鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

近江八景図鐔 安親 Yasuchika Tsuba

2014-12-25 | 鍔の歴史
近江八景図鐔 安親


近江八景図鐔 武州住奈良安親作

 まだ、それほど名を成してもいなかった土屋安親が、出羽より江戸に上って技術を高め、自ら得た様々な技術を総動員して作品化したものであろう。技術的に簡単に説明すると、赤銅石目地、高彫、金銀素銅色絵、象嵌、布目象嵌、平象嵌。砂浜の石目地も大小叢に仕上げ、象嵌においては叩き込んだ金属に表面に鑚の痕跡を残して変化のある表情を生み出している。象嵌を、単なる塑像の嵌め込みの手法というだけではない、更なる表情の創出へと発展させているのである。地の表情も面白い。上部に金の布目象嵌を加えている辺りには、下処理の鑢目を景色に溶け込ませている。このような作品を世に問うことによって大名家などの仕事を得るようになる。拡大写真を見てほしい。


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