茘枝図三所物 後藤程乗
茘枝図三所物 銘後藤程乗 光晃(花押)
茘枝(れいし)とは、ニガウリ、ゴーヤーのこと。実には苦味があって好き嫌いの評価が割れるところだが、古くから薬として捉えられていた。瓜と同様に勢い良く蔓を伸ばして成長する様子は生命感にあふれ、これに強い生命の源があるとも考えられたであろう。
筆者はゴーヤーを、実が熟すまで育てたことがある。翡翠のようにあおあおとした実が次第に黄色くなり、ついに割れて中の真っ赤な種があらわになる。その様子は壮観だ。前回に紹介した瓜図目貫のように割れた実が反り返って種の集まりが柘榴石のような透明感を呈してその存在を鮮明にしている。独特の香りも良い。
この三所物の図では、葉は瓜であるが実は石榴のようでもある。とはいえ、実の表面には凹凸があって、割れ方は瓜のそれ。
この三所物は後藤宗家七代程乗(ていじょう)の作。時代は、桃山文化の影響が残る江戸時代初期。綺麗に揃った赤銅魚子地に高彫とし、葉と実に金を、花に銀を、割れた実から覗き見える種は素銅の色絵。実の色合いは微妙に銀を交えて色調に変化を与えている。
茘枝図三所物 銘後藤程乗 光晃(花押)
茘枝(れいし)とは、ニガウリ、ゴーヤーのこと。実には苦味があって好き嫌いの評価が割れるところだが、古くから薬として捉えられていた。瓜と同様に勢い良く蔓を伸ばして成長する様子は生命感にあふれ、これに強い生命の源があるとも考えられたであろう。
筆者はゴーヤーを、実が熟すまで育てたことがある。翡翠のようにあおあおとした実が次第に黄色くなり、ついに割れて中の真っ赤な種があらわになる。その様子は壮観だ。前回に紹介した瓜図目貫のように割れた実が反り返って種の集まりが柘榴石のような透明感を呈してその存在を鮮明にしている。独特の香りも良い。
この三所物の図では、葉は瓜であるが実は石榴のようでもある。とはいえ、実の表面には凹凸があって、割れ方は瓜のそれ。
この三所物は後藤宗家七代程乗(ていじょう)の作。時代は、桃山文化の影響が残る江戸時代初期。綺麗に揃った赤銅魚子地に高彫とし、葉と実に金を、花に銀を、割れた実から覗き見える種は素銅の色絵。実の色合いは微妙に銀を交えて色調に変化を与えている。
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