生物は金属イオンを何のために取り込むのか?
2006/09/28
生命元素事典 (桜井弘 編 オーム社 発行)
Na、K,Mg,Ca,のような金属イオンは、生体内に多量に存在し、膜電位の保持、浸透圧調節、細胞内情報伝達などの生理機能の制御に必須である。
また、微量ではあるが、遷移金属イオンをその活性中心に含む金属タンパク質があり、加水分解酵素、酸化還元酵素、脱水素酵素のような生体触媒機能や、
光合成、呼吸、電子伝達、シグナル伝達などの生理機能の発現に関与している。
これらの機能はタンパク質に結合した1個あるいは数個の金属イオンによって制御されている。
このような金属イオンは欠乏すると生体の発育や機能に異常を引き起こし、場合によっては死に至ることもある。
また、過剰に摂取すると、細胞を殺す毒として作用する。
このように種々の金属はバランス良く生体内で維持され、細胞の内側と外側の金属イオンの濃度が極めて厳密に生理的に適したレベルに能動的に調節・維持されており、これをホメオスタシス(恒常性)という。
これらの金属イオンの中で、アルカリ金属やアルカリ土類金属は生体中の配位子(リガンド)との相互作用が弱いので、体液中を自由に移動出来るが、遷移金属イオンは生体内の配位子と相互作用したり、不溶性の塩として沈殿するため、特殊な担体タンパク質や配位子を必要とする。
このような金属イオンを適度な濃度に保つために、生物は特異な機能によって輸送・濃縮・貯蔵している。
******************以上 テキスト 抜書き******************
金属イオン即ちミネラルが身体の中でどう扱われているかを説明している節の前書き文章です。
金属イオン(ミネラル)は身体の中を移動するのに、専用の乗り物(担体)があるのです。
フリーのイオンあるいは原子はO2と反応しフリーラジカル(活性酸素)を発生させたりします。それを防ぐためタンパク質に包んで運びます。
セルロプラスミンというタンパク質は1分子中に8個のCuイオンと結合し細胞まで送り届けます。
貯蔵するのも同様でフェリシチンという貯蔵タンパク質は4500個のFeイオンを蓄積しています。
体内に取込まれるミネラルは、ですから1分子だけの小さなものでなければ、用をなさないのです。
子供の頃、鉄さび のような鉄の粉を親(お医者さんでした)から、毎日、耳かき1杯飲まされていた友達がいました。
貧血防止・体力増強になると言っていましたが、眼に見える大きさがあるということは、大きすぎて吸収されないものだったのだなぁと思います。
子供用の三輪車に象を連れてきて乗せようとするようなものです。
また例えていうならば、大きなビルを補修・改造しているとします。
外壁のコンクリートを毀して、鉄筋を組み立てる工程になりました。
材料の鉄筋がないので「鉄筋を呉れ」と叫びますと、適当な鉄筋がないからこれを使えと、戦車のスクラップを1台そのまま持ってきたようなものです。
戦車を切って鉄筋代わりに使う能力は人間にはありません。
ですから半分毀してまだ補修が出来ていない不具合が、病気の症状である場合も多いと思います。
鉄筋の大きさになった鉄、それが私たちの身体で言えば、コロイダル・プラント・ミネラルであると 私は思います。
「大は小を兼ねる」と言いますが、ミネラルに於いては小ささが命なのです。
2006/09/28
生命元素事典 (桜井弘 編 オーム社 発行)
Na、K,Mg,Ca,のような金属イオンは、生体内に多量に存在し、膜電位の保持、浸透圧調節、細胞内情報伝達などの生理機能の制御に必須である。
また、微量ではあるが、遷移金属イオンをその活性中心に含む金属タンパク質があり、加水分解酵素、酸化還元酵素、脱水素酵素のような生体触媒機能や、
光合成、呼吸、電子伝達、シグナル伝達などの生理機能の発現に関与している。
これらの機能はタンパク質に結合した1個あるいは数個の金属イオンによって制御されている。
このような金属イオンは欠乏すると生体の発育や機能に異常を引き起こし、場合によっては死に至ることもある。
また、過剰に摂取すると、細胞を殺す毒として作用する。
このように種々の金属はバランス良く生体内で維持され、細胞の内側と外側の金属イオンの濃度が極めて厳密に生理的に適したレベルに能動的に調節・維持されており、これをホメオスタシス(恒常性)という。
これらの金属イオンの中で、アルカリ金属やアルカリ土類金属は生体中の配位子(リガンド)との相互作用が弱いので、体液中を自由に移動出来るが、遷移金属イオンは生体内の配位子と相互作用したり、不溶性の塩として沈殿するため、特殊な担体タンパク質や配位子を必要とする。
このような金属イオンを適度な濃度に保つために、生物は特異な機能によって輸送・濃縮・貯蔵している。
******************以上 テキスト 抜書き******************
金属イオン即ちミネラルが身体の中でどう扱われているかを説明している節の前書き文章です。
金属イオン(ミネラル)は身体の中を移動するのに、専用の乗り物(担体)があるのです。
フリーのイオンあるいは原子はO2と反応しフリーラジカル(活性酸素)を発生させたりします。それを防ぐためタンパク質に包んで運びます。
セルロプラスミンというタンパク質は1分子中に8個のCuイオンと結合し細胞まで送り届けます。
貯蔵するのも同様でフェリシチンという貯蔵タンパク質は4500個のFeイオンを蓄積しています。
体内に取込まれるミネラルは、ですから1分子だけの小さなものでなければ、用をなさないのです。
子供の頃、鉄さび のような鉄の粉を親(お医者さんでした)から、毎日、耳かき1杯飲まされていた友達がいました。
貧血防止・体力増強になると言っていましたが、眼に見える大きさがあるということは、大きすぎて吸収されないものだったのだなぁと思います。
子供用の三輪車に象を連れてきて乗せようとするようなものです。
また例えていうならば、大きなビルを補修・改造しているとします。
外壁のコンクリートを毀して、鉄筋を組み立てる工程になりました。
材料の鉄筋がないので「鉄筋を呉れ」と叫びますと、適当な鉄筋がないからこれを使えと、戦車のスクラップを1台そのまま持ってきたようなものです。
戦車を切って鉄筋代わりに使う能力は人間にはありません。
ですから半分毀してまだ補修が出来ていない不具合が、病気の症状である場合も多いと思います。
鉄筋の大きさになった鉄、それが私たちの身体で言えば、コロイダル・プラント・ミネラルであると 私は思います。
「大は小を兼ねる」と言いますが、ミネラルに於いては小ささが命なのです。