水)晴れ。富岡市立富岡小学校で3年生3クラス77名を対象に学校キャラバンを行いました。

 12時45分、校長室に集合した5名の伝道師は、校長先生にあいさつし3学年担任の黒澤先生と打ち合わせを済ませました。今年度最初の学校キャラバンです。伝道師同士も久しぶりの再会になりました。また、富岡小学校は例年、富岡製糸場見学の折に座繰りを体験していたため、今までは学校キャラバン参加申し込みがありませんでした。そのため、今回が初めての訪問となりました。

 会場に近い校舎前に横付けした車トラから機材を降ろすと、「エレベーターを使って運びましょう。」と、職員の方が声をかけてくれました。お言葉に甘え、私たちは2階に回って多目的室まで機材を運びこみました。打合せ等に時間を使いすぎて準備の時間が足りず、座繰り体験の開始が遅れてしまいました。これが終了まで響くことになったのは反省点です。一方、講話は予定時刻に開始し、Y澤さんが1学級ずつ回って行きます。こちらは予定通りです。

 準備が整うまでO形が世界遺産についての話をし、13時55分から座繰り体験は開始になりました。各学級の児童(25~26名)が2班に分かれ、2セットの座繰り機を囲んで座ります。今回はM下さんが1班を、もう1班をJ保(明)さん、Y野(ま)さんが担当です。児童とのあいさつの後、2人一組で座繰りに取り掛かります。すでに製糸場で座繰り体験をしている児童なので、伝道師の言葉に頷きながら、静かに作業も順調です。それでも「みご箒は習字の筆を持つように持つんだよ。」「繭が鍋の真ん中に寄っているか見ながらハンドルを回して!」などの指導に、少し緊張した様子も見られました。

 巻き取った生糸のカットには全員が耳をすませます。ハサミを入れた時のジョリジョリという音が、児童の心にも響きます。誰からともなく「オー!」の声が出ます。「スベスベだ~。」の声も。

 講話担当のY澤さんは、各教室を順番に回ってパワーポイントを使い・なぜ世界遺産になったのか ・世界遺産の4か所の構成遺産について・絹産業(養蚕、生糸、織物)について ・人物について と、流れるように説明していきます。穏やかな口調と時折質問も飛び出すため、児童はより集中して聞いています。「カイコは本当に大事だったんだね。」に「お子様だ!」と反応する児童もいました。机上のパンフレットをめくりながら講話を聞く姿もありました。

 予定時刻を10分ほど超過し、あいさつとともに3学級の活動がすべて終了しました。

一部に課題が残った活動になりましたが、職員の皆さまの温かな協力をいただき無事終了することができたのは何よりです。機材を積み込むまで、手伝い見送ってくださった先生方にお礼を伝え、まだ照り返しが強い駐車場を後にしました。

 本日参加の伝道師はM下禮子、Y澤朗夫、J保明子、Y野まゆみ、O形の5名でした。 
 追伸 学校キャラバン初参加のY野さんに感想を伺うと「子どもたちが楽しく参加しているのを見て、こんなにもうれしいんだということが分かって良かったです。」と、答えてくれました。積極的な参加に感謝するとともに、今後の活動から得られる矢野さんの成果に期待したいと思います。  (O形 榮一 記)

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