とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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南海電車と東海道新幹線

2005年03月10日 22時01分32秒 | エトセトラ
大阪の都心と世界遺産に登録されている高野山を結んでいる南海電鉄高野線に新型車両が登場する。
大きな一枚ガラスの窓が自慢の登山対応の新型車両だ。しかも、時代ニーズに合わせて車内は段差のないバリアフリーを意識したデザインになっているという。

さすが日本一の歴史を持つ電鉄会社。
公共交通機関としての、使命を全うしているじゃないか、と言いたいところだが、実のところ利用者の一人としてそんなお世辞は、口を避けても言いたくない。
なぜかというと、南海電車ほどバリアフリーに対する基本的な設備が整備されていない駅の多い大手電鉄会社はほかにない。
少なくとも関西地区では。
きっちりと統計をとったわけではないので断言するのは危ないが、主要な駅以外、エスカレータはおろかエレベータも設置されていないことが多いのだ。
だから、いくら新聞報道で「新型車両はバリアフリーのデザインです」などと言われも、ちっとも説得力がないのである。

難波駅は南海電鉄のメインターミナル駅。和歌山市や関西空港へ向かう南海本線と高野線が乗り入れている。
このメインのターミナル駅でさえ、南口へ降りるためのエスカレータやエレベータはついていない。
身障者やけが人、老人は、中央出口に通じるエスカレータを利用するか、エレベータを利用するために北出口をまわらなければならないのだ。
難波駅の南口はショッピングゾーンのなんばCity南館やなんばパークス、日本橋の電気街、そして大相撲春場所の大阪府立体育館への近道だ。
年寄り、けが人、身障者は「遠回りしてちょうだい」というのが南海電鉄の考え方というわけか。

メインの駅がこの程度なので、各駅停車しか止まらない小さな駅はさらにひどい。
多くの駅舎が線路をまたぐ高架式になっていて、その高架の上に改札口があるのだが、そこへ上るためのエレベータやエスカレータがない。
私の住んでいる堺市内なら急行の止まる駅と泉北鉄道が乗り入れているなかもず駅を除いて全部の駅に昇降設備がついていない。

さらに堺市内の高架工事の住民説明会にも南海電車の社員はやって来ない。なぜか堺市職員と国土交通省の役人だけの説明会。南海電車は「高架工事をさせられるのだから関係ない」ということなのか。

以前私の勤めていた会社の社長が南海電車の社長と同じロータリークラブに入っていた。
ロータリークラブというのは社会的地位のある人たちが、社会に奉仕することを「美」としている結社のはずだ。
南海電車の社長さんは、ロータリアンとしての見栄はあっても、自分の社内のことなど知らんというのか。
関西空港ができるとき、事業発展の妨げになるからと言ってプロ野球球団ホークスを売り飛ばしてしまったが、浮いた利益はどうしたんだ?

なにも私は最近巷に溢れる市民活動家でもなんでもない。が、やがて年老いていく両親や、それと同じ世代の人たちが、汗を流しながら階段を上がっている姿を見ると、無性に腹が立つのだ。

南海電車。もしかしておたくは「車いすの乗車禁止」をやっている東海道新幹線と友達なのか?

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