とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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「阪急電車」

2008年02月20日 20時36分40秒 | 書評
大阪と神戸の間は鉄道が3路線も走っていてとっても便利だ。
海岸側から順に阪神電車、JR神戸線、阪急神戸線が走っている。
この3路線、乗る人の社会的層がまったく異なるという特長があることは多くの関西人の知るところである。

阪神電車は労働者。
JR神戸線は一般人。
阪急神戸線はハイソサエティ。
と言う具合に。

だからといって関西人は首都圏の人たちのように埼玉県を「ださいたま」なんて呼び方をするようなことはない。
つまり阪神電車が海辺の工業地帯近くを走っていて労働者や甲子園球場に向かうタイガースファンが多く利用していることを見下げた心で言っているなんてことは全くない。
親しみを込めて「労働者の路線」と呼んでいるのだ。

尤も、阪急電車のハイソサエティもある意味事実で、この路線の沿線には有名なお嬢様私学高が点在していたり、関西でも屈指の高級住宅街芦屋の、それも一番高級な地域を走っているのがこの路線でもある。
ターミナルになっている梅田の百貨店にしても阪神百貨店は「イカ焼き」と「タイガースコーナー」で有名だが、要はそれだけとも言えなくはなく、一方阪急百貨店は店の本質はどうであれ、関西では東の三越に匹敵する高ブランドでもある。(関西での三越ブランドは阪神百貨店はおろか京阪百貨店以下であることを関東の人に教えると大抵ビックリする。つまり丸井と似たり寄ったり。)

この阪神間を走る阪急電車に西宮北口という乗換駅があり、ここから北に向かって宝塚まで走っている阪急今津線もまた、ある意味上品な住宅街の中を通っている。
沿線には関西学院大学や仁川学園などの大学高校、宝塚市役所、図書館などの官庁関係。
そしてなによりも六甲山の東側の丘に広がる閑静な住宅街があり、終点の宝塚は歌劇ファンの聖地もある。

この阪急今津線が舞台の小説「阪急電車」はグランドホテル形式の傑作ドラマだった。
今津線に乗り合わせる様々な人たちの人生模様が軽快なタッチで、しかしピリッとスパイスの利いた奥深さで描かれており、読み始めたらグイグイ引き込まれてしまい最後まで一気に読み終わってしままった。
ここ最近まれに見ぬ面白い小説であったわけだ。

本の帯に記されているように宝塚から西宮北口までの15分間にこれだけの物語があると思うとなんとなく楽しくなってくる。
著者の観察眼も素晴らしいがそのアイデアにも脱帽だ。
それぞれの小さな物語の続きを読みたいという読者の気持ちにも心憎いような応え方をしていて、満足感があると同時に読後の爽やかさに、さらに先を読みたくなる欲求に駆られてしまう魅力がある。

タイトルに魅かれて買ってしまったが、買って損などまったくなく、むしろ出会えて良かった小説だった。

なお、本書は東京出張の移動中に読んでいたため実際に乗っているのが京急や都営地下鉄であるにも関わらず心の中は「阪急電車今津線」という不可思議にな感覚も経験できて一層面白かった。

~「阪急電車」有川浩著 光文社刊~

大発見のコーナーを発見!

2008年02月19日 22時16分37秒 | 音楽・演劇・演芸
中学生の頃、私はあるラジオ番組への投稿魔だった。
その番組とは「欽ちゃんのドンといってみよう!」。
超人気番組だったのでご記憶の方もいらっしゃるだろう。
テレビとラジオでやっていてテレビの方のタイトルは「ドンとやってみよう!」で初回のゲストは山口百恵だった。

その初回のコント「母と子の会話」で、

百恵ちゃん「母ちゃん、どうしてトウモロコシには毛が生えてるの?」
欽ちゃん 「トウモロコシはきっと大人なんだろう」

という他愛のない誰かが作ったコントにハマり、よし自分も作ってみようとテレビじゃなくてラジオの方に投稿を始めた。

当時私は中学一年生。
そんなに面白いコントが作れるわけはないが、中学を卒業するまで投稿し続けた結果、「欽ドン賞」を3回と佳作に当たる「ジャンプ賞」や「明星賞」「non-no賞」なんかを沢山いただいた。

私の快挙に刺激されてか同じクラスのN君が「ほんならオレ、ヤンタンに投稿しよ」とばかりに投稿を始め一枚読まれたところで面倒くさくなったのか投稿を止めた。

このように、現在40代のオッサン連中はガキの頃、ラジオ番組に投稿することをライフワークとしていた者が少なくない。

今日、仕事中に自動車に乗っているとMBSラジオ「こんちわコンちゃん」にあのねのねの原田伸郎が出演しており、やにわに、
「大発見のコーナー!」ドンドンドンドン!
とやり始めたのでビビビっと来てしまった。

この大発見のコーナーは原田伸郎の土曜日の番組でやっていた「駄洒落」のコーナーでリスナーが送ってきた人名に引っかけたくだらない駄洒落で笑うというコーナーなのだ。
別番組に移って健在だったとは大発見であった。

で、作品の出来栄えで「大発見」「中発見」「小発見」と認定され、大発見のなかから最優秀賞が選ばれる、というわけだ。
これ毎週やっているらしい。

で、私がこの番組を聴いて一番驚いたのは投稿してくるのが40代のオッサン、オバハンであるということだった。

「ホテルのロビーでエッチをしようと言い寄ってくる元スポーツ選手」
というタイトルで登場した駄洒落、
「今晩、どう?エッチせえへん?.......ばんどう、えっちせん?........ばんどう、えっち.......板東英二.....バンザ~イ!万歳!」
ドンドンドンドン(鐘や太鼓を鳴らす)
「大発見!」

などと言うショーもないネタ(不覚にも笑ってしまいましたが)を投稿していたのも確か46歳の男性だった。

40代。
投稿少年はまだまだ現役だということか。
ヨシ!
もういちど投稿してみっか、腕がうずくで!



なんで遅れるの?

2008年02月18日 22時14分48秒 | 社会
数年前、沖縄へ出張に出かけたら帰りのヒコーキが一時間以上も遅れた。
その原因はJALのヒコーキが羽田で車輪を落としたからだった。

さらにその翌年、またまた沖縄出張でヒコーキが遅れた。
この時は帰る時ではなくて往く時で、離陸は時間通りにしたけれど着陸するのが一時間以上も遅れた。
その原因は沖縄の空を預かる米軍嘉手納基地のレーダーサイトの故障だった。

去年、シカゴ出張の帰りにオヘア国際空港で成田へ向かうJALに乗ったところ離陸するまで1時間半もかかってしまった。
その原因は「機体に積もった雪を融雪させるため」だった。

さらに去年末、バンコクから関空に戻ろうとヒコーキに乗ったら満員の筈が一人だけ乗客がやってこない。
呼び出しにも反応がないのでセキュリティのために荷物を下ろすのに45分、機内で待たされた。

で、本日。
東京出張で久々にヒコーキを使ったら「空港管制システムに異常」ということで、ヒコーキは遅れるわ、乗ってからも順番待ちで離陸まで30分もかかるわで、新幹線の方が速かったと後悔しきり。

私がヒコーキを利用するとなぜか遅れる。
「なんで遅れるの?(欽ちゃんの「なんでそうなるの?」の口調でお読みください)」

Lカセ、ベータマックス、VHDにHD-DVD

2008年02月17日 20時29分21秒 | IT
その昔、わが家「エルカセット」と呼ばれる規格のカセットデッキがあった。
オープンリールの録音テープをカセットにしたもので、再生機はソニーとテクニクス(パナソニック)が発売していたように記憶する。
さすがにテープ巾がオープンリールと同じなので音質は悪くなかった。
悪くなかったがほとんど普及しなかったので気がついたらこの世から消えていた。

私のビデオコレクションは今でも50%以上がベータマックス。
20年以上も前に購入したベータプロというデッキが壊れたらそれで終わり。
見ることはできなくなるという代物だ。
いわゆるVHSvsベータ戦争に敗れてからもベータマックスは業務用でつい最近まで生き続けていたので、新品テープも買うことができた。
(今でも売っている店はある)

「レーザーディスク? そんなの買ってどうすんの?」
と20年ほど前大学のクラスメートに言われた。
そんな規格はすぐに消えてなくなるよ、というわけだった。
当時のビデオディスクはパイオニアのレーザーディスクとビクターのVHDの2方式。
価格が安くてCIC(現UPI)を擁していた日本ビクターのVHDの方がなんとなく有利だった。
でもカラオケが出現してレーザーディスクに軍配が上がり、今もわが家では現役だ。

というようなことで、東芝がこのほど次世代DVDの戦いに敗れて撤退した。
意外に速い撤退だった。

それにしても「これからはHD-DVDじゃ」と未来の読めないマイクロソフトのようにHD-DVDデッキを購入している人たちはどうするのだろう。
「責任者出てこい!」
と叫びたいのに違いない。

尤も、東芝もそのうちかつてソニーがこっそりとVHS方式のビデオデッキを発売したみたいにブルーレイDVDを発売するのかもわからない。


観月ありさのengagedはパクリか?

2008年02月16日 05時46分50秒 | 音楽・演劇・演芸
芸能界ではパクリ騒ぎが少なくない。
モーニング娘。の安倍なつみが他人の詩をそのまま引用して自分の本に掲載し謹慎処分を食らったのもまだ記憶に新しい、と思っていたらもう4年も前の出来事だった。
小林亜星が服部克久の作曲した楽曲を「どこまでもいこう」のパクリとして提訴。
裁判所もこれを認め勝訴したことも記憶に新しい、と思っていたが、これも5年も前の出来事だった。

昨日、テレビのチャンネルをひっかき回していると顔の派手なオネエサンが歌を歌っていた。
歌い終わるまで、それが観月ありさであることにまったく気付かなかったのだが、歌そのものがどこかで聞いたことのある「メロディライン」だったのでビックリした。

「これって、谷村有美の『名前のないうた』のパクリじゃないのか?」

私が谷村ファンであることを差し引いても観月ありさの「engaged」という曲の構成と終盤のメロディラインは、谷村有美の「名前のないうた」とほぼ同じだった。
「歌詞だけ差し替えたのかな」
と思って調べてみたが、作詞作曲はまったく別人だった。

「名前のないうた」は大阪教育大学付属池田小学校での児童惨殺事件をテーマに谷村有美が池田市の行事に呼ばれた時に作詞作曲した楽曲。
ライブではよく歌っているが最近谷村自身がテレビにほとんど出演していないこともあり、ファン以外の一般の人はほとんど知らない曲でもある。

知らない曲。
だからパクったのか?

ともかく芸能の世界ではパクリは日常茶飯事。
私には日系米国人の親類にアニメ映画やテーマパークをやってる有名なDプロダクションでデレクターを勤めていたお兄さんがいたが、
「そんなの、無名な人のアイデアを盗むなんてこと、こっち(米国)ではあたりまえよ」
と言っていた。
パクリは世界共通なのかもわからない。

なお、楽曲にもビックリしたが久しぶりに見た観月ありさの派手顔に度肝を抜かれたことは言うまでもない。
(ある意味、「オバハン」になっていたのだ)


私学助成金は憲法違反

2008年02月15日 19時42分02秒 | 政治
大阪府の橋下知事が私学助成の充実を求める保護者会議をドタキャンした。
出席者は知事に対して怒り心頭ということらしいが、これって間違っていないか?

私学の多くは宗教系の学校で、授業の中に学校が信仰する宗教を教えるカリキュラムまで存在する。
私は公立高校の出身なので「宗教の時間」など存在しなかったが、カトリック系のM学院に通学していたW君は「教会でミサがあって出なあかんねん」と言っていたし、仏教系のS学園に通学していたN君は、「こんど四天王寺さんの○○●●祭りに出なあかんねん」と言ってた。
つまり私学の殆どは宗教教育を基盤として、自分たちの生徒を教育しているわけで、これに国家や自治体が税金を使って助成するなんざ明らかな「憲法違反」と言えるのではないだろうか。

ただ、こういうことに抗議する人たちに鍵って「忠魂碑」や「靖国神社」に文句を付ける人々が少なくないと思われ、ご都合主義の権化と言えないこともない。

記事は「知事との溝が深まる」なんてことを書いているけれども、600億円もの税金を教育の名を借りた宗教活動に使われる府民を思うと不憫ではある。

なお、私は日本民族の意識付けとして憲法を改正し、教育にはきっちりとした歴史と伝統と文化に基づく価値観教育(仏教や神道の)をしなければならないと思っています。
はい。

なるほど「アラブが見た十字軍」

2008年02月15日 05時54分00秒 | 書評

イスラエルとパレスチナ、アメリカとイラク。
こういう中東のゴタゴタを見るにつけ私たち日本人は「お呼びでない」という感に堪えない。

人権問題や差別などという以前に、この人たちの紛争の原因はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教による「今どき」宗教戦争。
そこへまったく関係のない仏教徒の日本人が割り込んで「戦いはやめようね」と言ったところで往年の植木等ではないが、
「お呼びでない、お呼びでない、こりゃ待った失礼いたしやした~」
となるのが関の山だ。

ところで私たちが歴史で習うキリスト教とイスラム教の戦いで最も有名なのが十字軍。

アメリカのジョージ・ブッシュ君は9.11テロの時「我々は現代の十字軍だ」と言ってイラクに押入って行ったが、もしあのときにこの本「アラブが見た十字軍」を日本人の多くが読んでいたら、自衛隊の派遣はきっととどまることになっただろう。
なぜなら、十字軍はアラブから見ると野蛮人の侵略者以外の何者でもないのだから。

私たち日本人は一般に西洋人の立場で世界史を眺める習慣を身に付けさせられている。
これは戦後歴史教育のたまものと言うよりも、明治維新以来、西洋を手本にして国造りに励んできた結果でもある。
そんなわけで十字軍も西洋の立場から眺めてきたわけで「アラブから見たらどうなのよ」という仮説にはまったくタッチしてこなかった。
そのアラブから見た十字軍とはどんな連中だったかを記したのが本書なのだ。

で、本書によると当時のアラブから見た西洋人は、
・野蛮人
・人食い人種
・科学を知らずオカルト(加持祈祷など)に頼る
・烏合の衆
に要約できる。
決して現代キリスト教の精神に則った正義の軍団ではなく、本国で食いっぱぐれたならず者集団であったらしい。

目から鱗とはこのことで、確かに11世紀から12世紀にかけての西欧はアラブから見ると危険きわまりない未開の原人といった趣であったようだ。

本書の最大の魅力は、このようなアラブの先進性をその後どうしてアラブは維持発展させることができなかったのか。逆に押入ってきた西洋がアラブの技術や芸術を模倣し、発展させ、それがやがて来るルネッサンス、大航海時代に至り繁栄していったのかを分析しているところだ。
そこには世界共通の「驕る平家は久しからず」が存在する。

「アラブが見た十字軍」
この中には現代日本に強烈なメッセージが秘められているような気がしてならない。


橋下知事より平田さん

2008年02月14日 05時09分47秒 | エトセトラ
大阪府の橋下新知事が当選翌日に出演したテレビ番組のビデオを見た。
朝日放送の「ムーブ」という番組で、橋下知事がコメンテーターとして出演していた番組だ。

当選直後からテレビに出まくりの知事を待ち受けていたのは「元同僚」のコメンテーター、勝谷誠彦、宮崎哲弥。
歯に衣着せぬ発言で人気のあるこの人たちの中でもはや公人の橋下知事も一種たじたじの模様だった。
もっとも、橋下知事のテレビ出演はこのムーブ(ビデオを貸してくださった船長さんには悪いのですが)よりも先週のNHKの特番の方が面白かった。

仕事が遅くなり最後の部分しか見られなかったが、それでも、
「住民投票なんて私はやりませんね。住民投票やらなきゃ何も決められないような政治家はダメだと思うんですよ」
とデッカイ声で平松大阪市長に向かって話していた。
「おおおお、なかなか言うやないか。」
と感心した。
でも、こんなのは序の口。
番組の冒頭で司会の女性アナウンサーの「30分遅刻されました」発言に噛みついて、「公務で遅れるって言ったでしょ。NHKのインサイダー取引の調査もいつまでかかってるんですか」と反撃したのだと言う。
私は一番の見せ場を見逃したことを悔しく思ったのは言うまでもない。

ところで、前述のムーブでは橋下知事が主人公だったが、橋下知事の話より面白かった(これも貸してくださった船長さんにはスンマセンが)のが日本旅行の名物添乗員・平田進也についてのレポートだった。

平田進也さん。
カリスマツアーコンダクター。

私は旅好きだが団体旅行は大嫌いなので添乗員が付いているような旅をする機会はほとんどない。
しかしもし団体旅行をするのならこの人の先導で是非旅してみたい(但し一回だけ)というのが平田さんのツアーなのだ。
なんといっても毎日放送ラジオなどでは「平田進也と行く天橋立一泊二日ツアー」という具合に添乗員が人気タレント扱いになっているくらいなのだ。

その人気の秘密は「しゃべくり」と「宴会芸(女装)」。
関西趣味の大ハチャメチャ芸が人びとの心を掴んでいるのだ。

その関西趣味の平田進也が初めて東京のお客さんを連れて一泊二日のツアーにでた、というのをレポートしたのが同番組だった。
果たして関西の素人芸が関東で通じるのか。
ドキドキワクワクして私はレポートを楽しんだ。

ということで、橋下知事をも飲み込む名物添乗員。
日本旅行の平田進也さんはホント凄いとつくづく思うのであった。

アメリカ兵は優しかった.......

2008年02月13日 06時14分20秒 | 社会
第二次世界大戦中、敵国アメリカ、イギリスのことを鬼畜米英と声高に叫んで私たちの祖父母や父母は戦った。
米英の人たちは鬼畜のように残酷で怖いですよ、ということだ。
ところが健闘むなしく破れてしまい、気がついたら街中で鬼畜な筈の米英の兵隊が闊歩していた。
実際に目にした彼らは陽気で笑顔で金を持っていて、チョコレートやガムなんかを子供たちに配ったりした。
喧伝されていたような鬼畜ではなかった。
「アメリカ兵は優しかった」
と手のひら返したように朝日新聞を代表とするマスコミは宣った。

この優しかったアメリカ兵たちはホントにとても優しかった。
とりわけ若い女性に対してその本能を発揮した。
優し過ぎて敗戦後僅か1ヶ月の間に日本人婦女子を1000名以上も強姦した。
そしてとても優しかったので当然逮捕されることもなかった。
心が豊かでいつも笑顔に溢れた兵隊さんたちだったので、その上官たるGHQのお偉方も優しかった。
兵隊さんたちの優しい心を台無しにしてはいけないというので、日本人の婦女子が性的暴力を振るわれて泣き寝入りしていても日本のマスコミがそれを報道することを強く戒めた。
アメリカ兵の笑顔はハリウッド映画とニュース映画で補強されこそすれ、日本映画では仁侠や時代劇の力を借りても「アメリカ人の優しさ」を表現することは許されなかった。
宣伝は見事に成功し、「アメリカ兵は優しかった」が定着した。

このアメリカ兵の優しさの伝統は今も脈々と引き継がれている。
とりわけイラクやアフガニスタン、イスラエルなどでその優しさが発揮されているが、優しさ発揮の起源になった日本のことも忘れていなかった。

沖縄県や神奈川県ではその優しさの犠牲になっている何人もの日本人がいる。
先週末には中学生の少女がアメリカ兵の優しさの犠牲になった。
でも、日米地位協定なんていう今どき珍しい不平等条約があるので少女は文句を言うことさえ許されない。
知事は怒るが効力はない。
首相も怒るが、これは選挙対策。
アメリカ軍も困ったフリをしているが、「こちとら世界の警察官だ」という分けの分からない自負があるので軍隊持ってても戦わない日本人のことはバカにして「適当にこなして時間をかければ、終戦直後の優しさ表現みたいに、みんなすぐに忘れるさ」と高を括っているに違いない。
勝てば官軍ということなのか。

ところで「優しさ」がアメリカ軍のキャッチフレーズなら旧日本軍に貼られたレッテル「野蛮さ」とはいったいなんなのか。

少なくとも日本国内では昭和20年8月15日を境目として、「優しい」と「野蛮さ」の意味が入れ替わったに違いない。


ローカル新幹線は実在した

2008年02月12日 06時22分01秒 | 旅(海外・国内)
以前、いしいひさいちのドーナッツブックスを読んでいたら国鉄の新幹線拡張政策で赤字ローカル線化してしまった新幹線の4コマ漫画が載っていた。
「ほれ噂をすれば、走って来よったぞ」
と百姓の爺さんが呟いたら二両編成の新幹線が走ってきた。
というような話だった。

で、二両まではいかなくても四両編成の新幹線は実在した。

広島駅でボーとしていたら博多方面行きのこだま号が入ってきた。
懐かしや。
100系新幹線。
しかし、色が変だぞ。
さらにさらに、えらい編成が短いやないか。

博多行きこだま号は4両編成。
16両編成のぞみ号の1/4。

ローカル新幹線は実在したということか。

もっとも山陽新幹線は赤字じゃないだろう。

これもかなり以前に耳にした情報だが、16両編成の新幹線を新大阪から博多まで走らせると電気代が200万円かかるそうで、これをひかりレールスターの8両編成にすると50万円で済むそうだ。
どういう計算式になっているのかどうか知らないが、のぞみやひかりレールスターはいつも満席だけどこだまはガラガラ。
だから4両編成が電気代が少なくて維持費がかからず良いのかも知れない。