朝礼の話題

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韓国人でなくて良かった

2011-03-17 08:13:51 | 21世紀
完読6サムスン栄えて不幸になる韓国経済
三橋貴明著 青春出版社
2011/03/11
 「韓国に学べ」「サムスンに日本の電機メーカーは負けている」「外国ではサムスンの広告ばかり眼につく」「日本の電機メーカー6社の利益合計よりサムスンの利益の方が多い」「TPPに加入し、関税ゼロにしなければ、日本の輸出企業は全滅する」などとマスコミは言い、テレビキャスターは顔を顰めて日本をおとしめます。
 著者の三橋さんは、「中国が無くても日本経済は全く心配ない」を読んでファンになりました。この本を読むとマスコミの言うことは間違っていると確信します。
 韓国は前の通貨危機に際し、IMFの指導によりアメリカ式資本主義を導入しグローバルスタンダード経済に特化した国なのだそうです。輸出企業として成果を上げられるように財閥間で企業を交換し、優遇し、輸出に特化した企業を作ったのです。株式の50%はアメリカに握られ、高額配当、役員の高額報酬をおこなっています。サムスン等には製造下請は少なく、部品材料は日本から輸入し、自国内での投資も少なく、人件費もコストダウンのため抑えています。アメリカの格差社会そのもので、年功序列の高給者は、リストラされます。
 韓国の輸出依存は日本の4倍でありGDPの82,4%で不安定です。
 日本は輸出するものは、資本財が50%と多く円高の影響も受けにくいのです。
 また、海外投資から生まれる所得収支は2000年以降大きな黒字を計上しています。貿易収支が赤字でも所得収支黒で、トータル経常移転収支は黒字で推移しています。国内のメーカー同士の競争が価値の創造力を高め、付加価値を大きくしています。日本は今の方針で十分です。
 TTPで関税ゼロにし、韓国との競争で対等条件にしようという意見がありますが、自動車関税は2,5%程度の利益しかありません。
 アメリカがTPPで目論んでいるのは、サービス業の自由化であり、弁護士の法律業務、保険、金融、証券投資などを自由化することでアメリカ式訴訟社会・格差社会にすることだそうです。農業は日本では成り立たなくなり、アメリカ・オーストラリアの言うなりになるでしょう。
 韓国は二国間FTA条約で特定の項目だけの関税廃止です。全ての自由化は、日本にとっていいことはありません。アメリカにとって良いことなのです。
 日本の今すべきことは、デフレの克服であり、それがすべての基本になるべきです。デフレが克服されれば、全てうまく行きます。日銀と政府が協力し国債の買い取り額を増やし、政府は大々的に財政出動し減税をすることです。