瓢箪図鐔 光廣
①瓢箪図鐔 銘肥前矢上住光廣
②瓢箪図鐔 銘長州萩住久次作
西洋の装剣金具は、中国大陸を経て独特の風合いを帯びた作風となり、南蛮金具と呼ばれ、我が国でも製作されている。図柄は一般的に唐草文と双龍の組み合わせで、唐草は複雑に組み合わされて立体的。わずかに金銀の布目象嵌を施す。
その影響を受けたものであろう、この肥前国矢上に居住した鐔工光廣(みつひろ)の瓢箪図鐔(Photo①)の彫刻による蔓の描法は南蛮の趣が横溢。鉄地を彫りぬき、まさに蔓が這っているように鐔面を網状に彫刻している。丸みのある瓢箪も実体的で、画面は複雑ながら妙趣を帯びている。
②は、正確で精緻な彫刻手法で植物図を彫り描くを得意とした、長州鐔工の特徴的な作風になる瓢箪図。精巧な彫刻表現だが、光廣のような立体的な構成とはしていない。
千成瓢箪のように、瓢箪には多産、豊穣の意味がある。蔓草のような連続する生命感もあることから、装剣具だけでなく画題に採られた例は多い。
①瓢箪図鐔 銘肥前矢上住光廣
②瓢箪図鐔 銘長州萩住久次作
西洋の装剣金具は、中国大陸を経て独特の風合いを帯びた作風となり、南蛮金具と呼ばれ、我が国でも製作されている。図柄は一般的に唐草文と双龍の組み合わせで、唐草は複雑に組み合わされて立体的。わずかに金銀の布目象嵌を施す。
その影響を受けたものであろう、この肥前国矢上に居住した鐔工光廣(みつひろ)の瓢箪図鐔(Photo①)の彫刻による蔓の描法は南蛮の趣が横溢。鉄地を彫りぬき、まさに蔓が這っているように鐔面を網状に彫刻している。丸みのある瓢箪も実体的で、画面は複雑ながら妙趣を帯びている。
②は、正確で精緻な彫刻手法で植物図を彫り描くを得意とした、長州鐔工の特徴的な作風になる瓢箪図。精巧な彫刻表現だが、光廣のような立体的な構成とはしていない。
千成瓢箪のように、瓢箪には多産、豊穣の意味がある。蔓草のような連続する生命感もあることから、装剣具だけでなく画題に採られた例は多い。
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