尾崎行雄投手の投球フォームに就いて触れます。腕の位置はスリークォーターより低く横手よりは高い位置から出ており、彼の公称身長176cmという事からも察する通り、決して角度のある投球をしていた訳ではありません。左脚の胸元への引きつけ、十分に捻られた腰、思い切って後方に引かれた右腕、胸板の厚さを強調するかの如く見事な胸の張り等速球投手に必須の要素は備えてはいましたが、投球フォーム自体かなり無理があり、体への負担はかなり大きかったものと思います。又腰の回転自体も腕の出処がそうである様に、オーバースローと言うよりも横に近い為、巧く腰が回転出来なかった場合、所謂手投げと言いますか打者に正対して投げる危険性もはらんでいた様に思います。晩年の彼の投球にはこの投法が多く見られたものです。確かに金田正一が指摘した様に、変則気味で決して理にかなった投球フォームとは言い難い彼の投手生活が長く続くという事は、考えにくいものだったとは思います。尾崎行雄は当時、自身の球が最も速かった時期はプロ入団後ではなく、高校時代と話していました。しかし高校を2年で中退した彼は甲子園での優勝時16歳と11ケ月、この年齢で恐ろしく速い球を投げていたプロ入後より速かったのでしょうか、高校時代の彼の投球は見ていないだけに妙に気になるものではあります。
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