ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

吉川宏志『西行の肺』

2016-11-20 23:04:13 | 日記

 23日に行われる塔事務所フェスタのため、歌集を読みなおしています。

 

 きょうは吉川宏志さんの『西行の肺』を読みました。 歌集のなかにでてくる子供たちも小さくて。 

 

 ・何を言っても無駄と気づきたり夜の椿のように黙しぬ

 ・冬死にし人には冬がいつまでもつづくのだろう藪椿咲く

 ・このなかに入りなさいとゆうぞらの広がりゆけば橋に来ている

 ・逆らえばいいのに 逆らう気力すら奪われながら人は辞めゆく

 ・この世から抜かれゆくのは夕暮れにしてほしい 松黒くなりつつ

 ・子とともに見上げていたり膚朱き阿修羅の胸のかすかなる罅(ひび)

 ・蝶はいつも風の先端にいるんだよ雨滴の光る朝(あした)の畑

 

 職場や日常に起こる出来事との葛藤があらわれているような歌に今回は付箋を貼りました。 この歌集を初めて読んだのはノートによれば2009年の9月です。そのときノートに書き写した歌は

 

 ・灯の下に狐の影をつくりたる一分ほどの指やわらかし

 ・影屋さんに行けばラクダの影なども売っているなり影を吊るして

 ・手袋のごとくにイカを裏返し墨のかたまり子に見せる人

 ・わが歩むかたわらに陽をたっぷりと浴びているなり妻という麦

 

 など、やさしい歌や家族の歌が多いです。

 

 いまいちばんいいと思ったのは上の蝶の歌ですが、前に読んだときは写してもいません。 (写したうえによかったのには☆、さらによかったのには☆に〇のマークが入っています)

 

 7年経ったら好きな歌も変わるものだなぁとちょっとびっくりしました。 またこれから7年経って読んだら、まったく別の歌が好きになるのかもしれません。

 

 

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ハグしてお別れ

2016-11-19 17:36:59 | 日記

 きのうのお昼休み、私が「きょうはなに食べようかな」とつぶやくと、隣の席のYさんが「平野屋さん、きょうが最後じゃない?」

 

 私「明日までですけど、あしたは会社ないからきょうが最後のチャンスですね。でもきっと人が多いんじゃないかなぁ」

 Yさん「だからこそ、いくんじゃないですか。木の葉丼の大盛り食べてこなくちゃですよ」

 

 そっか。こういうとき、決断力のあるYさんの助言は的確でしみとおります。

 

 それで、平野屋さんへ行って、いつもの「木の葉丼」を注文しました。 結構お店は混んでいて、なかなかこなかったのですが、運ばれてきたときふわっといつものいい匂いがしたら、待ったことなんて飛んでいきました。

 

 私「木の葉丼、大好きだったんですよ。いつもおいしいの作ってくださってありがとうございました」 というと、

 お店の女性「ありがとうございます。 最後までお待たせしてすみませんでした」 

 

 そしてしみじみ味わう。 木の葉丼というのは、全国どこにでもあると思っていたのだけど、そうでもないらしい。 平野屋さんの木の葉丼は、かまぼこ、葱、しいたけ、卵、海苔が載っています。

 

 お金を払う時に、いつも運んでくれるおばさんに挨拶したいなぁと思いながら、お客さんもいるし、厨房に入っているようだったので、遠慮がちに厨房のほうをのぞくと目があって、わざわざレジのところまで出てきてくれました。

 

 私「ほんとうに残念です。きょうも木の葉丼食べましたよ」

 おばさん「おねえさん、木の葉丼好きやもんなぁ。元気でお仕事してちょうだいね」

 私「あの、握手してもらっていいですか」

 おばさん「あら、どうしょう」といいながら、エプロンで手を拭いて握手をしてくれました。

 私「どうぞお元気でいらしてくださいね」

 おばさん「ありがとう」

 

 なんだか涙目になりながら、ハグしてお別れしたのでした。

 

 職場に戻ってその話をすると、向かいのSさんが「さすが、ヘビーユーザーは違うなぁ」

 

 私「Yさんの助言にしたがって行ってよかったです」

 Yさん「そうでしょー」

 Sさん「ふじたさんのあとのお客さんはみんな、お金払うときに握手してハグしないと帰れない状態になってるんじゃあないですか」

 Yさん「こうなったら、木の葉丼のレシピを教えてもらってふじたさんがお店を開くしかないわ」

 私「木の葉丼専門店。 伊根町で開こうかなぁ」

 

 後ろで私たちの話をきいていたH主任がゲラゲラ笑っていました。 そばを通りかかった専務が

 

 「それで、ふじたさん、木の葉丼累計でどれくらい食べたん?200杯くらい?」 

 私「200杯も食べてないですけど、4年間で100杯は食べましたね」

 「どんだけ好きやねん!」

 

 平野屋のおばさんとの別れの場面とあの味は忘れないだろうなぁと思っています。

 

 

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更地になるまえのこと

2016-11-18 00:00:09 | 日記

 20代のころ、少しだけ絵を描いていたことがありました。

 

 仕事、というほどではありませんが、結婚式の招待状を手書きで描いたり、プレゼントに添えるカードとか、アルバム(いまはもうアルバムに写真は貼らないかもしれないけれど)に貼った写真にコメントやタイトルを書くカードとか。

 

 もうずうっとそんなこと忘れていたのですが。

 

 きょう古くからの友達に会ったとき、「昔、ちいに描いてもらったカード、いま娘が気にいって使ってるよ」と言われて、ああ、そんなことをしていた時期があったなぁと懐かしく思い出したのでした。

 

 娘さんはいま高校生で、友達にプレゼントする機会が多いそうです。

 

 「これめっちゃ便利っていうてるよ」

 「そんなにたくさん描いたっけ??」

 「いっぱい描いてもらったよー」

 

 忘れている。

 

 どんなデザインだったか、どんな色を塗ったか、まったく記憶にないのです。

 

 それだけでなく、私が書いた童話のタイトルをつけるときのことまで覚えていて、「あのとき迷っていたけど、夕暮れの道にしてよかったね」といわれて、迷っていたことを忘れていることを知りました。

 

 更地になったら、まえにどんなものがあったかを忘れるように、すっぽりとなくなってしまった私の時間の一部分を覚えていてくれる友達がいて、よかったなぁと思ったのでした。

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ともだちの日

2016-11-17 20:03:47 | 日記

 きょうはともだちの日。

 

 高校時代の友達K子とようやくお休みをあわせて、会うことができました。 平等院へ行ったことがないから行ってみたい、というので、平等院ならまかせて!(天蓋や扉の絵や仏像のこともガイドできるようになりました)

 

 山城歌会の秋の吟行会でいろんなコースを歩いているので、10時から16時までで時間を有効においしいものもしっかり食べるというツアーを自分なりに組み立てました。

 

 10時 京阪宇治集合

 10時15分 平等院正門前の増田茶舗で抹茶ソフトを食べる。 ここの抹茶ソフトは濃厚で、抹茶を上からかけてくれるところがおいしさの秘密。食べたあとは唇に抹茶がつくので口を拭いてから散策に出掛けましょう。

 10時30分 平等院へ。 まず鳳凰堂拝観の受付を済ませる。 ここで拝観時間の書いたチケットをもらう。「11時10分」のチケット。40分あるので、鳳翔館へ先にいって、展示物を見る。 おみやげも買う。(K子はお香立てを買っていた)

 

 11時10分 鳳凰堂拝観 先に展示物を見ていたので、イメージしやすい。

 11時40分 宇治川沿いの「鮎宗」で鍋焼きセットを注文。 おうどんもおいしいし、竹の皮につつまれた鰻のおこわがおいしいのです。

 13時   宇治川沿い散策 朝霧橋を渡り対岸へ。K子、「ここの景色最高やね!!」 

 13時30分 琴坂を上って興聖寺お参り。 坂道の紅葉がきれい。

 14時   宇治神社、宇治上神社をめぐる 宇治上神社の名水で手を清めるK子。 私は水にたどりつくまえに転びそうなので待つ。 与謝野晶子の歌碑の歌を音読したりしながら歩く。

 14時15分 宇治橋商店街の中村藤吉本店へ行ったら45分待ち。 名前を書いていったん店を出る。

 14時20分 いわきぱふで絵本やおもちゃを見る。 懐かしい。 息子の同級生のお母さんが働いていて、声をかけられる。地元だ。

 15時   中村藤吉へ戻り、K子は宇治茶ゼリー、私はほうじ茶ゼリーを堪能

 15時40分 平等院近くまで戻り、宇治在住の友達おすすめの「能登椽 稲房安兼」で茶だんごを買おうとしたけれど、あいにくお休み。 別のお店で購入。

 15時50分 解散。 K子は京阪宇治へ私はJR宇治へ。

 

 楽しかったー。 私が考えられるイチオシの宇治ツアー。

 

 そのあと、自宅へ戻り、車でダイアナに会いに行きました。 どくだみ化粧水を作ってくれて、「いつでも取りに来てね」って言われていたのに、平日は夜が遅くてなかなかチャンスがなかったのでした。 短く情報交換。 サラダのおいしいお店を教えてもらって、来月行く約束をする。

 

 その帰りに、ずっと取りに行けなかった私のクリーニング(夏物!13点)を取りに行き、買い物をしました。 

 

 有意義な休日でした。

 

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平野屋閉店

2016-11-16 21:43:57 | 日記

 ああ、ショック。

 

 きょう、お昼休みに寒いからおうどんでも食べようと思って、近くのおうどん屋さん(平野屋さん)へ行って、ランチの看板を見ました。

 

 「木の葉丼 鶏そば750円」(そばの名前は定かではない)とあったので、ランチを注文することにしました。 両方普通サイズにすると量が多いので「ミニミニで」と注文しました。ごはんもおそばも少量のときにいう、常連言葉です。

 

 おいしいなー と食べ終えて、お金を払う時、「ミニミニなので600円でいいです」

 

 えー。 そんなにおまけしていたら消費税は転嫁できないんじゃないか、とつい、仕事柄気になるのでした。

 

 そして。 お店に入るときにはなかった大きな看板が、外にかかっていて、「50年続けてまいりました平野屋も今月19日で閉店となりました。最終日までがんばります」(言葉はちょっと違うかもしれないけれど、そういう内容でした)

 

 さびしい・・・ ようやくおうどん屋さんでおそばを注文することもできるようになって、お店のおばさんには「あんた、木の葉丼好きやなぁ」と声をかけられるほど親しくなってきたというのに・・・

 

 しょんぼりした気持ちで、帰りにライフに寄り、貼らないカイロと靴下を5足(!)買いました。 それでも心は寒いのでした。

 

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