トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

下草刈り

2014-05-16 | 小人閑居して憮然

2_2  拠点下、段々畑跡の下草刈りを行う。今日は二段だけだった。この二段の林床は「フユイチゴ」の群落として維持しているが、テーダ松疎林付近の松の実生苗は保育中だ。3

 台風で3割ほどが倒され数を減じて、もともとは在来種の松ではないけれど「ハルゼミ」の生息地なので「松林復活」も意図していて、実生の幼樹は保全のため支柱を立てた。

 刈りはらった夕刻、自宅に電話があった。フイールド周辺で活動している放課後保育の小学生たちが秘密基地を作ったので承諾を求める電話だった。県有地だから小生が「どうのこう の」言える立場でないけれど、意図をもって手入れをしている以上、当事者には事前に伝えるべき事だと思った次第。長年やっていると、信義則がないがしろにされる事態が結構あるのだ。

 「安全に遊べる場所」と「保全に活動する場所」は必ずしも同居しない。

 


フランケンシュタインみたい

2014-05-16 | 小父のお隣さん

Photo_2  草むらの葉の上に黒い昆虫がいた。「何だ、こりゃ!」と思わずにはおれない形態をしている。

 尻はハサミムシ状で尻のカッコウはサソリ、口はカメムシ、翅はスカシバのように見える。口の形から汁を吸うタイプの昆虫と見当をつけたが初めて見た虫だしどの仲間に属するのかわからない。

 図鑑をめくって偶然にも見つけることが出来た名前が「ヤマトシリアゲ」でウスバカゲロウの仲間に入っていて「シリアゲムシ科」だった。肉食性と記載されていたが、口吻の形から体液を吸うタイプなのだろう。この虫よりオオスズメバチの方が親近感が持てる。サシガメのように刺すのだろうか…。手に取る度胸は無い。


シュレーゲルアオガエルとモリアオガエル

2014-05-15 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

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 沈泥池の拡幅で周囲の岸を掘り取っていたらアオガエルが出てきた。現在、煩いほどの大合唱をしているのはシュレーゲルアオガエル。写真の蛙は左右ともサイズは似ているが同種なのかそうでないのか決め手を欠く。どちらも掘り取り中にあらわれた。

 右は姿の確認が難しい「シュレーゲルアオガエル」で左も同じと思えるが、図鑑によれば識別のポイントは「黒目の周り」、モリアオガエルは「赤っぽい」のだそうだが、右は金色に見え左はやや赤みを帯びている。モリアオガエルと思ってもサイズが同じで、冬を越した成体がシュレーゲルと同等サイズとは思えない。

 このように「若きベルテル」でなくとも迷いは尽きない。それはカエルだけでなくトンボも植物も、はたまた作業の手順や結果にまで及ぶ。


環境改善の移植

2014-05-15 | 水辺環境の保全

Photo_2  泥浚いをし泥を盛り上げた堤の喫水線にカサスゲやセリの移植を行った。

 堤はむき出し裸土のままだし、それでも表土には一夏を経て植生が復活するが、それでは不足なのが泥水池の生物だ。特にトンボは羽化台になる植物が欲しいし、水中の小生物も隠れ場所が必要だ。

 日光が降り注ぐ浅い水深の水辺だけでは落着けない。掘り取り一輪車で運び、適宜植えつけた。それだけでも見た目が随分良くなった。


蛹になった

2014-05-14 | 小父のお隣さん

Photo  ヒオドシチョウの終齢幼虫がぶら下がっているのを見、1日置いて見に行ったら、立て看板の個体が早くも蛹になっていた。

 周辺を探しても、その多くはまだ毛虫の形態のままである。同じ時にぶら下がっていても蛹になるまでに時間差があるような印象があるが、どこで変態のスイッチが入るのだろう。

 すべてが自動で進行するとは思えないバラつき具合だ。「これで良し!」とする個体ごとのきっかけがあるのだろう。


キクラゲ

2014-05-14 | 何よりの楽しみ

Photo  アカメカシワの立ち枯れた幹にキクラゲが発生した。前日の雨で成長したようだ。

 たかだか30㎝程度の間に10枚は出ている。採集しようと思ったが、まだ小ぶりのキノコもあるから、曇天を幸いとして翌日以降の楽しみにする。

 キクラゲも何種類か見るが、何時もご馳走になっている訳でもない。


水路の浚渫

2014-05-13 | 水辺環境の保全

2  水辺の入り口にある水路の浚渫を1年ぶりに行った。ここは降雨時のみ林道の水が流れる。従前は遊歩道に垂れ流されていたのを通路わきに誘導した。

 もう10年になるから、掘り上げた土砂で堤は高くなり水路は天井川なってしまった。水路を掘り下げ、堤を削り通路との高さを平坦にするほどの元気は無いから高くなる一方だろう。

 年に一回だけの浚渫だけど、行わなければ水がのたうち回る場所に後戻りする。神話の「八又のおろち」は暴れる河川の比ゆではないか、と言う意見の記憶があるが、ささやかな水路からでも想起するに足る。もうすぐ雨の季節だ。


それぞれの旅立ち

2014-05-13 | 小父のお隣さん

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 フイールドの立て看板に虫が並んでぶら下がっていた。ヒオドシチョウの幼虫である。エノキに大発生して葉を食べつくしつつヤマガラに食べられつつも蛹になるまでに成長できた個体たちだ。

 知人のS氏から「蛹になるときは食樹からかなり移動する」と聞いていたから周辺を探ってみた。バイオトイレのネットフェンス、トイレの庇、草むらの中、クワやクヌギの枝等々、至る所に姿を確認できた。目星を付けなくとも体色が黒いので探しやすい。

 複数のエノキに生息していたから、どのエノキからの個体か確認しようも無いが、個体から至近のエノキまで長いものは10mは移動している。移動面も平坦面ではなく地上は草薮になっていたから、先の見えない旅をしてきた事になろう。コロニーで生活していた時期は終わり、これからは独り立ちだ。

 蛹になると決めた場所の高さや位置関係・環境など、特に共通点は認められなかった。多様性を持つことでリスクの分散を図っているのだろうか…。まだ枝にいた頃の終齢幼虫、ひと声出すと一斉にピクつく。危険と感じると体を激しく動かす幼虫の話を読んだ事があるが、この事例もその内に入るのだろうか。まあ、どうでもよいか。

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下草刈り始める

2014-05-12 | 今日は真面目に

Photo  拠点東側斜面の植栽地から下草刈りを始めた。

 ススキやカラスノエンドウは膝上にまで成長している。ハルジオンなどは最盛期だが、蜜源や花粉源としての対象は原っぱ部に任せ、植栽地では樹木の健全性を第一に作業をしたい。

 もう若葉が木陰を作るまでに生育しているが、林床のタンポポの大半は綿毛になっている。林内では日照不足で育ちにくい植物ではあるが、若葉の影が出来る前に種子を飛ばしてしまおう、と言う戦略が垣間見れて面白かった。


キンランは盛期を過ぎたが

2014-05-12 | 小人閑居して憮然

Photo  キンランの開花する頃と思いながら足を延ばせなかった。花期が終わる前に確認せねばと言ってみた。4月の中ごろから開花が始まって、既にくたびれた花もあったが新鮮な花を付けた株もあり、やっぱり美しい。

 開花期がタケノコ掘りの時期と重なり、その上、竹林へのトレイル脇に散開しているので数を減らしている。駐車場を整え、入り口付近を整備したことがタケノコ目当ての入山者を呼び、結果的に荒らされる。

 先日も、タケノコ掘り帰りのおばさん二人組、「この近くにある山野草があると言う場所知ってますか?」と声をかけられた。フキかショウジョウバカマかキンランか、はたまた山ウドか二人静かは知らないけれど「山荒氏」の仲間と読んで、意地悪と思ったけれど「周りは全て山野草ですよ」と言ってしまった。

 恥ずかしながら保全活動する仲間内からも、キンランの花穂を摘んで「根は残したから…」と言われたケースもあった。希少種に限らず生き残る道は根だけでは成立しないのだが、こんな感覚は一般的なのだろうと思った次第…。


棚田の田植え

2014-05-11 | 今日は真面目に

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 例年より2週間ほど早く棚田の田植えとなった。今回は2グループ、大人10人、子どもは乳児を含め12人の参加。会員は7名で対応する。

 昨年は経験児もいたのだが、今回の子ども達は初体験ばかり。それでも周囲の船頭に乗せられて2枚の棚田の田植えを済ませた。残り2枚は会友で済ます。田植えを1枚終える頃には飽きてしまって、最後はお決まりの「泥遊び」。植え付けしない上部の棚田で遊ばせたが、アカハライモリやアオガエルに夢中だった。

 田圃に落ち込んだ丸太を引き上げたら泥の表面に蛭がたくさんいた。生息しているのは承知だが、10数匹も丸太の下にいるとは…。もちろん蛭がいたとは言っていない。今まで吸血された事態は無いのだ。


**投機は金なり

2014-05-11 | 大震災

 溶融炉一年先も読めぬのに十万年のゴミ管理だえ

 炉は破れ父祖の地追われ里は春人声無くてウリ坊群れる

 安全も復興除染も飾り物血税いずこ人財枯渇

 フクシマの復興よりも復古かな住血吸虫新年永田


トンボ池の泥浚い・土手のかさ上げ

2014-05-10 | 水辺環境の保全

Photo_4  泥浚い、そして堤のかさ上げで最後になったトンボ池の作業を終えた。底土の環境を攪乱したくはないのだが、堤の高さを維持するための材料として「底土」は欠かせない。

 今季は長柄のジョレンを使用したので作業が早く楽だった。昨年までの様に、水中に入りスコップで掘り取り運ぶ作業の繰り返しでは、かさ上げの必要があった長さを処理するには腰痛必死だったに違いない。

 それよりも途中で「ギブアップ」の可能性が大きかっただろう。これで「越流・崩壊・放棄」の悪いイメージを断ち切れる。行って初めて判る「水辺の保全は手がかかる」。

 


サンコウチョウ初鳴き

2014-05-09 | 小父のお隣さん

Photo  サンコウチョウが鳴いた。さえずり初めの頃は下手だけでなく全てのフレーズを耳にすることが無い。

 今回も最後の一節「ホイホイホイ」だけだった。例年、棚田の田植えの頃は「田植え囃子」と思えるほど周囲の森で鳴くようになるが、今年の田植えは明日10日、例年より3週間ほど早いから「お囃子」調は無理だろう。

 ホトトギスも来たしキビタキはうるさいほどにさえずっている。もう初夏の思いだ。


水路の浚渫

2014-05-09 | 水辺環境の保全

Photo_6  上の池からの水路の泥浚いと堤の補強を行った。この範囲は小生等のグループの活動範囲ではないのだが、水域全体の保全を考えて、担当グループの承諾をとって手を入れている。

  それまでは水路が浅く、少しの増水でも氾濫していた部分だ。一昨年、刈り払い水路をあらわにした後はオニヤンマやカワトンボが産卵する場所にもなっている。

 ヤゴが生息している川筋だから、昨年は長さの半分、今回は残りの半分を浚渫した。掘り上げる川底の土も川幅の半分だけにして、生存する小生物への影響を少なくしたつもり…。