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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東響オペラシティシリーズ第77回定期公演を聴く~ウルバンスキのブラームス「交響曲第2番ニ長調」

2013年12月02日 07時01分17秒 | 日記

2日(月)。昨日、サントリーホールで東京交響楽団の東京オペラシティシリーズ第77回定期演奏会を聴きました 実は、土曜の夕方、ミューザ川崎で「名曲シリーズ演奏会」があり、同じ演奏家・プログラムで演奏されたのですが、私は文京シビックホールで東京フィルの第9を聴いていて、それが終わってから川崎に駈け付けても間に合わないと思い、事前に会社の同僚Aさんにチケットを譲っておいたのです

プログラムは①ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456」、③ブラームス「交響曲第2番ニ長調」です。指揮はポーランド出身、東響の首席客員指揮者クシシュトフ・ウルバンスキ、②のピアノ独奏はトルコ生まれのフセイン・セルメットです

 

          

 

1曲目のペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」は、多分、ポーランド出身のウルバンスキが、自国の作曲家による「広島」のタイトルの付いた曲をわざわざ選んだのだと思います ヴァイオリン24、ヴィオラ10、チェロ10、コントラバス8の全52弦楽器で演奏される10分もかからない曲です。ペンデレツキが27歳の時、1960年に作曲されました

背丈のあるウルバンスキが颯爽と登場、コンマスの大谷康子と握手しますが、まるで大人と子供の違いです ウルバンスキは不協和音に満ちた曲を微妙にコントロールします。原爆投下後の広島市内の瓦礫の山が目に浮かぶような息苦しい音楽を表出します

2曲目はフセイン・セルメットをソリストに迎え、モーツアルト「ピアノ協奏曲第18番K.456」です この曲は、当時のピアノの名手、ウィーン生まれのマリーア・テレージア・フォン・パラディースがパリで開く演奏会のためにモーツアルトに作曲を委嘱したものと推定されています 当時のピアノ協奏曲がそうであるように、第1楽章は序奏が延々と続き、ピアノはなかなか登場しません そして満を持してピアノがおもむろに登場、まるで、人民を待たせる女王のようです

セルメットのピアノは特に印象に残るところがない、つまり彼ならではの特徴が見当たらないのですが、ウルバンスキがよく伴奏を付けています。第2楽章から第3楽章にかけては、続けて演奏しました

休憩後のブラームス「交響曲第2番ニ長調」は、1877年6月から9月にかけての僅か4か月間で書き上げました 着想から完成まで21年もかかった第1交響曲の呪縛から逃れ、開放感があったのかも知れません。終始明るく喜びに満ちた曲です

ウルバンスキの指揮は華麗です 同じ華麗な指揮でもカルロス・クライバーとは一味違った華麗さです。クライバーはまるで踊るようなタクトさばきですが、ウルバンスキはあくまでも冷静で、とくに左手の使い方が美しく流れるような指揮をします しかし、その音作りは決して派手ではなく、むしろ控えめと言っても良いほどです それでも締めるところは締め、最大の効果を発揮してブラームスの音楽を構築していきます

終演後、オケを何度も立たせ、セクションごとに立たせ、最後は半沢直樹ばりにニコッと笑顔を見せて舞台袖に引き上げていきました。聴衆の熱狂的な拍手に対するお礼の倍返しでしょうか。新しい首席客員指揮者はなかなかのやり手です

 

          

 

昨夜、たまたまEテレを点けたら「クラシック音楽館」という番組をやっており、ちょうどブロムシュテットがN響を指揮してブラームスの「交響曲第2番」を演奏するシーンが映し出されていました 9月のN響定期公演の録画放送です。オケは左サイド奥にコントラバスを配し、左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとっており、ちょうど真ん中の位置で向山佳絵子がチェロを弾いているのが確認できました 彼女は今年春からN響の首席チェリストになったのです。他のメンバーを見てもかなり若返っているのが分かります。N響も進化の途中なのでしょうか

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