トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の蓮荷

2022-05-23 | 温故痴新
             知床の氷は解けてなお寒し
                         初運航の船影も消ゆ
              みづうみの氷は解けてなお寒し
                         三日月の影波にうつろふ   島木赤彦


             岩走る垂水の下の磯浪の
                         荒れたる中に迷い入るかも
              石ばしる垂水の上のさわらびの
                         萌え出づる春になりにけるかも   志賀皇子

今日のトンボ「プラ舟に乗った気持ち・・・」

2022-05-23 | 小父のお隣さん
 昨日の夜からホトトギスの鳴き声が聞こえる。フイールドではまだ聞いていないがおっつけ聞けるだろう。さて昨年に設置した1800×900×200のプラ舟2基、水見回りのついでに立ち寄って羽化殻があるかどうかを確認していたのだが種は不明なものの大型トンボの抜け殻が3個あったのだ。クロスジギンヤンマの可能性が高いけれど、もともとタカネトンボの産卵場所を想定してエノキ林内に設置していたし昨季にタカネトンボの立ち寄りも視認している。
 クロイトトンボやシオカラトンボなども飛翔していたが今期の羽化殻は見つけていない。まあ、イトトンボ類の羽化殻は見つけるのさえ稀なのだ。

      

 今回の抜け殻、種の確認にはS先生に頼るしかないけれど小生的にはマルタンヤンマであれば嬉しい限りだ。舟は2基設置してあるが今回の羽化殻は片方だけで、同じ時期に設置したのに水中の環境は異なるのが不思議だ。
 今期初めにSさんから小型の容器を頂いたからこれはユスリカの発生器として舟の横に並べた。水中の養分補給にクズの葉を乾燥させ投入し栄養源とする。このやり方はS先生の直伝でもあり葛葉は栄養価が高く繁殖用エナジードリンクにするには最適な素材なのだそうな。後日の羽化殻判定でクロスジギンヤンマとされた。眼球と頭部前面の形状が判断の目安なのだが新しい短期記憶は難しい。

 先日、設置後しばらくして雨水が溜まった頃にS先生等と覗いたのだが、その折にコオロギの仲間で近辺では記録されていなかった種を発見したのだった。既に水死していた個体だったけれど「標本用に」と持ち帰っていただいた。「瓢箪から駒」ではなく「水中からコオロギ」で驚き桃の木山椒の木・・・。

モリアオガエル産卵

2022-05-22 | 小父のお隣さん
 一週間ほど前、泥水池4のヒシ抜去中に周囲の立ち木で盛んに鳴いていたモリアオガエルなので「そろそろ産卵するか⁉」と期待していてようやく卵塊を見る事が出来た。今のところは泥水池だけでトンボ池も上の池も三日月池も卵塊は無い。
 昨日だったか地元紙に「産卵されました」と写真入りで報じられていたので、おっつけこっちも産卵するだろうと思っていたけれど意外に早かったというのが感想である。今までは概ね新聞報道があって一週間ほどは遅れて産卵していたから意外と言えば意外だったのだ。
 撮影するに位置が悪くてクルミの葉が邪魔をする。まあ、写っているし卵塊と判断できるから「良し」なのである。

        

**今日の蓮荷

2022-05-22 | 温故痴新
             知床の小舎の床の白骸布
                        みな声も無く花を手向けん
              東海の小島の磯の白砂に
                        われ泣きぬれて蟹とたはむる   石川啄木


             鎮魂は千代に八千代にさざれ石の
                        いわほとなりて苔のむすまで
              わが君は千代に八千代にさざれ石の
                        いわほとなりて苔のむすまで   詠み人知らず

今日のトンボ「やっぱり迷宮・・・」

2022-05-22 | 小父のお隣さん
 水見回り、棚田部で盛んにシオカラトンボ等がアタックを繰り返している。シオカラトンボのオスは怖いもの知らずというべきかクロスジギンヤンマにもアタック攻勢する。まだ時期が早いけれどオニヤンマにもアタックして逃げはしない。撮影する時に一番迷惑なのがシオカラトンボのオスなのだ。
 大型トンボの産卵シーンを撮影しようと狙っていてもぶち壊しに来るのがシオカラなのである。

 それはともかく、アタックしていた中に腹部先端まで一色の個体がいるではないか。「久しぶりに見るシオヤトンボのオス!」とばかり接近したのだがシオカラトンボとの合戦に明け暮れて落ち着いてくれない。それでもアタックが済めば元の位置に戻るのは習性みたいなもので何度かの機会を逃しつつ待つ事数分、ようやく足元での1枚を撮影したのだった。

 しかしながら自宅のPCで拡大し図鑑対照してみたら「???」になってしまった。ハラビロトンボにも似ているしシオヤトンボの様でもある。アサヒナカワトンボを例に出せば個体差は10通りくらい撮影できるはずで、これが素人の判別を迷宮に誘うのだ。

   

**今日の蓮荷

2022-05-21 | 温故痴新
             二人行けど行き過ぎがたき黄泉路行き
                         いかにか君が独り越ゆらむ
              二人行けど行き過ぎがたき秋山を
                         いかにか君がひとり越ゆらむ   大伯皇女


             旅人の宿る磯沖浪立てば
                         ひしと守れよ胸に海神
              旅人の宿りせむ野に霜降らば
                         わが子羽ぐくめ天の鶴群   遣唐使母

懲りずに丸胴巣箱を…3

2022-05-21 | 何よりの楽しみ
 5月ともなれば分蜂期に入ってくる。巣箱の設置を急ぎたいのだがフイールドが夜間演劇の会場となった事で大幅に予定が狂ってしまったしチェーンソーの修理費は莫大だし腰痛は再発するわで「良かった」のは観客と主催者だけだろう。愚痴を言っても丸胴巣箱は完成しないから、この日も粛々と作業を行う。

 前回、チェーンソーで穴を広げ底板と屋根板を古材の継ぎはぎで用意したのだが、かの演劇開催時に使った敷板ベニアを払下げしてくれたのでこれを使用することにして改めて材取りとなったのだ。
 ついでに丸胴のくり抜き部表面をサンダーで少し削り取った。滑らかにするというのではなくチェーンソー作業で付着したオイルの痕跡を少しでも減少させたいためなのだ。天井になる部分は竹で巣房の落下防止のクロスを入れる。

 手引書には「空洞内に蜜蝋や蜂蜜、黒糖焼酎などを塗付すると良い」とあるのだが生憎蜜蝋も蜂蜜も手元には無く「発酵材」なら無難だろうと酒粕・豆乳ヨーグルト・イースト菌・キビ糖・酢・水の混合体を作り二晩寝かせてから内部に塗布した。効果のほどは未知数で爺我自賛の賜物でしかないのは承知の上での二度童のお遊びでもある。
 床板と屋根板、断熱マット、トタン板と部材は揃ったから後は設置するだけである。廃用になったバイオトイレの構造体の上に設置する予定なので梯子を掛けて引き揚げねばならず、少々腰が不安でもある。

 サンダーで内面研削     誘引処理液塗付     巣房保持棒取り付け

クロかカラスか、どっちも黒い・・・

2022-05-20 | 小父のお隣さん
 トンボ池横のノアザミにアゲハが吸蜜している。こんなことは珍しくもないけれど近寄っても逃げ出さず吸蜜を続けているから撮影した。「アゲハ」までは分かっても「クロアゲハ」なのか「カラスアゲハ」なのかの区別がつかない。小生にとって区別がつくかつかないかは大したことではなく「われと来て遊べや親の無いアゲハ」でよろしいのだ。

 何枚か撮影したカットを比べていたら翅裏の模様が赤でなくメタロックブルーに見える1枚があった。表翅の金属光沢は承知していたが裏側までも金属光沢を呈するとは知らなかった。視認している時点では気付かなかった一瞬の位置関係の賜物なのだろう。

  赤

**今日の蓮荷

2022-05-20 | 温故痴新
             管理者さん興味なさそな空の雲
                         海の浪すら放りただよふ
              白鳥はかなしからずや空の青海の青にも染まずただよふ   若山牧水


             無念ゆえ思い溢る知り人の
                         言問う姿面影秘そめ
              夕さればもの思い溢る見し人の言問う姿面影にして   笠女郎

泥水池5の漏水孔潰し

2022-05-20 | 水辺環境の保全
 水域の最終段が泥水池5なのだが、この池の役割は放流路との段差を小さくするクッションの役目があるから湛水されなくても良いのだが、それは流域を流下するに従い水量を減じていくという自然の摂理に委ねた位置づけなのであって、だから「漏水は許される」訳では無い。勝手気ままな漏水孔を温存していくと遂には地下に大きな空洞を作り上げ崩落、そこまで至らなくても漏水孔ネットワークを成長させてしまうのだ。

 そう言う訳で漏水孔潰しは「親の敵」とも思いながら鵜の目鷹の目老眼の目で水見回りを行い発見・補修を繰り返す水商売なのだ。この泥水池5の漏水部はオーバーフロー部の両脇に顕在化し続けて根治出来ていない。山側は道路法面下だし土手側は多発部なのである。今回も6尺ほどの間隔で2カ所の漏水孔が現れた。泥水池4からオーバーフローしてジョボジョボと流れ出ているのに泥水池5はオーバーフローもしていない。これだけで「漏水孔の存在」が確定する。

 今回は土手の背を掘り開いて漏水路を露わにした。漏水孔自体はテニスボールが入るほどの大きさで護岸木の下で通じている。漏水は池の底で発生するのは稀で、大概は護岸木の下からが多いのだ。昔、葦の地下茎が通っていた後、腐食して水が入るとサワガニやアカハライモリなどが入り込み大きくしまた連結してしまう様で根治は難しい。故に自転車操業となってしまう。

 今回は思い切って大きく掘り下げる決意で始めたのだが初期の護岸木が埋没していて、これに沿って漏水孔が続き下降していた。結局、2m以上もある丸太を排除してから漏孔を掘り下げて深い位置から胴突きで固めて潰したのだ。漏水トンネルを深く長く潰す事が再発までの時間を長くすることに繋がるのは「病巣の切除範囲」に通じるものがあるけれど掘り下げて胴突きで固めるのは楽ではないのだ。
 今回は埋もれ木に沿って漏水部がつづいていたからいつもより規模が大きくなってしまったが丸太を抜いた事で埋め戻す土の量が増え、結果として不足し泥でお茶を濁した、いいえ水を濁したのだ。

 ➡ 

**今日の蓮荷

2022-05-19 | 温故痴新
             見渡せば波頭泡浪こきまぜて
                         知床の海荒事の海
              見渡せば柳桜をこきまぜて
                         都ぞ春の錦なりける   素性


             風吹かし怒涛分かるる白波で
                         またもつれなき君はわたつみ
              風吹けば峰にわかるる白雲の
                         たえてつれなき君が心か   壬生忠岑

いらっしゃいませ、いらしゃいませ!

2022-05-19 | 感じるままの回り道
 突端台地のノアザミ群植部だけでなくところどころに植え込んだノアザミが開花始めて描いていた風景が現れて来る。ノアザミにはアゲハチョウの仲間が集まるのだが小型のチョウ類はどうした事か飛来しない。ストロー状の口の長さが足らず吸蜜出来ないのかどうか知る由もないけれど恐らくそうなのであろうと独りごちたのだ。

 水域にはカワセミの飛来が度々で接近を許さないけれど遠くからでは撮影は許してくれる。「肖像権の侵害」とか「プライバシーの侵入」とかうるさい事は言わないおおらかさがあるが神経質だ。
 飛来の目的は採餌であろうことは証明をするまでも無いけれどクチボソやメダカだけしか魚類はいないので「飛来するコスパ」を考慮すると小生の電卓では赤字の計算だ。それでも飛来し続けているのは帳尻が合うのだろう。先日、テレビでカワセミがヤゴを捕捉した姿をとらえていたのだが「魚以外も食べるのか⁉」と意外だったけれど「食料」としては「生餌」でもあり「毒」でも無いから新鮮に納得したのだ。
 鳥類の撮影は小生のお馬鹿カメラではこれが限界で、まあ、思っていたより良く撮れていた。


Bee hotel 別館竣工!

2022-05-18 | 今日は真面目に
 フイールドのBee hotel は既に設置済みで梅雨明けの入居待ちという佇まいなのだが地元有名企業の構内ビオトープに設置する別館がようやく落成した。これで市街地と山間部での利用の差異が見られるかどうかを確認できる。
 フイールドでの名称は蜂満神社、蜂満大社。蜂満総社、Hotel bee vvitton と名前を付けたものの企業内への設置物に勝手に宗教色を入れられないから「☆☆☆ Hotel Bee search 」と「蜂満荘」とした。一応は「不適格なら名札を外したり塗りつぶしてください」と伝えておいたけれど大丈夫そうだった。日時計も付けたからビオトープ見学に来る幼児や学童にお日様の恵みの一端は伝えられると思っている。

 企業内の場所だし「いつでもご来場ください」とも言ってくれたけれど、既に別館は他人の手に委ねたコロナ禍の営業不振、手塩にかけた建築でものこのこと出向けるはずも無く、作は別れの始めなり…。
 円柱は屋上が日時計だが外周に巣穴を穿ってあるのは「方角による入居率の違い」を確認するためだ。蜂満荘の巣房の方向は概ね東西方向とした。南北方向に向けなかったのは今までの設置経験から北側の使用率が極端に悪くなるからで、日照による温度差が影響していると思え、環境的に似た様になる東西方向に向けたのだ。
 とにもかくにも羨ましい事は企業の敷地内と言う事から学習教材として提供はしていても思わぬ破壊者の侵入や職員が担当する事などから内憂外患みたいな事は生じにくく環境的安定が保たれやすいに尽きる。フイールドにおける内憂外患に比べたら天と地ほどの差だ。

**今日の一歌

2022-05-18 | 感じるままの回り道
            てのひらに乗るを想えば目は滲みる
                     身重に続く育む日々に

        うんあぼきぁべいろしゃのうまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん
        うんあぼきぁべいろしゃのうまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん
        うんあぼきぁべいろしゃのうまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん

池内の繁殖に挑戦する

2022-05-18 | 何よりの楽しみ
 庭の池のタナゴ、先日には越冬先から二枚貝を戻したから貝の潜っているあたりで群れている姿を見る事が普通になった。箱眼鏡で魚群を確認しても産卵管は見えないから産卵した気遣いはないものの繁殖期に特有なオスの婚姻色は現れて来た。今期の繁殖をどうしようかと考えて「今期は池の中での自然繁殖」に挑戦する事にしたのだ。

 少年時代、ガサガサを行なえばタナゴやドジョウ、鮒など普通に捕獲できたし田植えや稲刈りを終え帰宅する前の小川で手足を洗うついでにカラスガイやシジミは持ち帰って夕食の汁に入れたりもしていた。それがパラチオンやホリドールなどの有機水銀系農薬の登場で激減し、そこに除草剤の登場で水域の生物は皆無となった。
 この時期、故郷を想じれば田植えの真っ最中で見渡す限りの水田が続くけれど、そこには生物はおらず植生はツギツギ(スギナ)だけが青々と茂っているだけで、当然トンボも飛ばずツバメも消えている。あの名著「沈黙の春」そのままのライス工場なのである。

 無駄口はほどほどに構想の手順として稚魚が吸い込まれ絶滅収容所と化す「ウオータークリーナー」を外した。二枚貝の採餌のためには水流は必須なのだが三カ所の曝気で水流と溶存酸素を確保する事にした。稚魚が共食いされるリスクを減らすためにシェルターも必要なのだが、これは数年前から池に入れてある中に水草を入れた目の大きい生簀を使う。親魚のサイズでは通り抜け出来ないものの稚魚なら十分通過できる10mm格子だ。
 水草は金魚藻などだとカワニナの食害で消えてしまうしオオカナダモは地域の排水路にあるけれど今回はヒシにしようかホテイソウにしようか迷った末にホテイソウを選択。ヒシなら水底から水中根を伸ばして水面から水底までシェルターを形成してくれるように思ったものの稚魚は表層で生活するように思えてホテイソウを選んだのだ。
 
 この設えで上手くいくかどうかは皆目不明だけれど「タナゴ釣り仕掛け」は購入済みで繁殖がうまくいかなければ数匹調達したい。池の個体の繁殖能力劣化も考えられるからである。