とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマー大冒険 Part 2 (13)

2007年08月05日 14時19分35秒 | ミャンマー旅行記・集
写真:シットウェー市の時計台(ミャンマー)

久々の連載です!
前回:ミャンマー大冒険Part2(12)

ヤンゴンを離陸してから1時間以上が経過した。
眼下に霞んだエメラルドグリーンの海と海岸線が広がっている。
エメラルドグリーンの海が霞んでいるのではなく、霞んだエメラルドグリーンの海なのだ。
霞んでいる原因は雲でも霞でもなんでもなかった。
私の乗っているヒコーキの窓がすりガラスになっていて、あらゆる景色が霞んでいるのであった。
ついでながらさらに説明を補足するとヒコーキの窓はもともとがすりガラスなのではなく、ヒコーキがお歳を召していてすりガラスになっているのであった。

霞んだエメラルドグリーンの海は午前中に訪れたヤンゴン動物園のことなどすっかり忘れさせてしまうほど美しかった。
これほど美しい海を見るのは沖縄以外では初めてであった。

旅慣れた人ならご存じかも知れないが、沖縄の海は世界でも屈指の美しさを持つ海である。
首都圏や関西圏の海を見ると同じ日本だなどとは信じられないくらいに美しい。

もちろん那覇港やその周辺は決して美しいとは言えないが、沖縄本島でも北へ行けば行くほど美しくなり、米軍嘉手納基地の向こうに広がる海などは美しさの一等地でもある。
嘉手納基地へ行くたびに「ヤンキーゴーホーム!」と叫びたくなるのは私だけではないだろう。
(注意:私は米軍撤退を叫びに嘉手納へ行っているサヨク活動家ではおまへん。嘉手納基地へは商いでお邪魔させていただいている商人でおます=括弧内は大阪弁でお読みください)
さらに離島へ行くと当然のことながら海の色と空の色が溶け合って、「え、ここって、ホントに日本なの?」と言いたくなるくらい美しいのだ。

私が海外で訪問するところにも問題があるのかも知れないが、未だ海外で沖縄の海より美しい海を見たことがなかった。
しかし、間もなくシットウェーという街に着陸しようとしているヒコーキの眼下に広がる景色は明らかに沖縄の海に匹敵する、いや、それ以上の美しさを放っていたのだ。

海の美しさで忘れさせられたのはヤンゴン動物園訪問の時のカバの餌やりの楽しさだけではなかった。
今搭乗しているヒコーキの足元の壁に、でっかい凹みがあることも忘れさせてくれたのであった。

ベルト着用のサイン点灯した。
そしてヒコーキは次第に高度を落としはじめた。
エメラルドグリーンの海がキラキラ輝き、私の乗っているDHC-8型機の影が海面に投影されている。
「なんて綺麗なんだ。」

次第に陸地の面積が増えてきた。
陸地は大陸の一部ではなく、島のようだ。
その島をグルッと見渡してみても橋などはない。
それでも島の中には小さな村が点在し、ホントこういうのを地上の楽園というのかも分らない、と思った。
?村の人たちはどのような生活を営んでいるのだろうか。
街にでるにはどうするのだろう。
平和な、まるでゴーギャンの絵のような世界が広がっているのだろう。
とイメージしたが、ゴーギャンはタヒチの風景を描いたのであり、ここミャンマーとは1万キロ以上離れていることに気付き、
「なんてイマジネーションに乏しいんだろう」
と大阪芸大出身者としてちょっぴり反省したのだった。

で、よくよく考えてみると、
「ん~、生活は結構大変なのかもしれないな」
と現実的な感慨に落ち着いてしまった。
それでも旅の時間に余裕があれば、こういう不便な島に渡って数日を過ごしてみたいと思ったのであった。

さらにヒコーキは高度を落とした。
海面がすぐ近くに見え出すと、やがて陸地が見えてきた。
多くの建物が見える。
あれ?
なんと、高い壁に丸く囲まれた刑務所らしいところも見えるではないか。

刑務所らしき建物を眼下に臨みながらヒコーキはシットウェー空港にドドドドドと着陸したのであった。

つづく



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