24日(火)。わが家に来てから今日で1391日目を迎え、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は22日午後、保護主義への対抗姿勢を確認する内容の共同声明を採択して閉幕したと いうニュースを見て感想を述べるモコタロです
いくら共同声明を出したって 全く無視する某国の大統領がいる限り 意味なくね?
昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました 最近、カレーは「野菜のドライカレー」が続いたので、久しぶりに「ビーフカレー」にしました わが家はビーフと言ってもブロックではなく 切り落としを使います 暑い日にはカレーですね
「ETライブビューイング アンコール2018」が8月4日から上映されます これは、これまで上映されてきたMETライブビューイングの「2006ー07シーズン」から「2017-18シーズン」までの作品の中から人気作27演目を一挙に上映するものです 上映は8月4日(土)から10月5日(金)までで上映館は東銀座「東劇」です
チケット代は当日一般@3,100円、学生@2,100円(トリスタンとイゾルデのみ@4,600円、@3,200円)ですが、4枚セット券(10,400円)もあります。セット券なら1枚当たり2,600円と超お得です。現在発売中です
全27作品の上映スケジュールは下のチラシ記載の一覧表の通りです。いずれも素晴らしいパフォーマンスですが、個人的にお薦めしたいのは次の5本です
①ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」(2006-07シーズン) 演出=バートレット・シャー 指揮=マウリツィオ・ベニーニ 出演=ジョイス・ディドナート、フアン・ディエゴ・フローレス他
②プッチーニ「トゥーランドット」(2009-10シーズン) 演出=フランコ・ゼフィレッリ 指揮=アンドリス・ネルソンス 出演=マリア・グレギーナ、マルチェッロ・ジョルダ―二他
③レハール「メリー・ウィドウ」(2014‐15シーズン) 演出=スーザン・ストローマン 指揮=アンドリュー・ディヴィス 出演=ルネ・フレミング、ケリー・オハラ他
④ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」(2015-16シーズン)演出=ディヴィッド・マクヴィカー 指揮=マルコ・アルミリアート 出演=アンナ・ネトレプコ、ディミトリ・ホヴォルストフスキー他
⑤プッチーニ「ラ・ボエーム」(2017-18シーズン) 演出=フランコ・ゼフィレッリ 指揮=マルコ・アルミリアート 出演ーソニア・ヨンチェヴァ、マイケル・ファビアーノ他
上記のうち①と②はそれぞれ3回は観ていますが、まったく飽きません ①はとにかく楽しい。演出も素晴らしい。フアン・ディエゴ・フローレスのハイCは聴きものです ②は絢爛豪華な舞台と演出が最高。グレギーナのトゥーランドット姫はマイ・ベストです ③はミュージカル出身のケリー・オハラの歌い方が独特です ④は歌手陣が揃って素晴らしい ⑤はゼフィレッリの舞台・演出が最高です
村上春樹「村上さんのところ」(新潮文庫)を読み終わりました この本は、2015年1月15日から5月13日までの119日間の期間限定サイト「村上さんのところ」に寄せられた、村上春樹氏への質問・相談メール 合計37,465通(うち外国語は14か国2,530通)に対し 村上氏が回答を寄せた3,716通の中から473通を厳選して紹介しています その内容は、恋愛、人間関係、仕事から小説の書き方、音楽や映画、猫、村上氏がファンであるヤクルトスワローズの話題まで広範囲にわたっています
473通の質問と回答はどのくらいの分量かというと、文庫本で630ページを超えます 当初の予想通り、本はドッグイヤーだらけになりました 質問者の属性で気が付いたのは、現役の教師(とくに国語)が多いということです 文学者を目指して小説を書いてはみたものの、望みが叶わず、中学もしくは高校の国語の教師になったというような人が村上主義者には多いのかな、と勝手に想像しました
話題があまりにも多岐にわたっているので、私の興味のある「音楽」とその周辺にテーマを絞ってご紹介しようと思います 回答の次の ⇒以下はtoraの個人的なコメントです
【カラヤンの音楽について】
指揮者としてのカラヤンについてどのように思われますか? また、愛聴されているカラヤン関連作品がありましたら教えてください。
【村上さんの回答】
私は「カラヤン嫌い」ではありません。ちょくちょく聴いています 今一つ承服できない演奏もあり、また「これは素晴らしい」と思う演奏もあります 一番好きなのは「マーラー9番」かな。あれはとても良いと思いますオペラも素晴らしいですよね。でも、カラヤンの件に限らず、日本のクラシック音楽のファンって、けっこう非寛容な人が多いですよね。「××を認めるようなやつとは口もききたくない」とか。そこまで決めつけなくてもいいだろうと思うんですが
⇒リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」は素晴らしいと思います
【シベリウスの音楽について】
シベリウスの生家も訪問された村上さんは、シベリウスのどのあたりに魅力を感じていらっしゃいますか?
【村上さんの回答】
一口では言えません。何となくシベリウスのシンフォニーを聴いていると気持ちが良いんです どの曲が好きだとか、そういうのもあまり関係ないみたいですね。1番とか5番とかは比較的よく聴きます 聴いていると、固有の風景みたいなものが目の前にさあっと浮かんできて、それを雄大な一幅の絵みたいに ただぼおっと眺めているみたいな。シベリウスの全集をいくつか持っていますが、僕はコリン・デイヴィス指揮ボストン交響楽団の演奏が昔からけっこう好きです。節度があって、押しつけがましくなくて、好感が持てます
⇒私もいくつか持っている全集(ザンデルリンク、コリンズ、バルビローリほか)の中で、このCDセットが一番の愛聴盤です
【LPレコードとCDについて】
村上さんはシチュエーションに応じて聴く音楽の媒体を変えているのでしょうか? 移動中や走る時はデジタル音源、家ではアナログレコードとか。
【村上さんの回答】
アナログとCDは使い分けています。仕事をする時は、どちらかといえばアナログを聴くことが多いですね CDよりもLPの方が、なんとなく気持ちが穏やかになるので、前の夜に「明日はこれを聴こう」と5、6枚のレコードを用意しておいて、朝起きたらそれを順番に聴いていきます。朝はだいたいクラシック音楽を聴いています
⇒LPは滅多に聴きません。レコードとレコード針をアルコールで消毒して、針をレコードの溝にゆっくり落として、それからボリュームを上げて・・・と いろいろ「儀式」があります
【音楽と文章について】
村上さんの小説と同じくらい、村上さんの音楽に関する文章が好きで、愛読しています 村上さんは音楽と言葉の関りについてどのように考えておられますか?
【村上さんの回答】
僕は素晴らしい音楽を聴いたら、その素晴らしさをなんとか文章のかたちに置き換えてみたいといつも思います それはとても自然な欲求なのです。そしてその文章を誰かが読んで、「ああ、この音楽を聴いてみたいな」と思ってくれたら、それに勝る喜びはありません。でも音楽を文章で表すのって、ずいぶんむずかしいです 僕はそれを自分にとっての大事な文章修行だとみなしています。音楽を聴くことと、音楽についての文章を読むことは、お互いを助け合う行為だろうと僕は考えていますが、直感と思索は、互いを支え合うべきなのです
⇒まったく同感です。とくに音楽を文章で表すのはずいぶん難しいと思います
【読書感想文克服法について】
本を読むのも、文章を書くのも嫌いじゃないのに、感想文を書かなきゃと思って本を読むと、なぜだか内容がぜんぜん頭に入ってきません 読書感想文をさらりと書くコツがあれば、ぜひ教えてください
【村上さんの回答】
よくぞ訊いてくれました 僕は昔から読書感想文を書くのが得意でした。読書感想文を書くコツは、途中でほとんど関係ない話(でも どこかでちょっと本の内容と繋がっている話)を入れることです それについてあれこれ好きなことを書く。そして最初と最後で、本についてちょろちょろっと具体的に触れる。そうするとなかなか面白い感想文がすらすら書けます。やってみてください
⇒私の場合は、他の生徒が書きそうなことは書かず、あえて正反対に近いことを書いていました。中高生の頃から確信犯的天邪鬼でした
【大西順子さんの「ラプソディ・イン・ブルー」について】
先日、部屋で掃除をしていた時、唐突に涙があふれ出しました。ふと顔を上げると、テレビでサイトウ・キネン・フェスティバルの公演が放映されていて、大西順子さんが「ラプソディ・イン・ブルー」を弾いていたのです もう二度と生では聴けないのかなぁと喪失感でいっぱいになります。現役のジャズピアニストをお薦めいただければ幸いです
【村上さんの回答】
これはあくまで僕の個人的な意見であって、異論もあろうかと思いますが、大西順子さんは別格です もちろん上手なピアニスト、才能のあるピアニストは何人もいますが、「ジャズへの志」「ジャズの魂」という部分をとってみれば、彼女に匹敵する人はまずいません ほかの人とはレベルが違うと思います。代わりの人は思い付かないですね。彼女の本格的な復帰を待ち望むのみです
⇒3日前の9月21日(土)にミューザ川崎で演奏されたノット✕東響✕大西順子トリオによる「ラプソディ・イン・ブルー」は忘れられない名演でしたが、完全に復帰していましたね
以上のほかに、「なぜ人を殺してはいけないのか」「好きなことは仕事になり得るのか」「批判に対する心構えとは」「村上さんの生き方の原点は?」「子どものやる気を引き出すには」「小中学生に道徳を教えるには」「『時』は何を解決してくれますか?」「生きることが辛い時には」といった極めて真面目なテーマから、「アイドルオタクの夫」「マネキンと上手に別れたい」「セクシーランジェリーの正しい活用法」「妻が乳首をさわってくる」「笑えないダジャレにはワケがある」「体重を減らす3つの方法」などの軟派なテーマまで、村上氏が真正面から、時にユーモアを交えながら答えています さながら「村上春樹 人生相談 473件」です
この本には生きるヒントがびっしり詰まっています 630ページありますので、熱中症にならないように水分補給をしながら じっくり読むことをお薦めします