愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

大洲のしいたけ

2010年11月29日 | 口頭伝承
もう一つ、大洲の食文化について。

大洲で非常に盛んなしいたけ栽培。

写真は「しいたけフェスタ2010in大洲」での、しいたけバベキュー。

肉を食べているのと変わらないほどの厚み、歯ごたえ。

大洲のしいたけは、実に美味い。




愛媛はしいたけ生産量は全国でも上位を占める。

近年の数字は手元にないが、

昭和56(1981)年には、大分、宮崎に次ぐ生産地で、

全国の9.4%を占めていた。

このしいたけ栽培は、戦前から盛んだったというわけではない。

大分、宮崎は戦前から盛んだったが、

愛媛では昭和40年代に入って急速に生産が拡大している。

県内では特に大洲市など肱川流域が盛んである。

昭和30年代のエネルギー革命で薪炭林の需要低下で、

それがしいたけ栽培へと転換し、

地元の森林組合、農協の共販体制で安定した販路を確保したことで

大洲のしいたけが発展したといえる。




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もち麦みそ

2010年11月29日 | 衣食住
昨日は、八幡浜の新町ドームでの「テヤテヤよろずマーケット」に行き、

まずは鳥津さんのてんぷら(じゃこてん)を購入。

またまたフジ観光さんのちゃんぽんを試食。



さて、ここのところハマっているもち麦。

「テヤよろ」でも発見!

大洲市から出店していた梶田商店さんの「もち麦みそ」。

ありゃ?「もち麦」は希少栽培種だと自分で書いた割(2010年10月25日)には、

探せば、結構出会うものだなと思いつつ、

聞いてみると、やはり、どこにでもあるものではないらしい。



ご飯に直接つけて食べられるということで、

もち麦みそを購入し、きのうの夕食は、

もち麦ごはんに、もち麦みそをつけて食べる という

究極のもち麦飯。



梶田商店さんは大洲中村で明治時代から続く老舗。

タツミ醤油の名でも知られています。






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大洲の「もち麦」

2010年11月28日 | 衣食住
先日、愛媛でも希少になっていると紹介した「もち麦」。

大洲市の産直市「愛たい菜」に行くとありました。

早速購入して、食べました。

白米8、もち麦2の割合で普通に炊飯器で炊くと

確かにもちもちした麦ごはん。美味。



この時期、妻の実家からもち米も大量にもらって、

ここ1週間、餅三昧。冷凍庫は餅ばかりのわが家で、

もち麦も加わり、年末年始もまだなのに、

餅太りしそうな、今日この頃。




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童謡「里の秋」

2010年11月26日 | 口頭伝承
小学校低学年の娘が学校で習った「里の秋」を歌ってくれた。

静かな 静かな 里の秋
お背戸に木の実の
落ちる夜は
ああ 母さんと
ただ二人
栗の実煮てます
いろりばた


この1番の歌詞は知っていたが、次の2番は知らなかった。


あかるい あかるい 星の空
鳴き鳴き夜鴨の
わたる夜は
ああ 父さんの
あの笑顔
栗の実たべては
思い出す


母と二人で栗を食べていたのは父と別離していたためだと、改めて気づく。

そして、娘は「音楽ファイルには歌詞は載っていないが、3番もあって、先生に教えてもらった」という。その歌詞には驚いた。

さよなら さよなら 椰子の島
おふねにゆられて
帰られる
ああ 父さんよ
ごぶじでと
今夜も母さんと
祈ります


椰子の島(南洋)から船で無事に帰って来ることを祈る。これは戦地からの復員のことではないか。

1番だけだと牧歌的な秋の情景を思い浮かべるが、2番、3番を聞くと戦中、戦後の引き裂かれた家族の現実を目の当たりにする。

この歌は作詞は斎藤信夫、作曲は海沼實。昭和20年にラジオ「外地引揚同胞激励の午後」という番組で童謡歌手川田正子が歌い、翌年からラジオ番組「復員だより」の曲として使われ、昭和23年に日本コロムビアよりSPレコードが発売された。

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ワイワイスタンプ

2010年11月23日 | 日々雑記
数日前に八幡浜新聞を見て、商店街のワイワイスタンプが中止されることは知っていたが、今、愛媛新聞を見て驚いた。買い物券との交換に人が殺到して混乱したとのこと。あらためて我が家のワイワイスタンプを確認したところ、台紙1冊。500円相当を発見。ありゃりゃ。交換は終了したとのこと。あくまでサービスの一環だったのだから仕方ないか・・・。

でも、ワイワイスタンプを交換できなかった人はかなりの数にのぼるだろうし、結構貯めている人もいると思う。

八幡浜のちょっとした暗いニュースといえるかもしれないが、私は勝手にいろんな妄想を働かせて、少し楽しんでみた。というのも、これだけの反響があるとこのままワイワイスタンプの件を収束するのは難しい。

そこで、12月31日にでも、ワイワイスタンプの台紙1冊につき1回挑戦できる「ガラポン大抽選会」をやってみては面白いと想像してみた。

賞品は経費をかけずに市内の各所からボランティアで集めたり、各事業所から賞品を出してもらったり、はねミカンを景品にしたり、ちゃんぽんや寿司やフグ料理の割引券を発行したり、新商品「ハモ弁当」をプレゼントしたり・・・。あと年末なので、ブリかハマチ1本そのままプレゼントってのもいいかも。ハズレ景品は「餅」。大晦日に会場で大餅つき大会をして、餅を残念賞にしておく。正月前だし、餅は「福」の象徴。誰もがもらってうれしいもの。みかん餅でもいいかも。せっかくなので、1等だけは海外旅行にするとか、地デジテレビにするという夢は設けておく。(結局、経費はかかるな・・・。)

年末に、市民総出?で、ワイワイスタンプの処分大抽選会。結構、盛り上がるし、一度へこんだ分、復活挑戦権獲得!という気分で楽しいとも思う。

新聞を読みながら、暗いな~と思いつつ、こんなときこそ、元気を呼びおこすチャンスやアイディアが転がっている・・・と一人で勝手にガラポン抽選会を妄想で楽しんでいるのでありました。


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八幡浜のてんぷら

2010年11月22日 | 衣食住

魚のすり身を整形して揚げた練り製品「じゃこてん」。八幡浜をはじめとする南予独特の料理だが、自分は子供の頃、じゃこてんとは言わず、単に「てんぷら」と呼んでいた。

じゃこてんは、何処となく着飾った余所向けの呼び名という感覚だ。

自分は八幡浜の「てんぷら」に、大きな物語を描くことのできる可能性を感じざるを得ない。

というのも、「てんぷら」は南蛮渡来の400年の食文化であり、郷土料理である上に、空間的にも時間的にもダイナミックさがある。

一説には、西洋で寺院の精進料理が起源であり、templeとてんぷらは同源ともいわれる。(この説については、現在、検証中)

徳川家康が食べたというてんぷらは、衣のついたてんぷらではないことは確かである。衣のついたてんぷらは江戸時代中期以降。それ以前のてんぷらは、今の八幡浜のてんぷらに共通する点が多い。

衣のてんぷら、あとは鹿児島のさつま揚げ、八幡浜のてんぷら、これらは時系列に並べてみることも可能ではないかとも考えている。

八幡浜のてんぷらを語ることは、てんぷらの食文化史を語ることにもなる。

わざわざ「じゃこてん」と名乗らなくても、地元のネィティブ「てんぷら」と呼べば良いのではないか。勝手にそう思っている。


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西広門田�

2010年11月21日 | 口頭伝承
今、道後行きの高速バスの中。今日もひめぎんホールでの高文祭に参加します。

さて、先週、山梨県に行った際の難読地名「西広門田」。これが何故「かわだ」と読むのか、『角川日本地名大辞典 山梨県』と平凡社の『山梨県の地名』を図書館で確認してみた。角川には「古くは川田・河田・広門田と書き、広は訓でカハラ、門田は和歌などでタと詠んだことから『かわだ』となったといわれる」。平凡社には「かつて当地には東西の広門田があって重川の水害により東村が流出、西村のみが残って現地名の西広門田となったとの説がある」と紹介されている。また、天正10(1582)年徳川家印判状写には「河田」、翌11年の徳川家康印判状写では「広門田」とあり、慶長7(1602)年の休息山立正寺門徒連判状には「川田」、慶長古高帳には「西河田」、延宝8(1680)年「牛奥山手目録」には「広門田」と出てくる(平凡社より)。

少なくとも16世紀後半には「かわだ」を「広門田」と表記しており、東村と対比させるために「西」を加えて「西広門田」となったようである。

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祭りの中止、中断、復活

2010年11月20日 | 祭りと芸能
毎年この時期になると気になるのが、奥三河の花祭。まだ現地に行ったことがない。民俗やっていて神楽に興味があるのに、行ったことがないの?と言われそうだが、いずれは実見したい。

先日、奥三河に近い(愛媛から見れば)信州の遠山霜月祭が継承の危機にあるという話を聞いた。実際には、国指定無形民俗文化財となっている17神社のうち、現在12神社で行われており、今年そのうちの2箇所が担い手の高齢化、後継者不足で中止するという(南信濃上島の白山神社、南信濃大町の遠山天満宮)。

11月3日に行われた三重県の二木島祭。県指定無形民俗文化財。この祭りは後継者不足などの理由で今年で最後という話も聞いた。和船競漕である点、当屋制で厳しい精進潔斎が求められる点、船の舳先で少年が踊る点など、愛媛の祭りに共通することが多いので、ここもいずれ現地に行ってみたいと思っていたところ。

愛媛では、数年前に文化財となっている城川窪野の八つ鹿踊りが中断したが、新たな後継者を得て、今年復活している。しかし、県内の各地の祭り、10年、20年後、どうなるのか気にかかることは多い。


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県民総合文化祭

2010年11月19日 | 日々雑記
明日11月20日(土)は
松山市のひめぎんホールで
平成22年度県民総合文化祭総合フェスティバルが
開催されます。

今年も、私が注目しているは、若い力。

14:30~ウェルカム発表
「二洲太鼓」川之江高校郷土芸能部
「久万山五神太鼓」上浮穴高校郷土芸能愛好会
「伊予長浜豊年踊り」長浜高校郷土芸能部

16:00~第一部
八ツ鹿踊り(宇和島市)
えひめよさこい踊り(大洲市)
書道パフォーマンス甲子園

この書道パフォーマンスは、
「書道ガールズ」三島高校書道部と
内子高校郷土芸能部(和太鼓)の共演。
愛媛の和の文化の元気印のコラボです。

入場は無料ですが、整理券が必要。

翌日には、同じひめぎんホールで
12:00~14:30
県高校総合文化祭郷土芸能部門発表会もあります。

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山梨の珍地名「西広門田」

2010年11月15日 | 口頭伝承
甲州市の塩山駅まで車に乗せてもらったが、「西広門田」という交差点を通った。

この地名は何と読むだろう。

「にしひろもんた」か?いや違う。

標識には漢字の下「Kawada」と書いてある。

わけがわからない。

なんと、この「西広門田」は「かわだ」というそうだ。

漢字4文字なのに、ひらがな読みだと3文字?

どう頭の中をめぐらせても解釈できない。

角川か平凡社の地名辞典で確認してみたいが、

今手元にないので図書館に行った際に調べてみたい。




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秋の七草 藤袴

2010年11月15日 | 日々雑記

勝沼で咲いていた藤袴。自生種は絶滅危惧種だというから園芸種だろう。

藤袴は秋の七草。これは万葉集の山上憶良が詠んだ歌に出てくる。

「秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花」(万葉集巻8第1537番)
(秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花)

「芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花」(万葉集巻8第1538番)
(萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝顔の花)

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勝沼のぶどう栽培用具及び葡萄酒醸造用具

2010年11月14日 | 日々雑記
今朝は、塩山駅で大学時代の親友のご家族と待ち合わせ。車に乗せていただき、一緒に山梨県立博物館に行く。5年前に開館した新しい館。学芸員さんといろいろお話しして、常設展示と甲斐源氏の企画展示を拝見。企画展示では重文の絵巻や、多くの仏像特に平安期の不動明王像など、間近で観ることができて、満足。

昼食は、今話題の鳥もつ煮。先日のB-1グランプリで一躍有名になった山梨のB級グルメ。

その後、メルシャンのワイン資料館を見学。当初は、国登録有形民俗文化財「勝沼のぶどう栽培用具及び葡萄酒醸造用具」を管理する甲州市立ぶどうの国文化館に行くつもりだったが、明治期のワイン醸造場がそのまま展示施設になっているワイン資料館を選択。

ここで電車の時間が迫り、恵林寺にも立ち寄りたかったが、帰途につく。(いま、八王子付近。)

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開明学校と西村茂樹

2010年11月13日 | 日々雑記
ただいま、千葉の佐倉にいます。開明学校の大扁額を書いた文部大書記官西村茂樹ゆかりの地。宇和に少しだけ関係のある場所。

これから東京の宿に向かい、明日は山梨の石和にある県博や、勝沼の友人宅を訪れる予定。



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八幡浜の八日市にて

2010年11月08日 | 日々雑記
今日は仕事が休み。8日ということは、八幡浜で八日市をやっている日ではないか!毎月8日の八日市、この日が休みという偶然は滅多にない。ということで朝から八幡浜の商店街に出向く。

まずは、二宮のじゃこてんを買い、叶さんの皮ちくわも購入。

商店街を歩いていると、知人がみかんなどを売っている。自家製カンコロを1パックいただいた。

さらに歩くと八幡浜ちゃんぽんの試食ができるコーナーがあり、よそ者のふりして頂戴した。フジ観光さん、ありがとう!

新町ドームでは、八幡浜のみかんを使った新メニューが並んでいた。目を引いたのは「みかんもち」。1パック家族の土産に購入。ついでに、昔?のおやつの定番「芋もち」も。

そして、本日の一番の楽しみ、昭和水産さんのフィシユバーガーをゲット。今月の魚はカマス。少し前はモンダイだったとのこと。それもたべたかった~。今日しか食べられない限定品なので、目的は達成。

この時点で満腹に近づいていたが、現在八幡浜市内で行われている「ちゃんぽんスタンプラリー」のスタンプをゲットするため、ビストロデュエットで「ちゃんぽん風スパゲティ」を食べる。

もう満腹!!

帰りに、実家に立ち寄って、向灘のみかんと、鯛の刺身(どちらも新鮮だったので・・・)を拝借?いや強奪?してきた。

いやはや、八幡浜のうまいもんを、たんなり手に入れた半日でしたわい。





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