totoroの小道

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一つの花 学習の仕方

2013-06-16 19:02:04 | 4年 国語

物語は、主人公が変化・成長をしていきます。作者はその成長を通して主題を語ります。浜松授業研究の会では、そこに注目したの学習の仕方を研究しています。
以下の通りです。

主人公を探す。
「最初○○だった主人公が、最後に△△なった話」と一文に要約する。
主人公を○○から△△に変える大事件を探す。
その大事件の中から、大問題(対立問題)を作る。
大問題を解決する「言葉」(展開の核)をさがす。
対立問題の答えの根拠がどこにあるか、文を切って探し「展開の核」を様々な角度から調べる
主題を考える

7月の定例会では、これを一つの花で具体的に考えてみました。(例として)

主人公を探す。
まず主人公はだれだろう?
最後の、十年の年月がたった3の場面は、ゆみ子でよいだろう。
1の場面は、戦争時代と、そこに生きるゆみ子たちの紹介だから主人公は考えなくてもよいだろう。
2の場面の主人公はだれだろう。
ゆみ子はまだ物心が付いていないからちがう。お父さんかお母さんが候補となる。
一見お母さんが何度も出てくるのでお母さんかなと思う。
しかし、ちょっと注意して読むと、主人公はお父さんだと分かる。
主題に直結する「ひとつだけ」を聞いて高い高いするのも、「一つだけの花」をゆみ子に渡すのもお父さんだからだ。

「最初○○だった主人公が、最後に△△なった話」と一文に要約する。
お父さんの変化は何だろう?
・「一つだけちょうだい」にため息をついて決まって高い高いをしていたお父さんが、コスモスを手渡してにっこりわらう話。

 

主人公を○○から△△に変える大事件を探す。
コスモスを手渡してにっこりわらうように変化させた大事件を探す。
お母さんが、ゆみ子を一生けんめいあやしているうちに、お父さんがぷいといなくなってしまいました。

その大事件の中から、大問題(対立問題)を作る。
 (目的)何のためにお父さんがぷいといなくなったのだろう。 
 A コスモスの花をとるため
 B 何か泣き止ませるためものを見つけるため

(原因)どうしてお父さんはぷいといなくなったのだろう。
  A ゆみ子がなきやまないため
 B お母さんがこまっているから

(時間)お父さんはいつぷいといなくなったのだろう。
 A あやしはじめたとき
 B あやしてしばらくたったとき

(意味)お父さんがぷいといなくなったの「ぷい」はどういう意味だろう
 A 怒って
 B 突然に

などが考えられる。この場合は、(原因)を調べたい。
よって、大問題はどうしてお父さんはぷいといなくなったのだろう。
その他の問題は、小問題として扱う。

ここで、大問題を考えるのは少し休止します。
大問題を解決するために、いろいろな予備知識がほしくなるからです。

まずこの時代背景を学ばなければなりません。
それは「1場面」に語られています。
1場面の学習を行います。
1場面については、「一つの花 戦時中の暮らし」で説明してあります。

次に、「一つだけちょうだい」にため息をついて決まって高い高いをしていたお父さんのことを学んでおかなければなりません。最初のことが分からなければ、変化した様子が分かりません。
ひとつだけちょうだい
お父さんは、「ひとつだけ」をどうとらえているのか。
それを端的に表す言葉が「めちゃくちゃ」という言葉です。
ふだんの秩序を無視して何かが行われ(てい)る形容。むちゃくちゃ。
程度を越えた高い高いをするのですから、平常心ではないのでしょう。

そしていよいよ、大問題に迫ります。
大問題が決まったのに、数日待たされ、子どもたちはこの問題を解きたくてわくわくしています。きっと、家での本読みの時にも、大問題の答えは何だろうと考えながら読んでいたことでしょう。

大問題を解決する「言葉」(展開の核)をさがす。

どうしてお父さんはぷいといなくなったのかという(原因)を考えます。「ぷいといなくなる」という行為の原因は、その前にあるはずだ。原因があるから、言動という結果に結びつきます。
そこで展開の核は、その少し前にあるはずです。
お母さんは、/そう言って/ゆみ子を/あやしましたが、/ゆみ子は、/とうとう/泣き出してしまいました。
「一つだけ。一つだけ」と/言って。
お母さんが、/ゆみ子を/一生懸命/あやしている/うちに
この3文の中にあるでしょう。
私としては、とう‐とうを選ばせたいです。
いろいろな過程を経て、ある結果に達するさま。ついに。結局。最終的に。「─夢が実現した」「─誰も来なかった」
しかし、子どもたちは、「一生懸命」とか、「あやす」に目をつけるかもしれません。それでもよい。どちらにしても、「とうとう」に行き着くことになります。
一つの花」「一つの花2」「一つの花 お母さんを助けたい」「一つの花

主題を考える
ゆみ子も、お父さんも笑い、今生の別れの瞬間がやってきます。
しかし、ここでもお父さんの行動は変です。
「何も言わずに」
「一つの花を見つめながら―」
なぜ何も言わなかったのでしょうか。
どうして、お母さんやゆみ子でなく花を見たのでしょう。

なぜコスモスなのか。なぜゴミ捨て場 忘れ去られたように咲いているのかと合わせて、このあたりは、実は作者が意図してそう描いているのだと思います。
なぜ、どういう意図を込めているのか。そんな自由な話し合いを行って良い部分かと思います。
主題

第34回 2013年7月17日 9:00 12:00 天竜壬生ホール 第2会議室
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1 コメント

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さっそくありがとう (Mrヒデ)
2013-06-16 22:02:11
 浜松の会で話し合われたことやtototrさんの考えをさっそく文章として掲載してもらいありがとう。先生のブログが多くの先生たちの授業の拠り所になっているようです。いいですね。
 ところでMSさん元気だろうか、ちょっと心配です。少しケセラセラになるといいかな。
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