9日(月)。今日は新聞休刊日。活字中毒の私にとって、メールボックスに朝刊が入っていないのは、リンゴの入っていないアップルパイみたいなもので、気が抜けてしまいます ただ、新聞配達の皆さんにとっては1年に10回程度しか休みがない訳で、それを思えば、貴重な休日ですのでゆっくり休んでいただきたいと思います 皆さん、毎日、朝早くから新聞を届けて下さりありがとうございます
閑話休題
昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで音楽大学フェスティバル演奏会を聴きました 最初に東京音楽大学が川瀬賢太郎の指揮で①ベートーヴェン「交響曲第8番」、②ハチャトゥリアン「バレエ音楽”ガイーヌ”より4曲」を、次いで国立音楽大学が山下一史の指揮で①バルトーク「オーケストラのための協奏曲」を演奏しました
自席は1階0列11番、左ブロック右サイド席です。会場は8~9割方埋まっている感じです 2つのオケが競演するため、お互いの健闘を讃えて、演奏前にブラスによるファンファーレの交歓があります
最初に東京音大の健闘を讃えて、国立音大の竹蓋彩花さん作曲によるファンファーレが14人のブラス+ドラムにより華々しく演奏されます そして、オケのメンバーが登場しますが、予想通りとはいうものの圧倒的に女性が多いのに驚きます 男子学生は15人程度しか数えられません。弦も管も打もすべて女性上位です。コンマスも女子学生です
1984年生まれ、2007年に東京音大を卒業した川瀬賢太郎がタクトを持って登場します。川瀬は軽快なタクトさばきで明るい曲想の第8番を進めます。途中、管楽器が突拍子もない音を出すシーンがありましたが、ご愛嬌です
曲が終わると、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのメンバーが立ち上がって、場所を入れ替わりました。1年に何度もない晴れの舞台、ヴァイオリンセクションは、誰にも第1を弾くチャンスを与えようという配慮なのでしょう
態勢が整ったところで、2曲目はアルメニア生まれ、ソ連で活躍したハチャトゥリャンのバレエ音楽「ガイーヌ」から「剣の舞」「バラの娘たちの踊り」「子守唄」「レズギンカ」の4曲の演奏に入ります
最初の「剣の舞」はハチャトゥリャンの代名詞的な曲です。クラシック音楽を聴きはじめた頃、あの勇壮でスピード感溢れる曲想に魅せられて、LPレコードを繰り返し聴いたものです 4曲を通して、東京音大の管楽器セクションの素晴らしさが発揮され、弦も打楽器も迫力がありました
休憩後は国立音大です。最初に東京音大の小濱響子さん作曲によるファンファーレが10人のブラス+ドラムにより華やかに演奏されます そして、オケのメンバーが登場します。東京音大ほどではないものの、女性の比率が非常に高いことには違いありません。低弦楽器に、学生にしては少々老けたベテランが混じっています ヴィオラ、チェロ、コントラバスに数人、多分、教授陣なのでしょう。先日聴いた武蔵野音大の時にも同じような光景が見られました。このオケもコンマスは女子学生です。指揮者の山下一史は指揮棒を持たずに登場します
バルトークはナチに反対して1940年にハンガリーを出国しアメリカに亡命しましたが、1943年に指揮者セルゲイ・クーセヴィッツキーから新作の作曲を依頼されます。それが「オーケストラのための協奏曲」で、44年12月にクーセヴィツキ―指揮ボストン交響楽団により初演されました
バルトークと言えば、先日の特定秘密保護法案を採決する時の与野党間の舌戦を思い出します・・・・・・・いけね、あれはバトルトークだった これ秘密ね
この曲は第1楽章「序章」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「悲歌」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「終曲」から成りますが、聴いていて面白いのは後半の第4~第5楽章です。第4楽章では馬のいななきが聴こえます 最後の第5楽章は息もつかせぬプレストでフィナーレを迎えます
国立音大の面々は管も、弦も、打楽器も技巧的なこの曲に真正面から対峙し指揮者の指示に応えていました
会場を後にして歩きながら思ったのは、今は親がかりで音楽大学に通っているほとんどの彼ら・彼女らが何年後かに卒業する時、果たして何人がまともに就職できるだろうか、ということです これは学生オケを聴くたびに思うことですが、他人事ながら心配で夜も眠れません。うそですけど 舞台上の何人がプロの演奏家として活躍できるのだろうか いずれにしても、彼らには、とりあえず今現在を精いっぱい頑張って欲しいと思います