ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

2018年、4月~5月に読んだ歌集でよかった歌

2018-05-15 21:42:55 | 日記

 という日を設けてみようと思いました。

 

 歌集は歌集としてのよさがあって、1首だけとりあげてもそのよさは伝わらないとは思いますが、ここのところ続けて歌集を読んできたので。

 

 ・三日月のように丸まりていく母よ老いて病みても我を照らせり 

            (前田康子『窓の匂い』青磁社)

 ・このあひだきみにもらつた夕焼けがからだのなかにひろがるよ昼間にも

            (本多真弓『猫は踏まずに』六花書林)

 ・残像の美しい夜目を閉じた後の花火の方が大きい 

            (鈴木晴香『夜にあやまってくれ』書肆侃侃房)

 ・ガムランの響くわたしの体内をあなたは知らぬ 知らぬままいよ

            (鶴田伊津『夜のボート』六花書林)

 ・友だちのいまだ減りたる経験のなき子の眠る鞴(ふいご)のやうに

            (宇田川寛之『そらみみ』いりの舎)

 ・とんぼらもさびしきときがあるだらう手に止まらせてやるから来いよ

            (外塚喬『散録』短歌研究社)

 ・積む雪に雪の重なり仄青し 丘の上なる父の墓処は 

            (樺澤ミワ『くうとくん』青磁社)

 ・子と共に天の深処へ昇りゆきぬただ一度のみ揚げしこいのぼり 

            (小川玲『歳月へ』青磁社)

 ・点滴に血管もろくつゆくさのあをにじませる父の両腕 

            (藤原勇次『草色の手紙』青磁社)

 ・切り子グラスに解けゆく氷の重心が移るごとくに人より離る 

            (村上和子『しろがね』青磁社)

 ・弟はたんぽぽ摘みて笛を吹くうぐいすの鳴く墓参りの日

            (白井陽子『あすなろのままに』六花書林)

 ・あとづけの理由ほころびゆくときに向き合ふひとと濁る眼球 

            (栗原寛 『Terrarium』短歌研究社)

 ・プールに金魚が鮮やかでどの子がわたしたちだろうねってこれからすくうやつだよ

            (石井僚一 『死ぬほど好きだから死なねーよ』短歌研究社)

 

 すでに読んでまだノートに書いていないのが山川藍『いらっしゃい』角川書店、水沢遙子『光の莢』不識書院。書き終えたらその2冊についてはまた後日ここに書きたいと思います。

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