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百菜健美☆こんぶ家族ラボ

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高血圧

2025-04-12 | 昆布
 

ミネラル添加の飲料水で血圧が低下する?のイメージ

 高血圧患者は一般に塩分を控えるべきとされる。しかし、米エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院のAbu Mohammed Naser氏らが行った研究で、少量の塩分を含む飲料水を飲む人は、真水を飲む人よりも血圧が低い可能性があることが分かった。同氏らは「飲料水に含まれるナトリウムではなく、カルシウムとマグネシウムが血圧の低下に関連した可能性がある」と指摘している。詳細は「Journal of the American Heart Association」5月7日オンライン版に発表された。

 この研究は、飲料水の水源とする地下水や池水に海水が侵入するバングラデシュの沿岸地域の住人を対象に、飲料水の水質が健康にもたらす影響について調べたもの。飲料水に含まれる塩分量が変動する雨季と乾季に、複数の沿岸地域の住民を追跡した2件の研究データを統合し、少量または適度な塩分を含む飲料水を飲んでいる人たちと真水を飲んでいる人たちの血圧値を比較検討した。

 その結果、少量の塩分を含む飲料水を飲む人たちでは、真水を飲む人たちに比べて収縮期血圧の平均値は1.55mmHg低く、拡張期血圧の平均値は1.26mmHg低いことが分かった。また、尿検査の結果、血圧値が低かった人たちではカルシウムとマグネシウムの尿中排泄量が多いことも明らかになった。

 Naser氏らは、カルシウムとマグネシウムには血圧を下げる働きがあることから、「今回の結果は、飲料水に含まれるカルシウムとマグネシウムによる降圧効果が、ナトリウムによる有害な影響を上回ったことによるのではないか」との見方を示している。

 この研究には関与していない米バージニア大学内科教授で、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)による高血圧ガイドラインの作成に携わったRobert M. Carey氏は「今回のようなわずかな降圧でも、心血管疾患や脳卒中の低減に大きな効果をもたらす可能性がある」と話す。ただ、飲料水にカルシウムやマグネシウムが含まれていたことが血圧の低下をもたらしたかどうかについては、臨床試験で検証する必要があるとしている。

 一方、Naser氏は「この結果が裏付けられれば、人口集団全体の血圧を調整することができる」とし、「高血圧になったら生活習慣を是正し、降圧治療を開始するというこれまでの手法とは別のアプローチが可能になる」と説明している。

 これまで多くの研究から、カルシウムとマグネシウムはいずれも、血圧を保つのに重要な栄養素であることが明らかになっている。ただ、米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)は、慢性疾患の予防を目的としたビタミンやミネラルのサプリメントの摂取は推奨しておらず、AHAは栄養価の高い食事からこれらの栄養素を取ることを勧めている。

 しかし、米国人の多くは1日に必要なミネラルを食事から取れていないのが実情だ。Naser氏は「飲料水にミネラルを加えることは、ミネラル不足の解消につながるかもしれない」と述べている。また、食品中の化学物質はミネラルの吸収を妨げる可能性があるため、「食品よりも水から摂取した方がミネラルの吸収率は高いとも考えられる」と同氏は指摘している。


昆布と干し椎茸の滋味のスープ

2025-04-12 | 昆布

辰巳芳子さんがひとり身に推す「滋味のスープ」

 

 

辰巳芳子さん。御年94歳。まだまだ現役の料理家だ。辰巳さんといえば、「命のスープ」で知られる。

「スープは離乳食から介護食まで、そして疲れた人たち、万人にとてもいいものだと思うの」という。

「おひとりで暮らす男性の食生活をなんとかしてあげたいの」とも。

辰巳さんのスープを作るのは、決して難しくない。

よい素材を選べば、あとは丁寧に素材に向き合うだけだ。

丁寧に、ゆっくりと。

自分のためにスープを作る時間。自分のために味わうひととき。

そんな時間がなんともいえない、癒やしの時間になる。

 

ひとくち飲むと、頭に浮かぶ「滋味」

デミカップに注がれた琥珀色の液体。

なんだと思いますか?

紅茶?

ウーロン茶?

いえいえ、これ、スープなんです。

干ししいたけを使った「しいたけスープ」。

「頭を使ったとき、精神的に疲れたときには、とてもいいスープよ」と辰巳さん。

ぜひ、ご自分の「癒やし」に作ってみませんか? ひとくち飲むと、心からほっとします。

まずはレシピを紹介します。

 

《しいたけスープレシピ》


日本産原木干しシイタケ…………30~40g
昆布5㎝角…………3、4枚
梅干し………………………2個
水………………………カップ6

 

シイタケと昆布を分量の水に浸し1時間戻す。

シイタケ、昆布、梅干しを別の容器に入れる。

戻し汁は鍋に移し火にかける。

蒸気の上がった蒸し器に食材の入った容器を入れる。

熱した戻し汁を容器に注ぐ。

蒸し器のふたをして、40分ほど蒸す。

蒸し上がったら、すぐに昆布、シイタケ、梅干しを取り出す。

スープを器に注ぐ。

どうでしょう。

材料は干ししいたけ、昆布、梅干しのみ。

特に難しい調理技法も要りません。

辰巳さんの「しいたけのスープ」を初めていただいたときの感動は忘れられません。

コース料理の「前菜」として、デミカップに1杯出てきました。

一口飲むと、「滋味!」。

この言葉がじんわりと脳裏に浮かびました。

 

「滋味」を辞書で調べると、①栄養があって味のいいこと。

栄養豊富でおいしい食べ物②豊かで深い精神的な味わい、という二つの意味があります。

②は文学作品などの評価に用いられますが、「しいたけスープ」は①の意味はもちろん、まさに、「豊かで深い精神的な味わい」なんですね。

 

この1杯で食が進み、その後のお料理をおいしくいただけました。

別名「シイタケのコンソメ」と言われるゆえんでしょう。

実はこのシイタケのスープ、「煮る」ではなく、レシピにもあるように、「蒸す」という手法を使っています。

 

辰巳さんは言います。

「最初、干ししいたけを煮出してみたけど、くせまで出てしまったの」。

そこで、シイタケの戻し汁とともに、具材を蒸してみたそうです。

すると、シイタケの滋味だけがうまく出ました。

シイタケと昆布のうまみに、梅干しのほのかな塩味がのった黄金色のスープ。

 

このスープも含め、もっと気軽に「蒸し料理」ができる調理器具はないか?

辰巳さんは、調理器具メーカー「野田琺瑯」の社長の奥さんでスープ教室にも通って

いた野田善子さんに相談しました。

そして生まれたのが、ほうろう蒸気調理鍋「ミモザ」です。

 

しいたけスープに合う鍋の共同開発

 

二重鍋になっている「ミモザ」は琺瑯性なので、金気を嫌う食材にはうってつけです。

この鍋には辰巳さんのレシピ集が入っており、辰巳さんはこう書いています。

蒸し料理については、「金気をおびぬ蒸気は、ものの質をゆがめず、穏やかに食材の持ち味を引き出すと思う」。

また、琺瑯の特性にも触れ、「この鍋のほうろう鋼板は、1mmと厚手。

ゆったりした鍋で炊いた煮もの、汁ものは味はよく、仕上がりも美しい」と。

しいたけスープの材料と二重鍋ミモザ

面倒そうに思える「シイタケのスープ」も内鍋に具材と戻し汁を入れて40分ほど蒸すだけ。

余ったらスープは冷凍保存できます。

食材のうち、昆布は、だし取りに一番の「利尻昆布」を使いやすい5センチにカットしたものを、

シイタケは大分県産の「有機JAS」認証をとった「スープ用しいたけ昆布セット」をご用意しました。

二重鍋「ミモザ」は、数々の蒸し料理に大活躍してくれます。

蒸し器には欠かせないのが、すのこ。ミモザには3種類入っています。

すのこの目の粗さで蒸気の量が変わってきます。

茶碗蒸し、野菜蒸し。料理に合った蒸気量を調節できくるのもうれしいですね。

辰巳芳子さんのレシピブックつきです。

もちろん、しいたけスープの詳しいレシピも。

 

《たつみ・よしこ》 料理研究家の母・辰巳浜子さんに家庭料理の教えを受けて料理家に。

「蒸らし炒め」「展開料理」など独自の調理法を提唱する。

父親の介護体験をもとにスープ料理の普及に取り組むほか、食料の自給や安全についても、幅広く提言している。