7日(木)。昨日の朝日朝刊・社会面に「イクメン出番だ NHKが『おとうさんといっしょ』」という記事が載りました 記事を要約すると、
「NHKの『おかあさんといっしょ』が放送開始54年目の今年、4月から『おとうさんといっしょ』も始まる。数年前から子育てに積極的な父親を”イクメン”としてメディアが取り上げるなど、父親の子育て参加の機運は高まっている 放送は4月7日から毎週日曜午前8時からBSプレミアムで。再放送は土曜日の夕方5時半。『おかあさんといっしょ』と同様、おにいさんやおねえさんが登場して歌って踊るほか、新キャラクターも登場させる
」
さて、長男がO歳児保育園に通っていたころのことですから、今から20年程前のことです。当時、文京区白山に住んでいましたが、私は本郷にあるJ保育園にほぼ100%長男の送り迎えをしていました 当時は父親が子供の送り迎えをするのは珍しく、一般的ではありませんでした
ある時、園長先生から「知人からNHKの幼児番組『すくすく赤ちゃん』という番組で、父親と子供のかかわりについて番組を作りたいのだが、出演してくれる父親を数名推薦してほしいと頼まれた。ついては出演してくれないだろうか」と頼まれました。話を聞くと、その番組では、父親と子供が一緒に新聞紙を折ってカブトを作るという内容でした。ちょうど5月の「子供の日」を間近に控えた頃だったのです
「そういうことなら」ということで他の父親・幼児とともに”出演”しました 何週間後かの土曜か日曜の夜にその番組は放送されました。幼児番組なので誰も観ている人はいるまい、とタカをくくっていたのですが、そうではありませんでした
その頃私は元の職場で、新聞社の人事労務関係の研究会の仕事をしていたのですが、懇親会の席で、富山に本社のあるK新聞社のS研究員から「この間、テレビを観ていたらSさん(私のこと)らしい人が映っていたんですが、あれはSさんですよね」と言われました。ちょうど何かの選挙の真っ最中で、どのチャンネルを回しても同じ選挙報道なので、NHK教育テレビを付けてみたら幼児番組を放送しており、幼児を相手に新聞紙でカブトを折っている私の姿を”発見した”ということでした もちろん、「そうです、あれは私です
」と白状して、事情を説明しました。その時「どこで誰が観ている分からない。油断できないぞ
」とつくづく思いました。
また、職場の女性の紹介で日経女性記者の取材を受け、日経の夕刊にも写真入りで登場しました 取材の趣旨は「夫婦共働きでストレスを溜めない方法」というものでしたが、あらかじめ記者なりの結論があって、それを引き出すために質問をしていたように感じました。今あらためてタイトルを見ると「男も育児ヒステリー」とあります。随分なタイトルを付けてくれますよね。また、写真の説明に文京区の保育園なのに千代田区と書かれていました
新聞記者はもっとまじめに取材してほしいと思ったものです
J保育園では、長女がお世話になった時の”手作り保育”に感激したこともあり、恩返しの意味で父母の会会長に立候補しました。、小さなデザイン事務所を経営するU夫妻と私が中心になり、他の母親たちに編集委員になってもらって「ぱぱままタイムス’93」という月間のミニコミ紙を発行しました アンケートをとって”手早くできる乳児食”、”梅雨時に洗濯物を手早く乾かす方法”など、すぐに役立つ情報を掲載しました。また、父親だけ数人集めて”父親座談会”を開き、子供との関わりや育て方などについて話し合い、その模様を掲載しました
(創刊号の第1面)
(父親座談会記録の見開き紙面の片面)
その後、長男がO歳児保育園を卒園し年長保育園に通っていた頃、J保育園のS園長から電話があり、日本保育協会が「病後児保育の現状と課題」というテーマでパネル・ディスカッションをやるのだが、保護者の代表として出席してくれないか、という打診がありました 湯河原への1泊出張の2日目だったのですが、時間的には間に合うだろうと、引き受けることにしました
そんな時「阪神淡路大震災」が起こりました。記録によると1995年(平成7年)1月でしたが、パネルはその1週間か2週間くらい後に都内で開かれました
パネルは、保育園側、行政側、保護者側から各1名と、大学の先生が司会を務めました。たしか、保育園側の代表者が阪神大震災で保育園が被災した園長先生でした 私は前の日の出張で風邪を引いてしまいドラ声で発言しました。「子どもはちょっとしたことですぐに熱を出してしまう。不思議と仕事で忙しい時に限って高熱を出す
風邪が治りかけたな、と思って朝、熱を計ると平熱よりずっと高いこともしばしばだ。どうしても出勤しなければならない時は、保育園には申し訳ないが、おしりに座薬を入れて熱を下げて保育園に預けたものだ。この会場に当時の園長先生がいらっしゃるが、この場で謝罪したい
」と話したのを覚えています。
”育児に積極的に関わる父親”の先輩として、今”イクメン”と騒がれている若い父親にはエールを送りたいと思いますが、周りで騒いでいる世間を見ると「何を今さら」と言いたくなる今日この頃です
今から20年ほど前、実家の奥のほうにある保育園に毎朝、子供をだっこバンドに入れて通ってくるお父さんがいました。私の父なぞ彼を見ると
「あの人偉いよね、、パパはあの姿を見ると涙が出そうになるんだ」と戦中派の涙?を誘っていました。
あの赤ちゃんも大きくなったでしょう。