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西部戦線異状なし

2017-06-17 00:25:54 | 21世紀
西部戦線異状なし
2017/06/17

 著作権のなくなった古い映画のDVDが安く売られています。日本語吹き替え版として、1作品150円という安さです。
 全集として、西部劇やアカデミー賞作品などが発行され、楽しいことです。
 昔、興奮して観た西部劇も、単純な筋立てで、拍子抜けすることもあり、時代の差を感じます。
 「西部戦線異状なし」は題は知っていましたが、見たことはありませんでした。
 反戦映画として良く出来ていて、今でもよく理解出来ます。
 学校で、国の為に尽くすことは尊い事だと煽られ、志願して兵隊になった学生たちが、大した訓練もされず、戦場に送られ、砲弾の炸裂する中、命令により塹壕から一斉攻撃に出されます。負傷するものも戦死するものも沢山でます。塹壕にかえっても食糧なく、空腹に耐えるだけです。先輩伍長たちが食糧調達に出かけ、敵民家から略奪するものを金出して買うのが食事です。
 負傷した者は病院に送られますが、生存の可能性の少ないものは、死体置き場の近くに置かれ、帰って来ません。空いたベッドには軽症の兵士に供されます。
 主人公ポールは、軽症で治癒し、休暇を与えられ、親元に帰省しますが、戦場を知らぬ父親や教師の英雄扱いに、嫌気がさし、休暇を残し原隊に復帰します。同じように悲惨な戦場では、後輩の子供のような兵隊ばかりです。
 兵隊たちは、雨水の溜まった塹壕の水をくみ出す作業に精出しています。
 ポールは、先輩として休憩していますが、塹壕のそばに咲いた花に目が止まりてを伸ばします。そこを敵兵に狙われ射殺され、映画は終わります。
 日本映画だと、理屈や反戦思想をしゃべることが多いでしょうが、この映画では、淡々と兵士生活をうつします。上官の威圧的言動もありません。それなのに、戦争の意味なさを分からせ、末端兵士の無駄死にのもったいなさを実感させます。
 映画では、何も言いませんが、塹壕内のトイレなどもなく、不潔さは、他の本で読んだこともあります。
 シリアやイラクのゲリラ的戦場でない、連隊や師団単位の塹壕戦の悲惨さを実感します。若い人も是非見て戦争の雰囲気を知って欲しいものです。
 現代のミサイルや原爆・サリンの戦争では、戦場に行かなくても即死でしょうが、それの方がいいのかな?


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