6日(月)。今年のプロ野球日本シリーズは阪神タイガースがオリックスパッファローズを4勝3敗で下し、38年ぶりに日本一になりました 思い起こせば38年前の1985年秋、私は日本シリーズ(西武ライオンズ対阪神タイガース)を2度観戦しました 第2戦と第6戦でいずれも西武ライオンズ球場です 第2戦は2対1でタイガースが勝ち、第6戦は9対3でタイガースが勝ち、この試合で日本一を決めました 第6戦の1回表、タイガースはバース、掛布、岡田が塁を埋め、長崎が満塁ホームランを打って一挙4点を挙げて序盤からリードし、その後の得点を重ね計9点を挙げました 阪神には真弓もいたのでホームランバッターが4人そろっていました 3塁側内野席で観戦していましたが、吉田監督の胴上げを目の前で見ることができ 感慨深いものがありました 当時の主力選手だった岡田選手が38年後に監督として日本一を勝ち取ったことに大きな意味を感じます 前回と比べると、今年のタイガースはホームランバッターはほとんどおらず、フォアボールを選び、ヒットと盗塁を繋いで勝つパターンが多かったように思います 勝ちパターンは異なるものの日本一は日本一です
阪神タイガース日本一おめでとう
話は180度変わりますが、4日付の朝日新聞朝刊で、朝日新聞 ✕ 朝日カルチャーセンター共同企画「マエストロと語ろう」が取り上げられていました これは新宿住友ビル10階の「朝日カルチャーセンター」で開かれた3人の指揮者へのインタビュー内容を収録したものです 今回登場した指揮者は山田和樹、沖澤のどか、カーチュン・ウォンの3人で、インタビュアーは朝日編集委員・吉田純子さんです 記事を超略すると次の通りです
山田和樹は1979年神奈川県生まれ。東京藝大指揮科卒。2009年、ブザンソン国際指揮者コンクール優勝 スイス・ロマンド管首席客演指揮者、モンテカルロ・フィル芸術監督兼音楽監督を経て今年4月から英バーミンガム市響の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザー、読売日響首席客演指揮者を務める
20代の頃、恩師(東京藝大時代)の小林研一郎に似ていると言われ、つらい思いをしたという しかしある時『似ちゃうのは仕方ない』と吹っ切れた。『実際に仕事を始めると、現実問題、プロの前でマネは通用しないと分かる。先生を尊敬したまま、似ている部分を受け入れることが出来るようになった』と語る。名門のスイス・ロマンド管を初めて代役で振った時に大きな啓示があった。『いきなり異次元の世界にやってきて、ふわーっとした聴いたこともない魔法のサウンドが目の前に現れた瞬間、自分の体重がなくなる感覚を味わった 振りながら、別に3拍子だからといって三角形描かなくていいんじゃないかと思った 実際、4拍子とか5拍子とかで遊んでみたら、いい感じだった』と語る
沖澤のどかは1987年青森県生まれ。東京藝大指揮科卒、同大学院修了。ハンス・アイスラー音大ベルリン修士課程修了。2019年、ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、聴衆賞及びオーケストラ賞受賞 ベルリン・フィル芸術監督キリル・ペトレンコのアシスタントを経て今年、京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任
最近の女性登用の流れについて、「『女性が活躍』みたいなフレーズがあるが、女性だから背中を押すというのは間違ってる 『女性指揮者』を売りにした仕事は受けない。女性ということを強調されるようになったら、そこは違うと言うことも大事」と語る。今は自営業の夫と育児を分担しているが、『現実には、自分の演奏回数をかなり減らすしかなかった』という。出産から2か月後、芸術監督キリル・ペトレンコの代役でベルリン・フィルを振ったが、『思いのほか、すぐに体が戻らなくて もともと何があっても驚かないが、産後は感情のジェットコースターみたいになって、自分が自分じゃないようでとても怖かった』と語る
カーチュン・ウォンは1986年シンガポール生まれ。ベルリンのハンス・アイスラー音大でオーケストラ/オペラ指揮の音楽修士号を取得。クルト・マズアに師事。2016年、グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール優勝 今年9月、日本フィルの首席指揮者、ドレスデン・フィルの首席客演指揮者に就任。来秋からは英ハレ管弦楽団の首席指揮者にも就任予定
恩師のクルト・マズアからの『音楽を正しく完成させることだけを志しなさい』という言葉をストイックに語る一方、『僕の音楽作りは日本のポップカルチャーに大きな影響を受けている。マーラーの交響曲のマーチが、どうしてもウルトラマンのテーマみたいに聴こえてならない』と語る 日本フィルをはじめ日本各地の楽団と良い関係を築くうち、日本の作曲家、とくに伊福部昭への好奇心が高まった 『シンプルなモチーフをひたすら反復するあのスタイルが、どんな戦後の風景の中で生まれたのか、とても興味がある』と語る。伊福部の『シンフォニア・タプカーラ』は来年、ドレスデンで振る
「朝日カルチャーセンター」での「マエストロと語ろう」は今後、沼尻竜典、井上道義、阪哲郎、園田隆一郎、坂入健司郎といった指揮者が登場するとのことです 沼尻竜典と井上道義は超面白いと思います
ということで、わが家に来てから今日で3219日目を迎え、ロシア政府は3日、兵役登録規定について、これまで原則 ロシア国内で服役中の受刑者を対象外としていた項目を削除した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
受刑者を兵役に就かせるのはワグネルの手法 犯罪者集団ロシア軍のワグネル化か!
昨日、早稲田松竹でオタール・イオセリアーニ監督による1975年製作ジョージア映画「田園詩」(モノクロ・98分)を観ました
ジョージアの とある のどいかな村に首都トビリシから4人の若い音楽家たちが夏合宿にやってくる 村人たちは都会からやってきた音楽家一行に興味津々で、あれこれと接点を持とうとし、音楽家たちも村人たちと交流する 4人の宿泊先で幼い弟や妹の面倒を見ながら、彼らの世話をする娘エドゥキは、自由で都会的な音楽家たちに憧れを抱き、チェリストの青年に恋心を抱く 仲間同士のケンカや、日照権を巡る隣家とのもめごとなど、いくつかのトラブルが起こりながらも夏は過ぎていき、やがて4人の音楽家たちはトビリシに戻る日がやってくる
この映画を観ると当時(1975年)のジョージアの農村の様子が良く分かります 人々は豚や羊や牛を飼い、水田に水を引き、日常生活を営みます 美しい自然と人間を観る監督の眼差しが優しく、モノクロ映像が反ってリアリティを醸し出しています 観ていて温かい気持ちになる映画です しかし、そんな中にあって、厳しい側面も紹介されます。「コルホーズ」(ソヴィエト連邦の「集団農業政策」)の役人がエドゥキの父親に「全然働いてないじゃないか」としかりつけるシーンがあります これを見ると、崩壊前のソ連は「集団農業政策」をとっていたんだなと分かります
ところで、4人の若い音楽家たちは上の写真のように、キーボード、ヴァイオリン、チェロ2人という変わった組み合わせによる四重奏団です 4人がハイドン風の明朗な音楽を奏でたり、女性チェリストがバッハの無伴奏チェロ組曲風の音楽を奏でたりするシーンがありますが、この映画のオリジナル音楽かもしれません 村人たちを乗せたトラックが列車の信号待ちをしているシーンでは、モーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」第1幕でドン・ジョバンニが村娘ツェルリーナを口説き、彼女がわずか3分半で”落ちる”デュオが流れます 監督がなぜこのシーンでこの音楽を使ったのか不明です 映画に音楽家を登場させたりモーツアルトの曲を使ったりするところから、監督の音楽への”こだわり”を感じたので、プロフィールを調べてみました すると次のことが分かりました
【オタール・イオセリアーニ】1934年2月2日、旧ソ連グルジア共和国(現ジョージア)のトビリシに生まれる トビリシ音楽院の作曲科で優れた成績を修め、モスクワ大学で応用数学を専攻したのち、1954年にモスクワの国立映画大学の監督科に入学し、アレクサンドル・ドヴジェンコのもとで演出を学ぶ
これで監督が音楽や音楽家にこだわる理由が分かりました それから、少女エドゥキを演じているのはイオセリアーニ監督の娘さんとのことです とても可愛いです
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