トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の蓮荷

2022-05-17 | 温故痴新
             浪の色はうつりにけりなあれよあれ
                         皆の身悲嘆ながめせし間に
              花の色はうつりにけりないたづらに
                         わが身世にふるながめせし間に   小野小町


             すべもせず潮に投げ出す観光船
                         ずさんおごりのあなあな悔し
              その子二十櫛にながるる黒髪の
                         おごりの春のうつくしきかな   与謝野晶子

まあ、フイの法則・・・

2022-05-17 | 小人閑居して憮然
 15日(日)は棚田部へ初めてのイベント田植えだった。今までは代表が収穫したい注連縄用の稲を小生は「環境植物」として植えていたのだ。里山の水域・田圃と水稲、この関係性は絶つ事のできない必要条件の一つでもある。それで水域の除草もし泥土の慣らしも行い準備万端。
 水位を下げるのは当日朝にして、これは水生生物へのダメージを最小限にしたいがためだったのだが水位を下げる時間も必要だからいつもより小一時間ほど早めに出発したのだった。

 しかしながら難多留痴唖ー惨多留痴唖で始まってしまった。途中道路が倒木で通過できない。代表と二人で参加者の車両だけでも通そうとチェーンソーを拠点から運ぶ事にしたのだが徒歩での往復になる。その時に浮かんだのが「いったん戻ってY堤防道路を通れば迂回できる」のだった。このコースは数年前にY川沿えのトンボ観察でS先生とSさんに案内されたルートだった。数年の時を経て体験が活きたので「時をかけるお爺」とドラマの一本も放映出来そうだった。

 まだ8時前にもかかわらず車両の通行が多くあったとみえ前夜までの降雨でたっぷり水を含んだ堤防道路は深い轍が出来て走り難い。轍を避ければ転落必至だし、ここは一速のギアでゆっくりと通過するしかなかった。てんやわんや/須田紋太した成果でフイールド駐車場に無事到着。拠点小屋からチェーンソーとオイルを用意し、一旦刃を研ぎなおしてから現場へ歩いた。現場到着ほどなくして業者のチームが到着し、ここからは現場の責任者に従わざるを得ない。

 小生の作業場所は法面の上の大木の幹が倒れた部分の刈り払いとして脇枝を落し視界を妨げているネザサも刈り払い、お邪魔虫ながら道路上の倒木を切断できるまで参加したのだった。本心は太い幹の切断をしたかったのだけれど「イベント田植え」が控えている。開始は10時半と遅らせて始める事になっていたが、この時間に処理は済まなかったものの道路に被る倒木部は無くなっていたから参加車両だけ無理を通してもらったとの事だった。
 業者側の態勢は高所作業車・クレーン車・ダンプ2台と人員10人ほどで正午には弛んだ電線も修復なって通行可能となったのである。
 まあ、言うまでも無く業者より非力でお邪魔虫には違いなかったけれど小生のお邪魔虫も少しは処理時間を早めただろう事はチェーンソー燃料を一回分使い切った事で見える作業量が語ってくれる。

 今回、話を合わせて二人で処理を始めようとした相方の代表は小生に遅れて迂回路に入り、そのままコースを間違え山道の行き止まりでスタック。結局はJAFを呼ぶ顛末になった。ホントてんやわんや須田紋太君の一日が始まったのだ。「マーフイの法則」に縛られたがまあ、フイにならずに済み、執着しごきに出会ったわい。いいえ祝着至極であったわい。

**今日の蓮荷

2022-05-16 | 温故痴新
             オホーツク乗り出でて見れば真白にぞ
                         海の高波雪の山並み
              田児の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ
                         不尽の高嶺に雪は降りける   山辺赤人


             東の海に白波の起つ見えて
                         帰り急げど船傾ぶきぬ
              東の野に炎の立つ見えて
                         かへり見すれば月傾きぬ   柿本人麻呂

プーチン化の防止

2022-05-16 | 小人閑居して憮然
 通常、フイールド環境を悪化させる要素は「猪・漏孔・NPO」と棚田部に表示してある通りなのだが時には思いもかけない手口で環境改変、乗っ取りを企む輩が出る。
 前の日、水見回りで棚田部を通った折りに温水田にヒシの発芽が多数出ているのを発見した。昨季もその前もヒシの繁殖を許してはおらず明らかに前年の種子を散布されたのだ。

 小生の子ども時代、田んぼの一画にあった沼にはヒシや葦が繁茂しオオヨシキリの繁殖場所でもあり大ゴイやウナギの捕獲場所でもあったのだ。ヒシの実は稲刈りの頃に竹竿の先に鎌を結びつけて掻き寄せ熟した実はそのまま食してもいたのだがフイールドのヒシの役割は異なり「チョウトンボの誘因環境」を整える役者なのである。
 しかしながらこの役割など意に介しない山荒師諸氏は熟す頃に水面に浮いているロゼット状の株を引き上げて実だけ持ち去ってしまう事がここ何年かの通例になった。ヒシは一年草で熟した実は株から外れて沈み翌年の発芽種子となる。増水や流水によって下流域に繁殖するし繁殖を許すと池全面を覆ってしまい水面は見えなくなるし水中には日照が届かなくなり、これだけでも環境悪化の要因にもなってくる。

 ゆえに水系の一番下段の泥水池4にのみ繁殖を許していないにも関わらず上流域に種子を散布される。全く維持管理も行わない輩が何食わぬ顔で行う行為は棚田部の前段部では田植えの時に危険を与える行為に他ならない。水域として観ても除草時に泥中に手を入れなければならないのは必須なので、ここに棘の鋭いヒシの実があると刺し傷から「破傷風」をも起こしかねないのである。
 隣国を「領地奪還」と位置づけ暴力の限りを尽くす阿保馬鹿のミニ版でもある。CMにもあったように「元を断たなきゃ駄目!」なのであって何食わぬ顔して出入りする輩の目星は付かないから「チョウトンボの飛来は1回だけだった」という実績を鑑みフイールドからヒシを一掃する事にしたのだ。

 胴長をはいて池に入りロゼットを軽く引き右手で水中根を辿り泥中のヒシの実まで到達したらそのまま掬い取って草地に投げる。これを中腰で繰り返す事2時間、ようやく2水面のヒシを撤去できた。見かけは撤去できたように見えるものの遅れて発芽する種子もあり、翌年以降に発芽する種子もあるからしばらくはイタチごっこだ。
 胴長を装着していたついでに上の池の中央部に投げ込まれ越冬出来たオオカナダモも見える範囲で抜去した。このオオカナダモは数年前から投入が続いており最初は林道の至近から始まり撤去したら反対側の立ち入らない側に投げ込まれ、そこを抜去したら池内に立ち入らねば抜去出来ない中央部に散布された。
 どの国でもどの地域でも「プーチン化」を虎視眈々と果たそうとする輩はいるものだ。ヒシは悪者ではないのだが繁殖場所によっては他害を生じる植生になる。故に遡上不可能な最下段にのみその生育を許していたのだけれど、結果的に全域の環境悪化をもたらす行為を防ぐためにはヒシ様はご退場の憂き目となった。

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今日のトンボ「ミヤマカワトンボ出た!」

2022-05-16 | 小父のお隣さん
 16日8時過ぎ、道路の倒木処理にチェーンソーとオイルと手入用具を携え向かう途中の農地にミヤマカワトンボの姿を発見。腰に装着したカメラを取り出すまでも無く飛び去られてしまったので撮影できず。フイールド内では無いがフイールドで見かけるミヤマカワトンボもこのトンボに同じく至近のY川で発生した飛来種だから初見として記録した。

 道路上の倒木下枝を処理するために樹下に潜ったのだが路面にクロスジギンヤンマの♀がひっくり返っているではないか。この死亡事案を推察すると大木が倒れたのは深夜との事だったから休んでいたところを巻き込まれたに違いない。お陰様で、とは言い難いけれど実物を手にする事が出来たのだ。普段、見慣れているオスより随分小さく見えた。ミヤマカワトンボの画像の代わりにクロギンを載せ「クロギンも無駄話の賑わい」とする。

        
         

**今日の蓮荷

2022-05-15 | 温故痴新
             心なき身にもあはれは知られけり
                         知床起つ浪船もろともの
              心なき身にもあはれは知られけり
                         鴫立つ沢の秋の夕暮れ   西行


             間もおかず浪の荒ぶる春の日に
                         危とも思わず船を出す闇
              ひさかたの光のどけき春の日に
                         しづ心なく花の散るらむ   紀友則

今日のトンボ「クロスジギンヤンマの産卵」

2022-05-15 | 小父のお隣さん
 クロスジギンヤンマの産卵は既に投稿済だけれどようやく会心のと言えないまでもそこそこの1枚を撮影できた。この頃、小生は人間と思われていないらしくトンボは足元に来て自然に産卵行動を行うしカルガモに至っては池の畔を巡っても顧みもせず採餌に夢中の手太楽だ。姥捨て山ではこうして草葉の陰に露と消えてゆく運命なのであろう。
 生きとし生きるものはすべてが来世へ輪廻転生アウフヘーベンするのである。小生は「千のトンボになって…」この場合はウスバキトンボなのであろうが若き日のみぎり、岩手山のお釜の中の黒雲はトンボの大群だった。恐山でなくて岩手山であることが何ともてなもんや三度笠。

 下山途中の麓道で道路わきにジープ数台を止めた自衛隊員が木の上や下でまっ昼中の大戦闘中で大騒ぎしていた。近くに行って理由が判明したのだが「カブトムシの大群」に戦闘行動していたのである。詰めれる容器にたんと詰めて去って行った後は小生の火事場泥棒の出番で、とにもかくにも虫の容器など無いのでコッフェルや袋物を総動員し捕獲、仙台駅近くのデパートで虫篭に入れ替えたのだった。
 そのあと岩木山とねぷた祭りを見るために弘前に向かったのだが、列車の中や弘前駅前で大奮発し手元から消えた。ところで件の自衛隊員、勤務時間内でのサボリ行為については深く反省したのだろうか。今となっては持効であるが…。

        

**今日の一歌

2022-05-14 | 感じるままの回り道
              母なれば微灯も守る覚悟なり
                          他人に言いつつ胸に聞かせつ

今日のトンボ「赤い縁紋」

2022-05-14 | 小父のお隣さん
 どういう感性なのか自分でも分からないけれど「赤い縁紋」は魅了される。鶴田浩二兄いは「人は自分に無い物にあこがれるのだ」と言っていた記憶がおぼろおぼろあるけれど小生に無い物は「赤い縁紋」は勿論ではあるけれど人間には備わってはいないから類似を探すと「赤い糸縁」しかない。これなら小生に「備わっていなかった!」と自信を持って言えるのが哀しい・・・。
 しかしなんだなあ、赤い縁紋の魅力は「博多人形の紅の唇」を連想してしまう小生は助平なのであろうか。まあ、秘するが花なのだが「言わぬが花」なんてつぶやきも聞こえる地獄耳。そこで疑問、耳が遠くなっても囁きは明確に聞こえるのは何故だろう。考えて眠れなくなって午前三時がこの時間・・・。

       

*今日の一苦

2022-05-14 | 温故痴新
            でたらめに命放らるもろに海

             朝顔に釣瓶とられてもらい水   千代尼

懲りずに丸胴巣箱を・・・2

2022-05-14 | 何よりの楽しみ
 林道わきの集積場所で丸太を中空にしたのがしばらく前の事。ニホンミツバチの分蜂が始まる前に設置しなければと思っていたのに思わぬ作業が飛び込んで、まあ、義理も義務も無いけれど他人任せではフイールドが好きなように荒らされるのは「勘弁してくれ!」であるから手を出さざるを得ないし片足を突っ込まざるを得なかったのだ。考えようによっては手を伸ばした所も片足突っ込んだところも棺桶ではなくフイールドだったのがご愛嬌でお慰み。

 水域のキシュウスズメノヒエ抜去も形だけだか済んで漏水孔も顕在化した場所は潰したし田植えの準備は一休みして丸胴巣箱の続きを開始した。拠点に運び上げ架台に載せて更に内側の成形を進める。集積場所でくり抜いていた時にチェーンソーの先端で突き破った箇所を出入り口にしようかとも思ったけれど底面に出入りの隙間がある方が清掃し易いだろうと考えて埋め戻した。
 上部になる側に細木を二本渡し巣材が落下しないよう補強材とする。底板と屋根になる材及び固定するタンパックルが無いので調達しなくてはならず、この日の作業はここまでだった。

     架台で内径を広げる   ➡    巣房固定材の取り付け

*今日の一苦

2022-05-13 | 温故痴新
            水底を見て来たロボット無人潜

             水底を見て来た貌の小鴨哉   丈草

今日のトンボ「クロイトトンボの産卵」

2022-05-13 | 小父のお隣さん
 クロイトトンボも生息数を増やしてきた種である。昨季あたりから尾根突端部にある三日月池内での生息も確認出来るようになって写真は三日月池での交尾産卵を写したのだ。隣り沢からの送水管から出た水は上の池から順次流下して水系を形造っているのだが三日月池は雨水だけに頼っている池で袖群落が茂った斜面の上にあるからクロイトトンボの飛翔能力ではそうは容易く移動できないと思っていたけれど繁殖場所を増やしてきた。

 考えてみれば活動を始めた頃には水系なんてものは存在せず送水も止まったままの管路を復旧させつつ池を掘り広げてきたのだった。故に現在繁殖しているトンボのほとんどはそれ以降に飛来し定着した種であると言って良いだろう。ただ今後の環境維持の手間暇を考えると現在が確認できる種のピークであろうとも考えられるから記録として残しておく必要性を感じる。
 それはトンボだけでなく水系を頼りに繁殖した両生類や食物連鎖で維持できている爬虫類や鳥類などにも及ぶ結果だ。維持管理の手数が今以上に減少すればそれはすなわち「環境の統合失調症」に陥る事必死である。まあ、風景は存在していても後は野となれ山となれ「終末の日の景観」が目に浮かぶ。

        

キシュウスズメノヒエ抜去抜去

2022-05-13 | 水辺環境の保全
 晩秋にも除草は実施したものの、なにせ「水田雑草の悪玉」の一つに数えられる植物だから侵入してしまうと根絶は難しい。水域内を全草抜去したつもりでも短い根茎やランナーが残っていれば容易に勢力を復活する。この勢力を効能に使えば男性型倦怠期ではないあれ、何と言ったか単語が出てこないのだが精力回復に一薬かってくれるだろうか・・・違うな。それから三日ほど経過して思いだした「更年期」

 さて棚田部で抜去に有効だった貝掘り熊手の柄を長くした道具を家に忘れてきたから4本グワでユサユサ揺すりつつ抜去していたのだが刃の間隔が広いから取りこぼしが出てしまう。結局は大株だけ鍬で抜きそのまま陸の埋め立て部へ運ぶ。これを繰り返し残った部分は四つ這いで手取りとなった。まあ、何時もの手太楽であったわい。

 水域にのさばり始めていたキシュウスズメノヒエなのだが抜去してしまうと水面の環境が貧しくなった。そこで繁茂して邪魔になっている部分のミソハギをスコップで抜き取り中央部に移動させた。倒れたままではあるが、おっつけ根を張れば立ち上がってくれるだろうし産卵や羽化台にもなるはずである。
 この植生だけだとクロイトトンボには迷惑な環境だけれど連なった水域を同時に抜去するようなことは行わないから適宜移動しつつ適応してくれるだろうと我が身に好意的解釈で済ませた。

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*今日の一苦

2022-05-12 | 温故痴新
            通報さえ出来ぬ船なり蝦夷の春

             鏡一つうれぬ日はなし江戸の春   其角