28日(日)。わが家に来てから今日で3301日目を迎え、トランプ前米大統領が女性作家のジーン・キャロル氏に対する性的暴行を否定し、名誉を毀損したとして損害賠償を求められた訴訟で、米ニューヨークの連邦地裁の陪審は26日、トランプ氏に総額8330万ドル(約123臆円)の支払いを命じる評決を下したが、トランプ氏は陪審の評決について自身のSNS(交流サイト)トゥルース・ソーシャルに「まったくばかげている!評決には同意しないし、私と共和党を標的にしたバイデン指令の魔女狩りは上訴するつもりだ」と投稿した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自分を被害者に見立てて同情を煽り 選挙資金を集めるのはトランプの得意な手法だ
昨日、ティアラこうとうで東京シティ・フィル「第76回ティアラこうとう定期演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第32番 ト長調 K.318」、②カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」、③R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」、④同:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら 作品28」です
演奏は②のティンパニ独奏=目等貴士、指揮=高関健です
本公演はチケット完売です
オケは12型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び 2曲目の準備の関係で、ヴィオラ・セクションの手前に3対(6台)のティンパニが設置されています
コンマスは特別客演コンサートマスター・荒井英治です
1曲目はモーツアルト「交響曲第32番 ト長調 K.318」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1779年にザルツブルクで作曲した作品です
第1楽章「アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「テンポ・プリモ」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます
捉え方によっては単一楽章の交響曲ですが、この曲の原題は「シンフォニア」で「序曲」を表します
高関 ✕ シティ・フィルの軽快な演奏を聴く限り、曲想としては「急ー緩ー急」による「オペラの序曲」そのものです
2曲目はカーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」です この曲はアルゼンチン出身の作曲家マウリッツィオ・カーゲル(1931-2008)が1985年に作曲した単一楽章の作品です
プレトークで高関氏が「最後に何かが起こります
それを目当てにお越しになった人もいると思いますが、それを除いても、曲そのものが面白い作品です
」と語っていましたが、いったい何が起こるのか、と聴衆は興味津々です
ティンパニの目等貴士(もくひと たかし:東京藝大大学院修了)が6台のティンパニを前にしてスタンバイします
高関の指揮でオーケストラの演奏から入りますが、1980年代に流行っていたリゲティやシュトックハウゼンなどのような”現代音楽”が展開し、目等のティンパニが入ってきます マレット(バチ)でティンパニを直接叩くのではなく、指でスナップを利かせてバチを弾いて音を出します
それ以降は、様々なマレットを持ち替えながら多彩な音色を繰り出し、同時に足でペダルを踏んで各ティンパニの音程を変えていきます
ある時は素手で叩いて音を出します
「超絶技巧ここに極まれり」といった孤立無援・孤軍奮闘の難曲への挑戦が展開します
この間、私は6つのティンパニのうち一番左手の6番目のティンパニだけ使用していないことに気が付きました
終盤になると目等は大きなメガホンを持ってティンパニに声を共鳴させ、マレットでソフトに叩きます
その後、高速演奏による鮮やかなカデンツァを繰り広げたかと思ったら、目等は6番目のティンパニに頭から突っ込んで鼓面を破り動かなくなりました
高関が心配そうに目等のところに行って、上半身がティンパニの中に埋没している目等を救い出しました
会場は大きな拍手でヤンヤヤンヤの大喝さいです
まさかティンパニストがティンパニに頭を突っ込んで曲が終わるなんて誰が考えたでしょうか
もちろん、6番目のティンパニだけは演奏されず、鼓面は皮や樹脂の代わりに紙が張ってあり 破け易くなっていたのは言うまでもありません
「冗談音楽」の代名詞とも言える「ホフナング音楽祭」で真っ先に取り上げられそうな作品ですが、時代的にカーゲルの作品の方がずっと後なので出来ません
満場の拍手の中、何度もカーテンコールが繰り返され、目等が満場の拍手を浴びました
目等氏が頭を突っ込んで鼓面が破けたティンパニ
プログラム後半の1曲目はR.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)がハンガリー生まれの詩人ニコラウス・レーナウの叙事詩に基づいて1887年から88年にかけて作曲、1889年にワイマルで初演されました
この曲における「ドン・ファン」は単なる女たらしではなく、理想の女性を追い求めながらも見出すことが出来ず、絶望の果てに死を選ぶという悲劇的なキャラクターとして描かれています
その点、「カタログの歌」で有名なモーツアルトの「ドン・ジョバン二」とは違います
この曲は、前日の公開リハーサルで小間切れながら聴いているので、その時の様子を思い出しながら聴くことになりました
高関の指揮で演奏に入りますが、冒頭から厚みのある弦楽器を中心に迫力のある演奏が展開し、もの凄い風圧が押し寄せてきます 木管楽器群が素晴らしい
また、谷あかねを中心とするホルンが冴え渡っています
荒井コンマスのソロも素晴らしかった
高関 ✕ シティ・フィルは速めのテンポにより集中力に満ちた引き締まった演奏を繰り広げました
最後の曲は、R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら 作品28」です この曲は1894年から95年にかけて作曲、1895年にケルンで初演されました
「ティル・オイレンシュピーゲル」は14世紀ドイツに実在したとも、架空の人物とも言われる伝説的ならず者です
この曲で思い出すのは、初めてこの曲をライブで聴いたヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団のコンサートです 当時はまだドイツ統一前で、東ドイツの楽団であるこのオケは独特の音色を持っていました
この時の演奏を聴いてすっかりスターツカペレ・ドレスデンが好きになり、その後 何度かコンサートを聴きに行ったものです
さて、思い出したのは、場内アナウンスで「次の曲はヨハン・シュトラウスの『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』です」とアナウンスしたことです
えっマジか?と思いました
当時は今では考えられないこんな単純なミスもあったのです
さて演奏です。この曲でも谷あかねのホルンが素晴らしい この人、もう首席にしてもいいと思います
あわせて、トロンボーン、トランペット、テューバの輝かしい演奏が冴えています
また、クラリネット、オーボエをはじめとする木管楽器群も揃って冴えた演奏を繰り広げました
また、弦楽セクションは切れ味鋭い演奏を展開しました
全体を通して、高関は緩急自在のテンポにより、シティ・フィルの持てる力を存分に引き出し、楽員総力を挙げてのスケールの大きな演奏を繰り広げました
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