漁業資源を無尽蔵に増やす方法2007/05/31
5月30日、上原春男先生の講義を聴いて嬉しくなりました。未来は明るい。
湧昇(ゆうしょう)という現象があります。海水が深層から表層に湧き上ることです。
普通表層と深層の海水は、温度や塩分濃度などの違いでお互い混ざり合うことはありません。表層と深層にはそれぞれ独立した海流があり、世界中のほんの一部で接続しています。その場所では、深層から表層へ海水が湧き上る流れが発生しています。
この湧昇域では非常に豊かな生態系が形成されます。深海のミネラル(栄養塩)が海洋表面にもたらされることで、植物プランクトンが増殖し、これを切っ掛けに次々に上位の段階にある生物が増えていくからです。
湧昇域は好漁場になるのです。
沿岸湧昇
大陸の西岸で南風が吹くと海水は岸から西すなわち沖に向かって移動する。すると少なくなった海水を補うように、深層から大陸の斜面を伝わって海水が湧昇してくる。これが沿岸湧昇と呼ばれる現象で、カリフォルニヤやペルー沿岸がこのケースです。
大陸東岸では北風が吹いても起こります。
南半球では、大陸の西岸では北風、東岸では南風が吹くことで、湧昇が発生します。
赤道湧昇
赤道付近では貿易風という東向きの風(西風)が吹いています。コリオリの力により北半球では進行方向右側すなわち北に向かう流れが発生し、南半球では南に向かう流れが発生します。すると赤道の表層には海水がなくなるのでそれを補うように深海から海水が上がってくる。これが赤道湧昇です。
海洋島湧昇
海洋には火山が無数にあり、一部は頂上が海面に顔を出すほど高いものもある。
深層海流が火山にぶつかって、湧昇流となり表面にミネラル(栄養塩類)をもたらすため、砂漠のオアシスのように豊かな生態系を作っています。
湧昇域の生態系
水深1000m以深では、主にマリンスノーの形で表層から沈降してきた有機物が、バクテリアその他の働きにより分解され、リンや窒素など栄養塩類が大量に蓄積しています。
一方太陽光の届く水深200m以浅の表層、特に外洋では、栄養塩類は植物プランクトンによりすぐ使い果たされてしまい、常に枯渇状態にあります。
外洋の透き通る美しいコバルトブルーは珪藻などの大型植物プランクトンが少ない証拠です。
一たび、湧昇によって栄養塩豊富な深層水が表層に上がってくると、即座に植物プランクトンの爆発的な増殖が始まります。するとそれを食べる動物プランクトンにとって好適な環境になり、それを食べるアジやイワシなど小魚が現れ最終的には海鳥・イルカ・カツオ・マグロ・サメ・クジラなど高次消費者も集まってきます。
海洋温度差発電による湧昇
海洋温度差発電には大量の低温深層水を汲み上げます。
高温の表層水でアンモニア水を蒸発させタービン発電機を回します。
その際使用済みのアンモニア水を冷却し蒸気を水に戻すのに、低温深層水を利用するのです。
1000mも下から汲み上げるのに、エネルギーが沢山要りそうですが、汲み上げポンプの揚程は1mでいいのです。
大口径のパイプを1000mまで吊り下げて、その内部の水を汲みだせば、気圧に押され1000m下から深層水が上昇してくるのです。
どの程度の量の深層水を表層に散布すれば、どの程度の漁獲が期待できるか計算されています。
1日に100万トンの深層水を表層に撒き続ければ、年間2000トンの養殖が出来ると計算されています。
1日に100万トンの水はすごい量に感じますが、100万トンタンカー1杯分と考えれば大した量ではないとも思えます。
海洋温度差発電の副次効果
① 発電で電気を作ります。
② タービン冷却時の熱利用から淡水を作ります。
③ 発電した電気により水を電気分解して水素を作ります。
④ 漁業資源を増やします。
⑤ 深層水からミネラル豊富な、清涼飲料を造ります。
海洋温度差発電が実用になれば、地球環境の浄化 CO2排出量の減少に効果的です。
脳の働きの喩え
この深層水の湧昇の話を考えていて、脳の働きのようだと思いました。
人間の記憶(メモリー)は深層水であり、これが表層の脳(CPU コンピュータでいえば演算装置)に連結され、深層水と表層水が混合され生物が発生するのが、脳の活性化であり脳の働き・思いつき・ひらめき に喩えられる。
記憶は時系列で貯えられていますが、関係ある事柄を串刺しにする如く関連つけるのが思いつき・ひらめきであると、上原先生はよく言われます。
この串刺し状態が湧昇であり、人間の脳の検索方法だろうと思います。
グーグルの検索はキーワードの言葉つながりで行われますが、脳の検索は意味つながり、ムードつながり、景色つながりなどともっと高次の検索のように感じます。
記憶は、脳の栄養塩類(ミネラル)のようなもので、多いほうが良い。
記憶は行動や感情や痛みなどの五感などが主であり、学校の勉強や考えたことは記憶に残りにくい。
私達の深層海流すなわち記憶は、実体験によるものだから、脳の活性化は若い頃よく行動した人間のほうが程度が高いなどと考えてしまいました。
引きこもりの子供、勉強を強制され反発する子供などが、社会に適応出来ないのも、実経験が少なく脳の湧昇が起こらないからではないか?
テレビやメール・ゲーム・インターネットで育った世代は、脳の深層海流が変な流れ方をして、湧昇の仕方も古い世代と差があるのではないか?
苦労をして育った人は、北朝鮮では成分が良いとされエリートになります。
地主や資本家そして日本で育った帰国者はその反対に成分が悪いとされて、収容所送りだと言われます。
苦労の記憶から起こる湧昇を、北朝鮮は大事なことと思っているように思えます。
日本では、子供に苦労させないのが、いい親であり、いい先生とされているように思います。
これでいいのかなぁ!どこへ行こうとしているのだろう?
5月30日、上原春男先生の講義を聴いて嬉しくなりました。未来は明るい。
湧昇(ゆうしょう)という現象があります。海水が深層から表層に湧き上ることです。
普通表層と深層の海水は、温度や塩分濃度などの違いでお互い混ざり合うことはありません。表層と深層にはそれぞれ独立した海流があり、世界中のほんの一部で接続しています。その場所では、深層から表層へ海水が湧き上る流れが発生しています。
この湧昇域では非常に豊かな生態系が形成されます。深海のミネラル(栄養塩)が海洋表面にもたらされることで、植物プランクトンが増殖し、これを切っ掛けに次々に上位の段階にある生物が増えていくからです。
湧昇域は好漁場になるのです。
沿岸湧昇
大陸の西岸で南風が吹くと海水は岸から西すなわち沖に向かって移動する。すると少なくなった海水を補うように、深層から大陸の斜面を伝わって海水が湧昇してくる。これが沿岸湧昇と呼ばれる現象で、カリフォルニヤやペルー沿岸がこのケースです。
大陸東岸では北風が吹いても起こります。
南半球では、大陸の西岸では北風、東岸では南風が吹くことで、湧昇が発生します。
赤道湧昇
赤道付近では貿易風という東向きの風(西風)が吹いています。コリオリの力により北半球では進行方向右側すなわち北に向かう流れが発生し、南半球では南に向かう流れが発生します。すると赤道の表層には海水がなくなるのでそれを補うように深海から海水が上がってくる。これが赤道湧昇です。
海洋島湧昇
海洋には火山が無数にあり、一部は頂上が海面に顔を出すほど高いものもある。
深層海流が火山にぶつかって、湧昇流となり表面にミネラル(栄養塩類)をもたらすため、砂漠のオアシスのように豊かな生態系を作っています。
湧昇域の生態系
水深1000m以深では、主にマリンスノーの形で表層から沈降してきた有機物が、バクテリアその他の働きにより分解され、リンや窒素など栄養塩類が大量に蓄積しています。
一方太陽光の届く水深200m以浅の表層、特に外洋では、栄養塩類は植物プランクトンによりすぐ使い果たされてしまい、常に枯渇状態にあります。
外洋の透き通る美しいコバルトブルーは珪藻などの大型植物プランクトンが少ない証拠です。
一たび、湧昇によって栄養塩豊富な深層水が表層に上がってくると、即座に植物プランクトンの爆発的な増殖が始まります。するとそれを食べる動物プランクトンにとって好適な環境になり、それを食べるアジやイワシなど小魚が現れ最終的には海鳥・イルカ・カツオ・マグロ・サメ・クジラなど高次消費者も集まってきます。
海洋温度差発電による湧昇
海洋温度差発電には大量の低温深層水を汲み上げます。
高温の表層水でアンモニア水を蒸発させタービン発電機を回します。
その際使用済みのアンモニア水を冷却し蒸気を水に戻すのに、低温深層水を利用するのです。
1000mも下から汲み上げるのに、エネルギーが沢山要りそうですが、汲み上げポンプの揚程は1mでいいのです。
大口径のパイプを1000mまで吊り下げて、その内部の水を汲みだせば、気圧に押され1000m下から深層水が上昇してくるのです。
どの程度の量の深層水を表層に散布すれば、どの程度の漁獲が期待できるか計算されています。
1日に100万トンの深層水を表層に撒き続ければ、年間2000トンの養殖が出来ると計算されています。
1日に100万トンの水はすごい量に感じますが、100万トンタンカー1杯分と考えれば大した量ではないとも思えます。
海洋温度差発電の副次効果
① 発電で電気を作ります。
② タービン冷却時の熱利用から淡水を作ります。
③ 発電した電気により水を電気分解して水素を作ります。
④ 漁業資源を増やします。
⑤ 深層水からミネラル豊富な、清涼飲料を造ります。
海洋温度差発電が実用になれば、地球環境の浄化 CO2排出量の減少に効果的です。
脳の働きの喩え
この深層水の湧昇の話を考えていて、脳の働きのようだと思いました。
人間の記憶(メモリー)は深層水であり、これが表層の脳(CPU コンピュータでいえば演算装置)に連結され、深層水と表層水が混合され生物が発生するのが、脳の活性化であり脳の働き・思いつき・ひらめき に喩えられる。
記憶は時系列で貯えられていますが、関係ある事柄を串刺しにする如く関連つけるのが思いつき・ひらめきであると、上原先生はよく言われます。
この串刺し状態が湧昇であり、人間の脳の検索方法だろうと思います。
グーグルの検索はキーワードの言葉つながりで行われますが、脳の検索は意味つながり、ムードつながり、景色つながりなどともっと高次の検索のように感じます。
記憶は、脳の栄養塩類(ミネラル)のようなもので、多いほうが良い。
記憶は行動や感情や痛みなどの五感などが主であり、学校の勉強や考えたことは記憶に残りにくい。
私達の深層海流すなわち記憶は、実体験によるものだから、脳の活性化は若い頃よく行動した人間のほうが程度が高いなどと考えてしまいました。
引きこもりの子供、勉強を強制され反発する子供などが、社会に適応出来ないのも、実経験が少なく脳の湧昇が起こらないからではないか?
テレビやメール・ゲーム・インターネットで育った世代は、脳の深層海流が変な流れ方をして、湧昇の仕方も古い世代と差があるのではないか?
苦労をして育った人は、北朝鮮では成分が良いとされエリートになります。
地主や資本家そして日本で育った帰国者はその反対に成分が悪いとされて、収容所送りだと言われます。
苦労の記憶から起こる湧昇を、北朝鮮は大事なことと思っているように思えます。
日本では、子供に苦労させないのが、いい親であり、いい先生とされているように思います。
これでいいのかなぁ!どこへ行こうとしているのだろう?