人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「テアトロ・レアル(王立劇場)オペラ・オン・スクリーン」でビゼー「カルメン」を観る ~ 前代未聞!ステージ上に自家用車が10台登場:新国立劇場小劇場

2018年07月04日 07時20分50秒 | 日記

4日(水)。わが家に来てから今日で1371日目を迎え、10月11日の東京都の豊洲市場開場まで100日となった3日、市場の業界団体が築地市場内で残り日数を表示する電光掲示板を再び点灯させた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これでもう魚ッとする”場外”乱闘はないですよね  イケイケ コイケヤの都知事さん

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とパプリカの中華炒め」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました 「鶏肉~」は初挑戦ですが、何とか美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、初台の新国立劇場小劇場で「テアトロ・レアル(王立劇場)オペラ・オン・スクリーン」の第2回:ビゼー「カルメン」を観ました キャストは、カルメン=アンナ・ゴリャチョヴァ、ドン・ホセ=フランチェスコ・メリ、エスカミーリョ=カイル・ケテルセン、ミカエラ=エレオノーラ・ブラット、フラスキータ=オリヴィア・ドレイ、メルセデス=リディア・ピンイェ・クルティスほか、指揮=マルク・ピオレ、演出=カリスト・ピエイトです

 

     

 

初日は理事長でしたが、2日目は駐日スペイン大使館のゴンサロ・デ・ベニート大使が挨拶されました   バルコニー席を除く288席のうち8割方埋まっている感じです

指揮者が登場し、あの勇ましい「序曲」が演奏されます 前日の「蝶々夫人」と違い、ステージの中央に国旗掲揚用のポールが、左サイドには電話ボックスが置かれているだけなので舞台が広く感じます この広さを利用して、後で大変なことが起こります 登場人物の衣装からみても どうやら舞台を現代に置き換えて演出するようです

第1幕では、まずドン・ホセが登場しますが、フランチェスコ・メリはこの役を得意としているようで、演技を伴った素晴らしい歌唱力です 次いでヒロインのカルメンが登場しますが、アンナ・ゴリャチョヴァは”魔性の女”カルメンにピッタリの風貌とふてぶてしいまでの強靭な歌唱力を持っています カルメンは歌って踊って演技してと3拍子揃っていないと務まりませんが、彼女はスタミナ十分です

次に登場するのはホセの母親から手紙を預かって故郷から出てきたミカエラですが、エレオノーラ・ブラットはか弱い女性というよりも自分の意志をしっかり持った女性として演じていました

最近のオペラでは 受け狙いで 小道具にスマホが使われたりします 昨年のヤルヴィ✕N響によるモーツアルト「ドン・ジョバンニ」でもレポレッロが「カタログの歌」を歌いながら器用に操作していました 今回の公演では、第1幕でホセとミカエラが二重唱を歌いながらポラロイド・カメラでお互いを撮影したり、二人そろって自撮りしたりするシーンがあります 同じ現代でもちょっと昔の現代でしょうか ところが、ホセはせっかく撮った写真をカメラから引き出して捨ててしまうのです 母親から託された手紙(ミカエラと結婚しなさいということを暗示している)を持ってきてくれたミカエラに対しむごい仕打ちだと思いますが、これには理由がありそうです

実はミカエラが来る直前にホセは カルメンが意味ありげに自分に投げつけた薔薇の花を大事に持っていて、心はカルメンに傾いていたのです しかし、母親の手紙を読んで「危うくカルメンの魔力の虜になるところだった」と言ってカルメンを諦めるのです、普通の演出では ところがこの演出では、二人が写った写真を捨てることによって ホセはまだカルメンが諦めきれないでいることを暗示しているのです。これはホセの内心の可視化を試みた演出だと思います

闘牛士エスカミーリョを歌ったカイル・ケテルセンは どこかで見たことがあると思ったら、昨年9月9日のヤルヴィ✕N響によるモーツアルト「ドン・ジョバンニ」でレポレッロを歌ったバスでした   彼です、スマホを操作して「カタログの歌」を歌っていたのは   このエスカミーリョは魅力があります。イケメンで背丈もあり歌も上手いときたらエスカミーリョをやるしかないでしょう

第2幕に入ると、古いベンツが登場します ところが、第3幕に入ると何と10台もの車が次々とステージに現われ駐車していきます 「これはオペラ界の10台ニュースだ」と独り言を言っても誰も振り向いてくれません

カリスト・ピエイトの演出では、ホセとカルメンの間でR15あるいはR18指定寸前の際どいシーンが何カ所かありますが、スペインのオペラ界はここまで来ているということでしょうか サッカー・ワールドカップ、お互いに惜しかったですね・・・関係ないか フラスキータとメルセデスは限りなく透明に近いセクシーでした

私は基本的に 舞台を現代に移したりする演出は嫌いです その意味で最悪だったのは数年前の新国立オペラ、ヴェルディ「ナブッコ」でした。あろうことか舞台がデパートでした サリエリの真似ではないですが「まずは音楽、お次は演出」であるべきです あの演出では音楽が 黄色の翼に乗って どこかにすっ飛んで行ってしまいました 「金返せ」の世界です。その点、今回の演出は 自家用車が10台も出てきたりしましたが、車を道具として有効に活用していたし、何より歌を損なうようなことはありませんでした   その意味では許される範囲の演出だったと思います

それにつけても、「カルメン」は素晴らしいオペラですね 美しいメロディーラインに溢れています   幕間の2つの間奏曲を含めて魅力的な音楽だと思います

 

      

コメント (2)
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