22日(金)。10年くらい前のことでした 元テレビ朝日政治部長・末廷吉正さんは、当時テレビ朝日のコメンテーターを務めていらっしゃいました 当時私は内幸町のNPCビルの管理の仕事をしていましたが、同ビルの9階に日本記者クラブがある関係で、末廷さんは8階のキュービクルの一室に事務所を構えていらっしゃいました 仕事の話のついでに、私がクラシックコンサートをよく聴きに行くという話をすると、末廷さんから「姪っ子がヴァイオリンをやってるんだけど、今度コンサートがあるから聴いてやってくれないか」と頼まれました 聞くところによると、山口県光市出身、桐朋学園大学を卒業し、古館プロジェクトに所属するヴァイオリスト・末廷麻裕子さん(当時26歳位)ということでした さっそくサントリーホールのすぐ近くの、地下鉄六本木一丁目駅直通の「泉ガーデン」上層階で開かれたコンサートを聴きに行きました その時演奏した曲はヴァイオリンの小品を集めたものでしたが、それは素晴らしい演奏でした 感想を末廷氏に伝えるとともにブログにも書いたのですが、その公演の日付が分からないので検索できませんでした
さて、女性週刊誌やネット上で、フィギュアスケートの羽生結弦くんが8月に結婚した相手の元ヴァイオリニスト(36歳)は誰か?というのが話題になっていますが、末廷麻裕子さんがその人です 末廷さんの地元の新聞「日刊新周南」が報道している(Wikipediaにも載っている)ので間違いありません 羽生結弦ファンの皆さんには、ただ騒ぎ立てるのではなく、温かく見守ってあげてほしいと思います
ということで、わが家に来てから今日で3174日目を迎え、中国海事局は21日、天然ガスなどの資源を採掘する移動式掘削船が21~23日に東シナ海で活動すると発表し、その後撤回したが、中国が日本近海で一方的に資源開発を試みる動きが明らかになり、日本側の警戒が強まりそうである というニュースを見て感想を述べるモコタロです
撤回したということは 後ろめたいと思ったわけだ でも覇権主義の中国は油断禁物
昨日、夕食に「ジャガイモのチーズ焼き」「冷奴」「人参とごぼうの味噌汁」を作りました 「ジャガイモの~」はレンジを利用したので時間が短縮できました
昨夜、サントリーホールでN響9月定期公演Bプログラム(2日目)を聴きました オール・モーツアルト・プログラムで、①交響曲第29番 イ長調 K.201、②フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314、③交響曲第39番 変ホ長調 K.543です 演奏は②のフルート独奏=神田寛明、指揮=トン・コープマンです
トン・コープマンは1944年オランダのズヴォレ生まれ。アムステルダム音楽院でオルガン、チェンバロ、音楽学を学び、J.S.バッハやブクステフーデなどバロック音楽の優れた解釈者として名声を高めました また、指揮者としても1979年にピリオド楽器によるアムステルダム・バロック管弦楽団を創設、バロックから古典派に至るレパートリーを取り上げ、作品の成立した時代のスタイルと奏法に基づく演奏によって高い評価を得ています
オケは10型の小編成で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び。コンマスは読響コンマスの長原幸太、その隣は郷古廉というダブル・コンマス態勢を敷きます 読響のコンマスがN響のコンマスに迎えられるのは極めて珍しいと思います
1曲目はモーツアルト「交響曲第29番 イ長調 K.201」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が3度目のイタリア旅行(1772~1773)からザルツブルクに帰った後の1774年(28歳)に作曲しました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット ~ トリオ」、第4楽章「アレグロ・コン・スピーリト」の4楽章から成ります
トン・コープマンの指揮で演奏に入ります 弦楽器は基本的にノンビブラートのピリオド(古楽)奏法ですが、極端なメリハリをつける演奏スタイルを取らないので、現代奏法とそれほど違いを感じず、流麗な演奏を展開します 全楽章を通じて感じたのは、コープマンは弱音重視の洗練されたシルクのようなサウンドを求めているのではないか、ということです 室内楽的な親密な響きと言い換えても良いかもしれません 柔らかい響きの弦楽器にオーボエとホルンがよく溶け込んで素晴らしいアンサンブルを奏でていました
2曲目は「フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314」です この曲はオランダ出身の裕福な商人で音楽愛好家だった「ド・ジャン」から2曲のフルート協奏曲を依頼されて1778年に作曲した作品の1つです ただし、「フルート協奏曲第2番」は、この作品に先立つ1777年に作曲された「オーボエ協奏曲 ハ長調」を改作した作品である というのが通説となっています 第1楽章「アレグロ・アぺルト」、第2楽章「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります 以前、当ブログに書きましたが、この曲は私のクラシック入門曲なので大好きで大切な曲です
フルート独奏の神田寛明は、1991年に第5回フルートコンベンションコンクール及び第8回日本管打楽器コンクールで第1位を受賞 東京藝大大学院修了。N響には1994年に入団、1999年から首席を務めています
オケは弦楽器が縮小し8・6・5・4・2という編成となります
トン・コープマンの指揮で第1楽章が軽快なテンポで開始され、神田のフルートが軽やかに入ってきます 彼の演奏を聴いていると、フルートは金管楽器ではなく木管楽器であることを再認識させられます とても質感の良い音をしています。これは第2楽章から第3楽章にかけても同様に感じたことです 各楽章にカデンツァがありますが、いずれもこれまで聴いてきた音楽と異なります さて誰の作曲によるものか・・・と思って、帰宅途中にX(旧ツイッター)をクルージングしていたら、神田氏本人が「モーツアルト風に自作した」と書いていました いずれも鮮やかで見事なカデンツァでした
満場の拍手に神田は、モーツアルトの歌劇「魔笛」からパパゲーノのアリア「おいらは鳥刺し」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
【訂正】9月22日22時15分
アンコール曲はパパゲーノのアリア「恋人か女房が」でした。お詫びして訂正いたします
プログラム後半はモーツアルト「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」です 交響曲第39番、第40番、第41番は1788年6月から8月にかけて一気に作曲されましたが、このうち第39番は6月26日に完成しています 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット ~ トリオ」、第4楽章「終曲:アレグロ」の4楽章から成ります
オケは10型に戻りますが、この曲はモーツアルトの交響曲の中で一番好きな曲なので期待が高まります
コープマンの指揮で第1楽章が開始されます 基本的にノンビブラートによるクリアな演奏ですが、第29番よりもメリハリをつけた演奏で、とくに固いマレットで叩くティンパニの歯切れの良い演奏が心地よいリズムを生んでいます 私が一番関心を持っているのは第3楽章「メヌエット」です とくに後半の「トリオ」をどう演奏するかです コープマンはかなり速いテンポで第3楽章を開始し快速テンポで演奏を進めます いよいよクラリネット2本を中心とする「トリオ」の演奏に移りますが、コープマンはさほどテンポを落としません 快速テンポで疾走します 個人的には、ここはテンポを落としてじっくり聴かせてほしいところでした 第4楽章も軽快なテンポを維持し、ティンパニの鋭い打ち込みを伴ってフィナーレに向かって一気に駆け抜けました
さて 話は変わりますが、この曲のプログラム・ノートを横浜国大教授の小宮正安氏が概要次のように書いています
「そもそも『交響曲』というジャンルは、もともと劇の開幕ベル代わりに演奏される『序曲』から派生してきたものだった この作品(第39番)の第1楽章の序奏も、祝祭的な輝きを象徴する変ホ長調を基に華々しく始まる・・・にもかかわらず、その長さは尋常ではない つまり、当交響曲のみならず、3つの連作交響曲の幕開けを飾る、特別な序奏とも考えられる」
この考え方は、ニコラウス・アーノンクールの捉え方そのものです アーノンクールはコンツェルト・ムジクス・ウィーンを指揮してモーツアルト「交響曲第39番、第40番、第41番」を録音(2013年10月)していますが、そのアルバムのタイトルは「モーツアルトの後期交響曲 ~ 器楽によるオラトリオ」です つまり、彼は3つの交響曲を「1つの大きな器楽によるオラトリオ」と捉えており、「第39番」の第1楽章は3つの交響曲全体の第1楽章であり、「第41番」の第4楽章は全体の最終楽章であると捉えているのです これは実際にCDを聴いてみると、説得力があると感じます
コンサートに戻ります。またしてもN響の思う壺ですが、カーテンコール時の模様を写メしたのでアップしておきます
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます