人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

イスラエルのオーケストラ、ドイツで初めてワーグナーを演奏

2011年07月29日 07時28分33秒 | 日記
29日(金)。27日の日経朝刊に「第100回目を祝うバイロイト音楽祭が25日夕、バイロイト祝祭劇場で開幕した」という小さな記事が載りました。新演出による「タンホイザー」が上演されたとのことです。どんな演出か気になるところです

また、昨日の朝日朝刊には「イスラエルの楽団 バイロイトでワーグナーを初演奏」という記事が載りました。

「イスラエル室内管弦楽団が26日、バイロイトで独作曲家ワーグナーの曲を初めて演奏した。ワーグナーの音楽はナチスの独裁者ヒトラーに愛されたためイスラエルではタブー視されている 今回の演奏会は、和解に向けた歴史的な出来事と評価されている。「ジークフリート牧歌」が演奏され、曲が終わるとバイロイト市のホールを埋めた聴衆は総立ちでを送った。ワーグナーのひ孫カタリーナ・ワーグナーも”ワーグナーとユダヤ人のかけ橋に”と協力、バイロイト市での公演が実現した。一方、イスラエル国内ではホロコーストを生き延びた人たちから怒りの声が上がった。与党議員から、楽団への予算支出差し止め要求も出た。バイロイト市長は”批判の中で来てくれたことに感謝している。このコンサートは両国の友好と和解の一つの象徴だ”と話した」

このニュースを見たときに思い出したのは、2001年7月にアルゼンチン生まれのユダヤ人ピアニストで指揮者のダニエル・バレンボイムがエルサレムで、ベルリン国立管弦楽団を指揮してワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の一部を演奏したときのことです。場内は騒然となり、バレンボイムは「ファシスト」呼ばわりされた、と言われています。

バレンボイムにしても、今回のイスラエル室内管弦楽団にしても、タブーを打ち破って演奏に漕ぎつける勇気と努力には敬意を表します あくまでも政治は音楽に介入してはならないと思います。政治はその国に留まりますが、音楽は国境を越えます 政治の力で聴きたい音楽が聴けない世界はなんと暗いことでしょう

いま聴いているCDはジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団によるワーグナー「管弦楽曲集」.映っているのはワーグナーの庇護者・第4代バイエルン国王ルートビヒⅡ世が建てた南ドイツのノイシュバンシュタイン城.1991年1月に新聞協会のヨーロッパ労務事情視察団に同行した際に観光で訪ねました.山のふもとからお城までは馬車で移動しました 当時は国民の税金をふんだんに使って何の役にも立たない贅沢な城を建てたということで大批判されましたが,今ではバイエルン州の重要な観光収入源になっています 歴史っておもしろいですね

  
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2 コメント

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ドイツ系の作曲家 (なかた)
2011-07-29 21:39:34
私は、米国の東海岸の町に住んでいますが、ある程度のコンサートを開くときは、ユダヤ系の人から文句がでるので、ドイツ系の作曲家の作品が多くならないように気をつけるそうです。(ベートーベンの夕べのように銘打っているのは別)
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国境を超える (tora)
2011-07-30 07:19:24
なかた様,コメントありがとうございます.アメリカに住まわれているのですね.
音楽とともにインターネットも国境を超えることをあらためて認識しました.

アメリカは”人種のるつぼ”ですから,いろいろな面で気を使うのでしょうね.
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