明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(221)長崎原爆投下から66年目の日に・・・

2011年08月09日 14時30分00秒 | 明日に向けて8月1~31日
守田です。(20110809 14:30)

みなさま。本日は、長崎原爆投下から66年目の日です。広島に続いて長
崎でも平和宣言が読み上げられましたが、冒頭に福島第一原発事故のこ
とが語られ、続けて脱原発に向けた宣言がなされました。中国新聞は、
「非核、広島よりも踏み込む」という記事でこれを紹介しています。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201108090134.html

宣言はこう語っています。

「ノーモア・ヒバクシャ」を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再
び放射線の恐怖に脅えることになってしまったのでしょうか。
自然への畏れを忘れていなかったか、人間の制御力を過信していなかっ
たか、未来への責任から目をそらしていなかったか……、私たちはこれ
からどんな社会をつくろうとしているのか、根底から議論をし、選択を
する時がきています。

まったくその通りだと思います。
さらに宣言は続けてこう語ります。

世界の皆さん、考えてみてください。私たちが暮らす都市の上空でヒロ
シマ・ナガサキの数百倍も強大になった核兵器が炸裂する恐ろしさを。
人もモノも溶かしてしまうほどの強烈な熱線。建物をも吹き飛ばし押し
つぶす凄まじい爆風。廃墟には数え切れないほどの黒焦げの死体が散乱
するでしょう。生死のさかいでさまよう人々。傷を負った人々。生存者
がいたとしても、強い放射能のために助けに行くこともできません。放
射性物質は風に乗り、遠くへ運ばれ、地球は広く汚染されます。そして
数十年にもわたり後障害に苦しむ人々を生むことになります。
そんな苦しみを未来の人たちに経験させることは絶対にできません。核
兵器はいらない。核兵器を人類が保有する理由はなにもありません。

・・・これもまったくその通りです。

なお長崎平和宣言は、世界に向けて「小さな原爆展」の開催をよびかけ
ています。日本語と英語で原爆の概要を1点(英語は2点)、広島・長崎
の被爆の写真20点が以下からダウンロードできるようになっています。
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/peace/japanese/minimini/pdf/japanese/hironaga1-20.pdf

ぜひこれを活用しましょう。プリントアウトして持参しましょう。周り
の方にも伝えてください。

ノーモア・ヒバクシャ!

今一度、この想いを胸に深く刻み、明日に向けて歩んでいきたいと
思います。

以下、長崎平和宣言を貼り付けます。みんなでシェアしたいです。

********************************

平成23年長崎平和宣言

今年3月、東日本大震災に続く東京電力福島第一原子力発電所の事故に、
私たちは愕然としました。爆発によりむきだしになった原子炉。周辺の
町に住民の姿はありません。放射線を逃れて避難した人々が、いつに
なったら帰ることができるのかもわかりません。

「ノーモア・ヒバクシャ」を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再
び放射線の恐怖に脅えることになってしまったのでしょうか。

自然への畏れを忘れていなかったか、人間の制御力を過信していなかっ
たか、未来への責任から目をそらしていなかったか……、私たちはこれ
からどんな社会をつくろうとしているのか、根底から議論をし、選択を
する時がきています。

たとえ長期間を要するとしても、より安全なエネルギーを基盤にする社
会への転換を図るために、原子力にかわる再生可能エネルギーの開発を
進めることが必要です。


福島の原発事故が起きるまで、多くの人たちが原子力発電所の安全神話
をいつのまにか信じていました。

世界に2万発以上ある核兵器はどうでしょうか。

核兵器の抑止力により世界は安全だと信じていないでしょうか。核兵器
が使われることはないと思い込んでいないでしょうか。1か所の原発の
事故による放射線が社会にこれほど大きな混乱をひきおこしている今、
核兵器で人びとを攻撃することが、いかに非人道的なことか、私たちは
はっきりと理解できるはずです。

世界の皆さん、考えてみてください。私たちが暮らす都市の上空でヒロ
シマ・ナガサキの数百倍も強大になった核兵器が炸裂する恐ろしさを。
人もモノも溶かしてしまうほどの強烈な熱線。建物をも吹き飛ばし押し
つぶす凄まじい爆風。廃墟には数え切れないほどの黒焦げの死体が散乱
するでしょう。生死のさかいでさまよう人々。傷を負った人々。生存者
がいたとしても、強い放射能のために助けに行くこともできません。放
射性物質は風に乗り、遠くへ運ばれ、地球は広く汚染されます。そして
数十年にもわたり後障害に苦しむ人々を生むことになります。

そんな苦しみを未来の人たちに経験させることは絶対にできません。核
兵器はいらない。核兵器を人類が保有する理由はなにもありません。


一昨年4月、アメリカのオバマ大統領は、チェコのプラハにおいて「核
兵器のない世界」を目指すという演説をおこない、最強の核保有国が示
した明確な目標に世界の期待は高まりました。アメリカとロシアの核兵
器削減の条約成立など一定の成果はありましたが、その後大きな進展は
見られず、新たな模擬核実験を実施するなど逆行する動きさえ見られます。

オバマ大統領、被爆地を、そして世界の人々を失望させることなく、
「核兵器のない世界」の実現に向けたリーダーシップを発揮してください。

アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国など核保有国をはじめと
する国際社会は、今こそ核兵器の全廃を目指す「核兵器禁止条約(NW
C)」の締結に向けた努力を始める時です。日本政府には被爆国の政府
として、こうした動きを強く推進していくことを求めます。

日本政府に憲法の不戦と平和の理念に基づく行動をとるよう繰り返し訴
えます。「非核三原則」の法制化と、日本と韓国、北朝鮮を非核化する
「北東アジア非核兵器地帯」の創設に取り組んでください。また、高齢
化する被爆者の実態に即した援護の充実をはかってください。  
長崎市は今年、国連や日本政府、広島市と連携して、ジュネーブの国連
欧州本部に被爆の惨状を伝える資料を展示します。私たちは原子爆弾の
破壊の凄まじさ、むごさを世界のたくさんの人々に知ってほしいと願っ
ています。

「核兵器のない世界」を求める皆さん、あなたの街でも長崎市と協力し
て小さな原爆展を開催してください。世界の街角で被爆の写真パネルを
展示してください。被爆地とともに手を取り合い、人間が人間らしく生
きるために平和の輪をつなげていきましょう。
 

1945年8月9日午前11時2分、原子爆弾により長崎の街は壊滅し
ました。その廃墟から、私たちは平和都市として復興を遂げました。
福島の皆さん、希望を失わないでください。東日本の被災地の皆さん、
世界が皆さんを応援しています。一日も早い被災地の復興と原発事故の
収束を心から願っています。

原子爆弾により犠牲になられた方々と、東日本大震災により亡くなられ
た方々に哀悼の意を表し、今後とも広島市と協力し、世界に向けて核兵
器廃絶を訴え続けていくことをここに宣言します。  


2011年(平成23年)8月9日
長崎市長 田上 富久
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/peace/japanese/appeal/index.html
コメント (3)
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