19日(木)。わが家に来てから今日で1386日目を迎え、トランプ米大統領は17日、2016年の米大統領選にロシアが介入したとする米情報機関の捜査結果を「受け入れる」と述べ、ロシアのプーチン大統領と行った16日の会見での米情報機関よりプーチン氏を信じるような発言を「言い間違いだった」と釈明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
たった1日で前言を撤回するトランプに振り回されている米国は 世界は 危うい!
昨日、夕食に「ニラのスタミナ丼」「生野菜とササミのサラダ」「冷奴」「厚揚げ焼き」を作りました 「冷奴」には山芋の擦りおろし、削り節、ミョウガを載せ、「厚揚げ焼き」には生姜を乗せ醤油をかけてあります 今日の格言:ちょっと待て、その一口が豚になる
第64回藝大オペラ「魔笛」のチケットを取りました 10月7日(日)午後2時からの部で、東京藝大奏楽堂で開かれます。高関健指揮 藝大フィルハーモニア管弦楽団による演奏で、歌手陣は6日と7日のダブルキャストです 7月4日チケット発売開始というのを失念していて出足が遅くなったため、前方ながら端の席しか取れませんでした。今回は大失敗です
昨日、池袋の新文芸坐で「酔いどれ天使」を観ました これは黒澤明監督・脚本による1948年東宝映画(白黒・98分)です
反骨漢だが一途な貧乏医師の真田(志村喬)は闇市のヤクザ・松永(三船敏郎)の鉄砲傷を手当てしたことがキッカケで、松永が結核に冒されていることを知り、酒を止めさせ必死で治療を施す しかし、若く血気盛んな松永は素直になれず酒に入り浸り威勢を張るばかり。さらに、出獄してきた兄貴分の岡田(山本礼三郎)との縄張りや情婦・奈々江(小暮美千代)を巡る確執の中で急激に弱りはて追い詰められていく 吐血し真田の診療所に運び込まれ、真田の家で一旦は養生を試みるが、結局は殴り込みを仕掛けた末、返り討ちにあい死ぬ 真田はそんな松永の死を、毒舌の裏で哀れみ悼む。闇市は松永など最初からいなかったかのように賑わい活気づいている。真田は結核が治癒したと微笑む女学生(久我美子)と再会し、一縷の光を見い出した思いで去る
この映画は、黒澤明と三船敏郎が初めてコンビを組んだ作品です 三船は1947年(昭和22年)の第1期東宝ニューフェイスで補欠採用され(手違いで応募書類が俳優採用に回されたらしい)、同年公開の「銀嶺の果て」(黒澤明脚本・谷口千吉監督)でデビューしましたが、この作品で三船が見せた野性的な魅力とスピーディな演技に惚れ込んだ黒澤は、「酔いどれ天使」の準主役・松永役に抜擢したのです この作品に見る三船は目がギラギラしていて「寄らば斬る」的な近寄りがたい雰囲気をまとっています 主役の真田を演じる志村喬はこの作品が黒澤作品としては初出演でした その後の活躍を見れば、黒澤映画にはなくてはならない存在になる第一歩の記念すべき作品でした
この映画の終盤で、松永の死を知らない真田が「あいつに栄養をつけてやろう」と言って 闇市で卵を買うシーンがありますが、張り紙には「生みたて卵 1コ18円」と書かれていました 昨日コンビニで10個入りパックの卵を買ったら税込み214円でした。1個当たり21円強ということになります 1948年から70年も経っているのに3円しか値上がりしていないことに驚きます 「卵は物価の優等生」とよく言われますが、まさにその通りですね 黒澤映画はその当時の生活や風俗もしっかり教えてくれます
ところで、この音楽を担当しているのは早坂文雄ですが、黒澤と初めてコンビを組んだのがこの作品です 劇中の音楽は1946年に設立された「東宝交響楽団」が演奏していますが、1951年に「東京交響楽団」と改称され、現在に至っています またダンスホールのシーンでは笠置シズ子が「わ~お、わ~お、わお~」と勇ましく始まる「ジャングル・ブギ」を歌っていますが、この曲の作詞は何と黒澤明で、作曲は服部良一です。何と贅沢なコンビでしょうか
音楽と言えば、落ちぶれた松永が結核に苦しみながら闇市をさすらう陰鬱な場面で、なぜか明るく賑やかな「カッコウワルツ」(1913年:ヨハン・エマヌエル・ヨナ―ソン作曲)が流れます この手法は、暗い場面であえて明るい曲を流すことによって、一層主人公の惨めさや悲しさを強調する役割を果たしています 今から30年以上も前だったと思いますが、NHKで「万葉の娘たち」という連続テレビドラマが放映されたことがありました。あの中でも、悲劇的なシーンにヴィヴァルディのフルート協奏曲「ごしきひわ」の明るく軽快な音楽が流れていたことを思い出しました あれも同じ手法によるものでした
黒澤監督はクラシック音楽に造詣が深かったことは良く知られていますが、音楽一つ取ってみても黒澤映画は面白い実に面白い