鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

南天図鍔 秋田正阿弥 Akita-Shoami Tsuba

2014-12-27 | 鍔の歴史
南天図鍔 秋田正阿弥


南天図鍔 秋田正阿弥

 何て素敵な鍔であろうか、赤銅魚子地高彫色絵象嵌による美しい作。南天は、我が国の晩秋を彩る季節感に溢れた植物であり、景色を構成する要素である。この鍔における実の表現、技法に目を奪われる。丸みのある実は素銅と山銅であろう、高彫した表面を覆うように処理している。古金工でもみた点象嵌の手法を採っている。この色づいた実の中は中空ではなく、球状の金属が象嵌か高彫されており、その表面を色金で覆っている。説明すれば簡単だが、その面白さは格別。拡大鑑賞すれば、その魅力もさらに大きくなろう。銀の表情は、いずれ別の項で紹介しよう。


 今年も何とか一年を通して作品の紹介ができました。ありがとうございました。
 今年の1月には宝島社から「日本刀の本」が発売されました。その協力を、前年末から正月明けまで、ほとんど休みなしの状態で明け暮れ、胃痛に悩まされました。その「日本刀の本」が驚異の10万部に近い発売数となり、日本文化に対する興味の存在とその大きさを再認識しました。
 ところが、宝島社では、「日本刀の本」の第二弾をこの一月中頃に発行するとのこと。即ち、昨年末と同じ動きとなってしまい、この正月休みは校正に追われるでしょうから休めそうもありません。宝島社の「日本刀の本」の第二弾を一人10冊ぐらい購読していただければありがたい。2冊目は売利上げが伸びないというのが通念ですので、何とか多く売れることを祈っている状況です。

 来年も良い年になりますように。