蟻通し宮図鐔 安親
安親の同図。
「かきくもりあさせもしらぬ大空に 蟻通しとは思ふべしとは」
と奉じると・・・曇った空が晴れて・・・
宮人が灯りを頼りに出てくる場面が描かれる。
蟻通し宮図鐔 安親
安親の同図。
「かきくもりあさせもしらぬ大空に 蟻通しとは思ふべしとは」
と奉じると・・・曇った空が晴れて・・・
宮人が灯りを頼りに出てくる場面が描かれる。
蟻通し宮図鐔 長義
紀貫之が蟻通し宮の門前を馬に乗ったまま通り過ぎようとした。すると馬は神を恐れて動かなくなってしまう。宮人は和歌の神であることを告げる。貫之は
「七わたに曲れる玉のほそ緒をば 蟻通しきと誰か知らまし」
と和歌を詠み、さらに・・・
遊行柳図鐔 三題
この辺りから奥州路。
「歌枕」でしか知らぬ、まだ見ぬ憧れの異国を前にする西行。
「道の辺に清水流るる柳陰 しばしとてこそ立ちどまりつれ」
柳の陰にうたた寝をしている図が多い 長義
しばしの休憩から腰を上げて・・・
正光
奥州への想いをふかめているのであろうか 宜時
西行と思われる僧が佇むこの場面はどこであろうか。奥州のいずれか・・・小柄と同じ宜時の作。
富士見西行図縁頭 二題
歌枕を訪ねての旅の途中、雄大な富岳を前にする西行の一首。自らの行く末を想って詠んだもの。
「風になびく富士の煙の空に消えて ゆくへもしらぬわが思ひかな」
富士見西行は、装剣小道具では好まれて描かれた。
この後に奥州へと足を運んだのであ
吉野桜図鐔 加賀
吉野に暮らした西行は桜の和歌をたくさん遺している
「吉野山人に心を付けがほに 花より先にかかる白雲」
「空はただ雲なりけりな吉野山 花もて渡る風と見たれば」
「山人よ吉野の奥にしるべせよ 花も尋ねんまた思ひあり」
「何となく春になりぬと聞く日より 心にかかるみ吉野の山」
「深く入るは月ゆゑとしもなきものを 憂き世忍ばんみ吉野の山」
「吉野山花の散りにし木の本に とめし心はわれを待つらん」
「吉野山高嶺の桜咲きそめば 懸からんものか花の薄雲」
「人はみな吉野の山へいりぬめり 都の花にわれはとまらん」
柳竹に鶯図小柄 堀江興成
藤原定家自選歌集『拾遺愚草』に取材。
花鳥十二ヶ月図揃い小柄より一月
花 「うちなびき春くるかぜの色なれや 日をへてそむる青柳のいと」
鳥 「春きてはいく夜も過ぎぬ朝といでに 鶯なきゐる里のむらたけ」