一本刀土俵入り

2024-05-26 18:24:44 | 懐かしのメロディー
三橋美智也


  

角力(すもう)名乗りをやくざに代えて
  今じゃ抱寝(だきね)の一本刀
  利根の川風まともに吹けば
  人の情けを
  人の情けを思い出す

 忘れられよか 十年前を
  胸にきざんだあのあねさんを
  惚れたはれたと言うてはすまぬ
  義理が負目(おいめ)の
  義理が負目の旅合羽(たびがっぱ)

 見せてあげたい男の夢も
  いつか崩れた一本刀
  悪い奴なら抑えて投げて
  行くがおいらの
   行くがおいらの土俵入り





長谷川伸の同名の戯曲に基づいた歌で、昭和32年(1957)のヒット曲。

この戯曲は、歌舞伎や新派、新国劇として幾度となく上演され、さらに何度も映画化されていて、粗筋は次のとおり。

相撲取りの駒形茂兵衛は、才能がないと親方から見放されて帰郷する途中、水戸街道取手(とりで)の宿にやってきます。
 
一文無しで、飢えて途方に暮れている茂兵衛を、宿屋の2階で見ていた酌婦お蔦は、事情を聞いて、櫛(くし)、簪(かんざし)、巾着(きんちゃく)を与え、

もう一度江戸に戻って修業するよう励まします。

10年後、望みを果たせず、やくざになっていた茂兵衛は、取手に戻り、お蔦を探しますが、なかなか見つかりません。

お蔦は、船印彫(だしぼり)師・辰三郎と夫婦になり、娘お君をもうけていました。辰三郎は、土地のやくざ・波一里儀十(なみいちりぎじゅう)一家と悶着を

起こしていました。

偶然のことからお蔦に出会った茂兵衛は、襲ってきた儀十一家のやくざたちを叩きのめし、3人を逃がします。その際、茂兵衛が言った名文句が、次の言葉です。

「お行きなさんせ。仲よく丈夫でおくらしなさんせ。ああ、お蔦さん、棒ッ切れを振り廻してする茂兵衛の、これが、10年前に櫛、簪、巾着ぐるみ、意見を

もらった姐さんに、せめて見てもらう駒形の、しがねえ姿の土俵入りでござんす」


「我が土俵人生に一片の悔いなし」」

“孤高の正々堂々”を貫いた横綱・稀勢の里が、土俵人生に幕を下ろしたのは2019年1月16日(1月場所4日目)でした。

19年ぶりに誕生した日本人横綱も約2年でまた不在、寂しく感じる相撲ファンは少なくなかったと思います。

若貴ブームに沸いた1990年代は、年間200人を超えた新人力士も近年は半分以下とか。

衰退一途だった相撲界に灯りを灯したのが今場所優勝した大の里。

是非、来場所も頑張って連続優勝して欲しい。




























































































































































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東京でだめなら

2024-05-26 02:47:10 | 懐かしのメロディー
渥美清


京でだめなら名古屋があるさ
名古屋がだめなら大阪があるさ
すてちゃいないぜ 男の夢は
肌身はなさず だいている





渥美 清さん(1928年〈昭和3年〉3月10日 - 1996年〈平成8年〉8月4日)と言えば、日本のコメディアン、俳優、歌手ですよね。

代表作は「男はつらいよシリーズ」。

柴又育ちのテキ屋で風来坊の主人公「車 寅次郎」を演じ、「寅さん」として広く国民的人気を博した昭和の名優です。























































































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山河 

2024-05-26 00:49:12 | フォーク&ニュー・ミュージック
小椋佳





人は皆 山河に生まれ 抱かれ 挑み
人は皆 山河を信じ 和み 愛す

そこに 生命(いのち)をつなぎ 生命を刻む
そして 終(つ)いには 山河に還る

顧みて 恥じることない 足跡を山に 残したろうか
永遠の水面(みなも)の光 増す夢を 河に浮かべたろうか

愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は 美しいかと
美しいかと

歳月は 心に積まれ 山と映り
歳月は 心に流れ 河を描く

そこに 積まれる時と 流れる時と
人は誰もが 山河を宿す

ふと想う 悔いひとつなく悦びの山を 築けたろうか
くしゃくしゃに嬉し泣きする かげりない河を抱けたろうか

愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は美しいかと

顧みて 恥じることない 足跡を山に 残したろうか
永遠の水面の光 増す夢を 河に浮かべたろうか

愛する人の瞳に 愛する人の瞳に
俺の山河は 美しいかと
 美しいかと






山河と言えば、「国破れて山河在り」という漢詩を思い浮かべます。

ところで、この、国破れて山河在りの意味ですが、まず「国破れて」とはかつての中国の都であった長安が破壊されてしまったことを表しています。

つまり、都が戦乱によって滅ぼされてしまったが、山や川などの自然は変わらない姿でそこに存在しているということです。

そこから、世の流れの目まぐるしい転変と、ありのまま存在し続ける自然とを対比して、感慨深く言う言葉として用いられているのでしょうね。

また、国破れて山河在りは、中国唐代の詩人である杜甫(とほ)によって読まれた漢詩「春望」の冒頭部の一節です。

原文では「国破山河在」と表記します。

「春望」は「国破山河在」の後には「城春草木深」(城春にして草木深し)と続き、全部で四十字で構成された漢詩になっています。

国破山河在

城春草木深

感時花濺涙

恨別鳥驚心

烽火連三月

家書抵万金

白頭掻短

 渾欲不勝簪


現代誤訳すると

我が朝廷は国家が破壊されてしまったというのに山河は今もここにある。

長安の町は春を迎えたけれど草木だけが勢いよく生い茂っている。

世の移り変わりに心痛み、花を見ても涙が流れる。

家族との別れを思って鳥のさえずりにもびくびくしてしまう。

いくさの烽火のろしは三か月続き

家からの手紙は万金に値する

白くなった頭を掻けばいっそう短くなり

かぶり物の簪かんざしをさすこともできない。


この曲「山河」(さんが)は、2000年4月26日に発売された五木ひろしのシングルとして作られました。

しかし、五木ひろしさんの曲としてより、やっぱり堀内孝雄さんの曲としての印象が強いですよね。

作曲したのが堀内さんで、小椋さんとの間柄のせいかもですが。



 






































































































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