朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

設備投資にまつわるエトセトラ

2011-03-02 08:36:56 | 21世紀
銀行は堅い
2011/02/25
 新しくNC旋盤2台を購入しようと、銀行と話をしました。絶対反対の意見で、相談するのではなかったと反省しました。
 私はこう言いました。「現在フル生産で、土曜日も出勤している。年度末は毎年仕事量は多いが、今年は年度替わりしても忙しそうだ。上場企業は市場最高の利益を計上した決算をしている。自動車部品の製造は、アメリカではGM倒産のあおりを受け部品会社も縮小し、日本に集中しつつある。リーマンショックは終わり経済全体が拡大を始めるだろう。NC旋盤の見積りを取ったところ、納期は3.5カ月と長くなって来た。機械メーカーに引き合いが増えている。景気の良くなる証拠である。当社は新規顧客より部品加工を受注し、4月より加工が始まる。現在の調子ではこの加工に遅れが出て迷惑を掛けそうだ。そのため2台設備投資をしたい」
 銀行次長は言う。「設備投資は反対だ。過剰設備で、毎月赤字で苦労していたではないか。仕事が多くなったのなら、利益の少ない仕事を返上し、現在の設備を一杯に動かすべきだ。仕事量が減ったら資金繰りが又苦しくなる。仕事量が右肩上がりの保証などない。仕事が減少した時、銀行は融資出来ない」
 銀行の人の考えることは、安全第一だなぁ。日本の会社の幹部が現状維持を最高と考えているから日本の成長は鈍化すると実感する話でした。
 馬鹿と言われそうですが、私たちは、理由が付けば設備投資しました。それで今120台の機械で工場が稼働しています。安全第一で10年設備投資しなければ、仕事も増えず、人も増やせず、東京大田区の町工場のようでしょう。

 鶏が先か卵が先か? と訊かれると両方同時と答えなければなりません。
 機械があるから仕事の引き合いがあり、受注出来る。仕事が受注出来るから機械を買う。仕事が忙しいから人を雇用する。技術者を養成するから仕事が受注出来る。
 独特の技術・技能があり、メーカーとしてやれるところはその技術で成長すればいいと思います。しかし技術の優れた「林原生物学研究所」でも倒産します。
 独特の技術・才能の無い私たちは、メーカーの下請けとして作業・生産し利益の上がる時は、投資し工場を成長させます。仕事が減り損失の出る時は、耐えて過去の蓄積を食い、銀行から融資を受けます。
 絶対安全の道だけ選んで進んでおれば、袋小路に迷い込みニッチモサッチも行かない事態になりそうに思えてなりません。