人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「テアトロ・レアル(王立劇場)オペラ・オン・スクリーン」でヴェルディ「椿姫」を観る~ヴィオレッタに成り切った迫真の演技のエルモネラ・ヤオにブラボー!:新国立劇場小劇場

2018年07月05日 07時21分13秒 | 日記

5日(木)。わが家に来てから今日で1372日目を迎え、米ハワイ州のイゲ知事は3日、サンゴ礁への有害性が指摘される物質を含んだ日焼け止めの販売や流通を禁じる法律に署名した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       プラスティックゴミの方が深刻だね ただのゴミはサッカーのサポーターに任せて!

     

         

 

昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました 「野菜と~」の材料は、豚ひき肉、ナス、ピーマン、玉ねぎ、トマトです。初挑戦ですが美味しく出来ました 暑い夏にお薦めメニューです

 

     

 

         

 

昨日、初台の新国立劇場小劇場で「テアトロ・レアル(王立劇場)オペラ・オン・スクリーン」の第3回:ヴェルディ「椿姫」を観ました

キャストは、ヴィオレッタ=エルモネラ・ヤオ、アルフレード=フランチェスコ・デムーロ、ジェルモン=フアン・ヘスス・ロドリゲス、フローラ=マリフェ・ウビエタほか、指揮=レナ―ト・パルンボ、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです 

このうちエルモネラ・ヤオは第1回目「蝶々夫人」のタイトルロールを歌い、圧倒的な存在感を示したソプラノです また、演出のデイヴィッド・マクヴィカーは今年2月のMETライブビューイング、プッチーニ「トスカ」において冴えた演出で話題を呼んだスコットランド生まれの演出家です

 

     

 

最終日のこの日は、午前中に来日したばかりのテアトロ・レアルのイグナシオ・ガルシア・べレンゲル総裁の挨拶がありました

聴衆は3日間で一番多く、バルコニー席を除いて9割方埋まっている感じです

レナ―ト・パレンボの指揮によりピアニシモで開始される前奏曲が演奏されます これほど繊細で美しい前奏曲も珍しいでしょう 一転、舞踏会の賑やかな音楽が展開し、椿姫=ヴィオレッタが登場します ヒロインを演じるエルモネラ・ヤオは「蝶々夫人」では15歳から18歳までのヒロインを演じましたが、今回はパリの高級娼婦の役割ということで、年齢的にはこちらの方が演じやすいかもしれません

アルフレードとともに「乾杯の歌」を歌いますが、ステージが一気に華やぎます 演出・舞台は極めてオーソドックスなもので好感が持てます 第1幕の一番の聴きどころはフィナーレでヴィオレッタが歌う「ああ、そは彼の人か~花から花へ」です 蝶々夫人の時と同様、ヤオはヴィオレッタに成り切って、美しいコロラトゥーラ・ソプラノで戸惑う心を歌い上げます。大迫 力半端ないです 一方、相手役のアルフレードを歌ったフランチェスコ・デムーロは 風貌からして「この女性一筋」のマジメ男で、役柄にピッタリです。歌も誠実さに溢れています

第2幕ではアルフレードの父親ジェルモンがパリ郊外で暮らすヴィオレッタを訪ね、娘の結婚のためにアルフレードを諦めてくれと頼みますが、フアン・ヘスス・ロドリゲスは深みのあるバリトンで、子を持つ父親の心情を切々と歌い上げました 最初は抵抗していたヴィオレッタですが、最後には説得されて不本意ながらアルフレードを諦めます。その時のヤオの頬には涙の筋が伝っていました

その後、ジェルモンはアルフレートを相手に「プロヴァンスの海と土地」を朗々と歌いますが、このアリアは聴きごたえがありました

 

     

 

第3幕は病床に伏すヴィオレッタの最後のシーンですが、冒頭、音楽だけが流れる間のヤオの演技は、今にもヴィオレッタが咳き込んだまま死んでしまうのではないかと思わせるような迫真の演技でした そして、「アルフレードは外国におります。あなたの犠牲については私自身が彼に打ち明けました。彼はあなたのお許しを求めに行くでしょう。私もまた行くつもりです」というジェルモンから届いた手紙を声を出して読んで、「遅すぎるわ」と叫んで「ああ、道に迷った女の希望に微笑んで・・・、ああ、すべては終わったわ」とはっきりと死を意識した最後のアリアを歌いますが、この時 彼女の目から涙が流れていました。それを観ているわれわれは、彼女こそヴィオレッタその人だと確信します

2日前の「蝶々夫人」がそうであったように、この「椿姫」もエルモネラ・ヤオのための「椿姫」だったと思います

これをもって3日間にわたり上映されてきたテアトロ・レアル「オペラ・オン・スクリーン」が終了したわけですが、上映された三作品「蝶々夫人」「カルメン」「椿姫」には2つの共通点があります 言うまでもなく、いずれも女性が主役だということ、そして、最後にヒロインは死ぬということです 蝶々夫人は自ら首をかき切って、カルメンはホセに刺されて、椿姫は肺結核で息を引き取ります。もっとも、ヒーローやヒロインが最後に死ぬのはこの三作品に限ったことではなく、”正統派”オペラの常道と言えるかもしれません   おっと、私としたことが 3つ目の共通点を失念していました 3作ともオペラの歴史に燦然と輝く名曲中の名曲だということです

 

     

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