きのうのお昼休み、私が「きょうはなに食べようかな」とつぶやくと、隣の席のYさんが「平野屋さん、きょうが最後じゃない?」
私「明日までですけど、あしたは会社ないからきょうが最後のチャンスですね。でもきっと人が多いんじゃないかなぁ」
Yさん「だからこそ、いくんじゃないですか。木の葉丼の大盛り食べてこなくちゃですよ」
そっか。こういうとき、決断力のあるYさんの助言は的確でしみとおります。
それで、平野屋さんへ行って、いつもの「木の葉丼」を注文しました。 結構お店は混んでいて、なかなかこなかったのですが、運ばれてきたときふわっといつものいい匂いがしたら、待ったことなんて飛んでいきました。
私「木の葉丼、大好きだったんですよ。いつもおいしいの作ってくださってありがとうございました」 というと、
お店の女性「ありがとうございます。 最後までお待たせしてすみませんでした」
そしてしみじみ味わう。 木の葉丼というのは、全国どこにでもあると思っていたのだけど、そうでもないらしい。 平野屋さんの木の葉丼は、かまぼこ、葱、しいたけ、卵、海苔が載っています。
お金を払う時に、いつも運んでくれるおばさんに挨拶したいなぁと思いながら、お客さんもいるし、厨房に入っているようだったので、遠慮がちに厨房のほうをのぞくと目があって、わざわざレジのところまで出てきてくれました。
私「ほんとうに残念です。きょうも木の葉丼食べましたよ」
おばさん「おねえさん、木の葉丼好きやもんなぁ。元気でお仕事してちょうだいね」
私「あの、握手してもらっていいですか」
おばさん「あら、どうしょう」といいながら、エプロンで手を拭いて握手をしてくれました。
私「どうぞお元気でいらしてくださいね」
おばさん「ありがとう」
なんだか涙目になりながら、ハグしてお別れしたのでした。
職場に戻ってその話をすると、向かいのSさんが「さすが、ヘビーユーザーは違うなぁ」
私「Yさんの助言にしたがって行ってよかったです」
Yさん「そうでしょー」
Sさん「ふじたさんのあとのお客さんはみんな、お金払うときに握手してハグしないと帰れない状態になってるんじゃあないですか」
Yさん「こうなったら、木の葉丼のレシピを教えてもらってふじたさんがお店を開くしかないわ」
私「木の葉丼専門店。 伊根町で開こうかなぁ」
後ろで私たちの話をきいていたH主任がゲラゲラ笑っていました。 そばを通りかかった専務が
「それで、ふじたさん、木の葉丼累計でどれくらい食べたん?200杯くらい?」
私「200杯も食べてないですけど、4年間で100杯は食べましたね」
「どんだけ好きやねん!」
平野屋のおばさんとの別れの場面とあの味は忘れないだろうなぁと思っています。
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