goo blog サービス終了のお知らせ 

人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団でブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」(第1稿/ノヴァーク版)を聴く ~ 第729回定期演奏会

2025年04月06日 00時06分03秒 | 日記

6日(日)その2.5日(土)14時から開かれた東京シティ・フィル「第378回定期演奏会」については「その1」に書きました モコタロはそちらに出演していますので、是非お立ち寄りください

         

昨日18時から、サントリーホールで東京交響楽団「第729回 定期演奏会」を聴きました  プログラムはブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」(第1稿/ノヴァーク版)です   指揮は音楽監督ジョナサン・ノットです

ブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1884年から87年にかけて作曲、その後89年から90年にかけて改訂、1892年12月18日にウィーンで初演されました    第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・モデラート ~ トリオ、ラングサム」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります この日演奏されるのは、1887年に完成したオリジナル版をもとに、1972年に音楽学者レオポルト・ノヴァークが校訂を加えた版によります

オケは16型で 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。管楽器は3管編成(ホルンは8管で、うちワーグナーチューバ持ち替え4)です ステージ上手にはハープが3台スタンバイします コンマスはグレブ・ニキティン、その隣は小林壱成、その後ろは田尻順といったトリプル・トップ態勢を敷きます ノット音楽監督の最終年度の第1回定期演奏会に懸ける東響の意気込みを感じさせます

ノットの指揮で演奏に入りますが、ブルックナーと言えばホルンです すべての楽章を通じて上間善之率いるホルンセクション(ワーグナーチューバも含む)の演奏が素晴らしかった 新日本フィルから移籍した藤田麻理絵も健在でした フルートの竹山愛、オーボエの荒木良太、クラリネットの吉野亜希菜といった木管楽器群も冴えた演奏を展開しました 弦楽セクションは第3楽章における祈るような深いアンサンブルが印象的でした それにしても長い「アダージョ」楽章です 第4楽章はブルックナーが自信を持っていた音楽ですが、ノット ✕ 東響はメリハリの利いたアグレッシブな演奏を繰り広げて音の大伽藍を築き上げ、壮大なフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーの嵐がステージに押し寄せる中、カーテンコールが繰り返されました 終始 集中力に満ちた素晴らしい演奏でした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高関健 ✕ 大谷康子 ✕ 東京シティ・フィルでメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」、ストラヴィンスキー「春の祭典」他を聴く

2025年04月06日 00時01分13秒 | 日記

6日(日)その1.わが家に来てから今日で3736日目を迎え、トランプ米大統領は3日、大統領専用機内で記者団に対し、500万ドル(約7億3千万円)で米国の永住権を取得できる「トランプ・ゴールドカード」を初披露したが、記者団から「最初の購入者は誰か」と問われ「私だ」と答えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

要するに500万ドル払えない者は米国に住むな! 移民は出ていけ! と解釈できる金持ち政策だね

         

昨日、14時から東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第378回定期演奏会」を、18時からサントリーホールで東京交響楽団「第729回定期演奏会」を聴きました ここでは東京シティ・フィルのコンサートについて書きます

プログラムは①ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より5曲、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」、③サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン 作品20」、④ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です 演奏は②と③のヴァイオリン独奏=大谷康子、指揮=高関健です

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より抜粋です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1930年から翌31年にかけて作曲、1931年4月にレニングラードで初演されました この日演奏されるのは、組曲全6曲のうち次の5曲です 「序曲」「官僚の踊り(ポルカ)」「コゼルコフの踊りと彼の友人たち(タンゴ)」「破壊者(間奏曲)」「荷馬車引きの踊り(変奏曲)」

プレトークでの高関氏の解説によると、この曲はショスタコーヴィチが若い頃、まだスターリンから批判される前の自由に作曲出来た頃の作品で、やりたい放題の作品です

高関の指揮で演奏に入りますが、なるほど賑やかで大げさな曲で、サーカスの音楽のようでもあり、楽しい音楽でした 個人的には「官僚の踊り(ポルカ)」におけるピッコロの軽妙な演奏が印象に残りました

2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1844年に作曲、1845年にライプツィヒで初演されました 「メンコン」と言えばこの曲のことで、海外オーケストラの来日公演でヴァイオリン協奏曲がプログラムに載ると、多くの場合この曲が取り上げられています

ヴァイオリン独奏の大谷康子は今年デビュー50周年を迎える(東京シティ・フィルも創立50周年)大ベテランです 個人的には東京交響楽団のコンマス(1995年から。現在 名誉コンマス)を長年務めたヴァイオリニストという印象が強く残っています プログラム冊子を見て初めて知ったのですが、彼女は東響の前に1981年から13年間、東京シティ・フィルのコンサートマスターを務めていたとのことです プレトークによると、高関氏は大谷さんと同期生とのことで、大学こそ違いますが(大谷=東京藝大、高関=桐朋学園)、学生時代から彼女のことは知っていたそうです

大谷康子が空色の衣装で登場すると、ステージがパッと明るくなります それにしても若い ファウンデーションは何を使ってるんだろう・・・ってアンタ何考えてんだ

弦楽器は12型に縮小します 高関の指揮で第1楽章が開始され、すぐに大谷の独奏ヴァイオリンが入ってきます 大谷が主導権を握っているのか、かなりゆったりしたテンポで進みます この人の演奏は表情が豊かで、ヴァイオリンを弾くのが楽しくてたまらないという気持ちが演奏に現れています カデンツァは味わい深い演奏でした 流麗な第2楽章を経て、第3楽章では軽快な演奏が繰り広げられ、高関 ✕ シティ・フィルがピタリと寄り添いました

大きな拍手のなかカーテンコールが繰り返されました

次の曲はサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン 作品20」です   この曲はパブロ・サラサーテ(1844-1908)が 自身で演奏するために1878年に作曲しました タイトルは「ジプシーの歌」という意味です

大谷は憂いに満ちた旋律をドスの効いた演奏で開始し、一気に聴衆の心をサラサーテの世界に引き込みます 華やかなメンコンの世界からジプシーの歌への切り替えが見事です 大谷は歌うべきところはたっぷりと歌わせ、速いパッセージでは超絶技巧を駆使して弾き切りました オーケストラと一体となってなだれ込んだフィナーレは圧巻でした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

休憩時間には大谷康子のサイン会がロビーで開かれ、男性客を中心に列が出来ていました 人気者ですね

プログラム後半はストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の委嘱により1911年から13年にかけて作曲、1913年5月にパリのシャンゼリゼ劇場で初演され、賞賛と罵倒の嵐のなか大混乱に陥りました それほど革新的な作品でした

このバレエは古代ロシアの異教徒の宗教儀式を描いたもので、第1部:大地への讚仰(昼、太陽、生)と、第2部:いけにえ(夜、死)から成ります

この曲は、高関氏がベルリンへの留学から帰国して初めて、渡邊暁雄先生から指示されて日本フィルを振った曲とのことです

高関の指揮で演奏に入りますが、高関の明晰なタクト捌きのもと、切れ味鋭い弦楽器、冴え渡る木管楽器、咆哮する金管楽器、炸裂する打楽器によるバーバリズムの極致を行くアグレッシブな演奏が展開しました 演奏を聴きながら、昨年9月12日に東京国際フォーラム・ホールBで観た「ピナ・バウシュ」の「春の祭典」のダンサーたちの激しい踊りを思い出していました

最後の音が鳴り止むと、満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました 胸のすくような素晴らしい演奏でした

この後、私は東京交響楽団の定期演奏会を聴くためサントリーホールに向かいました その様子は「その2」に書きましたので、是非ご訪問ください

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする