愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

新刊『ニホンカワウソの記録ー最後の生息地 四国西南よりー』

2015年08月15日 | 日々雑記
宇和島市在住の宮本春樹さんの新著。

人間と動物との関わり。

自然の保護と云いつつ結局、翻弄されたカワウソ。

人文系の視点から書かれたカワウソの記録。

おすすめの一冊。




『ニホンカワウソの記録 -最後の生息地 四国西南より-』

宮本春樹 著 

創風社出版刊

http://www.soufusha.jp/book/new.html#kawauso

本書は、カワウソ再発見から最後の生息確認に至る約50年の記録である。

すでに絶滅したと思われていたニホンカワウソ。日本にはもはやいなくなったというのが学会の定説であったが、四国西南部の海岸線や河川には戦後もなお生息していた。そう再確認されてより、愛媛県獣として、さらに国の特別天然記念物に指定され、絶滅させまいと懸命の保護活動に取り組まれた。しかし、それから58年を経て、平成24年(2012)8月、環境省よりニホンカワウソの絶滅が宣言された。

なぜ保護は成功しなかったのであろうか。水辺の生態系の頂点であった動物であり、河童のモデルでもあったカワウソは、どのような自然環境に支えられていたのだろうか、明らかにしていく。


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