とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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なにわ殺人狂時代

2006年06月01日 20時28分46秒 | 社会
初めての海外旅行の行き先はアメリカだった。
訪問したのはロサンゼルス。
ロスが選ばれた理由は、当時(1978年)高校1年生だった私を安心して送り出せる外国が日系人の親類のいるそこしかなかったからだった。

宿泊したのはダウンタウンにあった(今もあると思う)ビルトモアホテル。
映画の撮影に使われたり各界の有名人が宿泊するような豪華なホテルだったが、そんなことはこっちは知らず、「ごっつう、ええホテルやん」と感動しきり。
でも、初めての海外で緊張しっぱなしだったので、感動も中途半端。
部屋のテレビで見た「スタートレック・コンベンション」でW・シャトナー発する意味不明(注:私が英語を解さなかったため。シャトナーが意味不明なことを口走っていたわけではない)のスピーチの方が感動的だった。

ホテルに着いた初日、日本人のツアー添乗員が私たち客をロビーに集めてガイダンスを実施。

「えーと、夜はホテルから出ないでください。特にホテルの前の公園は危険ですから絶対に入らないように」

当時のロスは無法地帯。
夜の大捜査線を地で行っていて、昼間美しいホテルの前の公園は、夜になると無法地帯に化すという。

実際夜、部屋のベットで眠っていると、窓からはひっきりなしにパトカーのサイレンが聞えてくる。
まるでテレビドラマの世界そのまんまだった。

時代は下って現在の日本。
30年近く前のロサンゼルスそっくりになりつつある。

私の会社は大阪市浪速区という、ちょっと場末たところにある。
場末たと言っても大阪の繁華街ミナミの街まで僅か徒歩10分。結構賑やかなところなのだ。
ところが、会社の周辺で、ここ数年立て続けに殺人事件が発生している。

5年前に、地下鉄御堂筋線大国町駅近くの路上で通学途中の小学校二年生の女の子が通り魔に襲われて首筋から胸にかけて包丁を突き立てられ殺された。
昨年暮れには会社近くのマンションで風俗店で働く美人姉妹が自室で待ちかまえていた殺人鬼の少年になぶり殺しにされた上、部屋に火を放たれた。
2ヶ月ほど前には産経新聞新大阪本社裏にある都心の高層マンションの敷地で刺殺事件が発生した。

で、一昨日の朝の出勤途中。会社まであとわずか、というところでパトカー3台、警察のワンボックス1台がマンション横に止まっていた。
周りに人だかりが出来ていて、多くの警察官がマンションの自転車置き場をブルーシートで囲む作業中。
「どうしたの?」
やじ馬の一人にウチの社員がいたので訊いてみた。
「チンピラ見たいな若い奴が血だらけで転がってましたよ」

大阪市浪速区。
和製ロスのダウンタウンがここにある。


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